今日はミシュランガイドを25年もの間コレクションされている方について。
スペイン在住のアントニオ・カンセラさんは2007年春にフランス・ブルジュで開催されたミシュラン・ガイド・アンド・マップ・コレクターズ協会の第2回年次総会において、世界で2番目に重要なミシュランガイドのコレクターに選ばれました。
そのカンセラさんに、スペインでお話を伺いました。

ミシュランガイドへの情熱が生まれたのはいつですか?
「これまで25年に渡って世界中のミシュランガイドを収集してきましたが、そもそもの始まりはガイドのスペイン版です。最近ようやく1910年の第1版を手に入れることができて、誇らしいと同時に感激しました。本当に素晴らしい瞬間でしたね」
ミシュランガイドの収集を始めたきっかけは?
「私は旅行が好きです。そしてホテルやレストランはかなり厳しい目で選びます。ミシュランガイドを持たずに旅行することはありません。ガイドの推薦には必ずしも同意できないときもありますが、その選定基準が私には合っているのです。何度も繰り返し使ううちにガイドの仕組みにすっかり馴染みました。その選び方はきわめて真剣です。長い経験に従った選定方法だとすぐにわかります」
たくさんのコレクションの中で、お気に入りの一冊は?
「最高のガイドといえば、ミシュランが最初に出版した、『1900年フランス版レッドガイド』です。印刷されたのは3万2909部で、現存するのはごくわずか。超希少なコレクターズアイテムです。所有しているのは数人の有名な星付きシェフと、数人のコレクターだけです。私は長いこと探し続けて、2006年にやっと1冊を入手しました。それを手にしたときの感激はもう想像してもらうしかないですよ」
ガイドは全部で何冊所有していらっしゃいますか?
「記憶違いがなければ、現時点でまだ手元に届いていない数冊を除いて、675冊です。もしかするとこれをお読みの方が珍しい版をお持ちかもしれないのでお話ししておきますが、探しているガイドはまだあります。アメリカ軍がノルマンディに上陸したときに発行された特別編集の『フランス版ガイド』があるのです。それから1925年以前の『モロッコ版ガイド』も探しています」
ミシュランガイド・アンド・マップ・コレクターズ協会はどんな団体ですか?
「大規模な集まりです。メンバーは約300人。フランス人が80%、ベルギー人が12%で、残り8%は世界各地にいます。私たちにとってこの協会は重要で、他のコレクターへの連絡や調査にもかかせません。コレクター間での有益な情報交換も活発なんです」
コレクションの中に珍しいガイドなどがありますか?
「アルジェリアとチュニジアを掲載した1907年のガイドを持っています。きわめて少部数の稀覯本です。同じガイドの1911年版も持っています。北アフリカ、イタリア南部、コルシカ、リビエラが掲載されています。当時「太陽の国々(Pays du Soleil)」というタイトルで出版されたんですよ」

カンセラさんの書棚には、最初のミシュラン・レッド・ガイドである『1900年フランス版』に始まり、最新の『2008年東京版』まで続いています。その2冊には、673冊ものガイドがはさまれています。