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SUPER GT 2020 ROUND 1
FUJI

■予選:7月18日/決勝:7月19日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース距離:300km(66周×4.563km)

待望の開幕戦でミシュランはGT300活動を再開
GT500クラスではまたも日産 GT-R勢の最上位に

新型コロナウィルス感染症拡大の影響でシーズンの開幕が大幅に後ろ倒しとなった2020年SUPER GTの第1戦がついに開催されました。GT500クラスに出場したミシュランタイヤ装着車は、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が7位に入って日産 GT-R NISMO GT500勢の最上位に。No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)はGT300車両との接触があったことなどから11位に終わりました。また、ミシュランは今大会から5年ぶりとなるGT300クラスでのタイヤ供給活動を開始。No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ)は10位、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)は13位でミシュランタイヤでの初戦を終えました。

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SUPER GT第1戦 富士
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

新型コロナウィルス感染拡大防止のため今大会は無観客で開催されました。そのため、決勝レースを前にスターティンググリッドに各車が並んだタイミングでありながら、グランドスタンドには誰ひとりいないという光景が出現することに。なお、少なくとも第4戦ツインリンクもてぎまでの各レースは無観客での開催となります。

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今シーズンはGT500クラスの車両規則に改訂があり、「クラス1+α」と呼ばれる新規定に基づいたものとなりました。これを受け、新規車両のトヨタ・GRスープラ、本来のミッドシップから新規定に従ってFR(フロントエンジン/リアドライブ)に変更されたホンダ NSX-GT、そして日産 GT-R NISMO GT500の各車種はそれぞれ新型に。今大会はGT500の出場全車にとっての初陣でした。

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大きく変わったライバルメーカー2社の車両に対して、日産 GT-R NISMO GT500は正常進化を選択。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは松田次生/ロニー・クインタレッリという不動のコンビで今シーズンに挑みます。同車を走らせるNISMOチームはリアウイングの翼端板に毎戦そのレースにちなんだデザインを施す企画を続けていますが、今大会では新型コロナウィルス感染症との戦いに対する言葉を大きくあしらったものとしていました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは前年からの続投となる平手晃平(写真右)と1年ぶりに同車を駆ることになった千代勝正(写真左)の新コンビで今シーズンを戦います。写真中央は、現在はNISMOのエグゼクティブアドバイザーを務めている本山 哲。写真に写る人物の顔はすべてマスク顔という状態が今後続くことになります。

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今シーズンはGT300クラスでも2台の車両がミシュランタイヤを履くことになりました。そのうちの一台はNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3で、レーシングドライバーとして20年以上のキャリアを持つと同時にミュージシャンでもある吉本大樹と、SUPER GTを走るのは今年が初めての河野駿佑のコンビで挑みます。

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GT300クラスのもう一台のミシュランユーザーは、アストンマーチン・ヴァンテージ GT3を使用するNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3。第1ドライバーの藤井誠暢とレギュラーで組むのはデンマーク人ドライバーのニッキー・ティームですが、新型ウィルスの兼ね合いで日本への入国ができない状況であったことから、日本在住のケイ・コッツォリーノがピンチヒッターとなって今大会に出場しました。

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新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、今大会は予選と決勝を1日で行うワンデイ開催とされました。朝一番の段階では降雨はないものの空には雲が立ちこめ路面が濡れた状態でしたが、午前9時30分からの予選が近づく頃には雲に切れ間ができ、路面は急速に乾いていくことに。各車はスリックタイヤで予選にアタックし、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが予選7位を獲得しました。

本来の予定から3カ月遅れとなったものの、SUPER GTの2020年シーズンはついに開幕を迎えました。新型コロナウィルス感染拡大の可能性をできるだけ抑え込むため、今大会を含むシーズン前半の4戦は無観客での実施とし、そして今大会は予選と決勝を1日のうちに行うワンデイ開催とされました。

それでも決勝日前日の夕方近くには70分間の公式練習が行われました。ウェット宣言が出されたものの実際にはスリックタイヤで出走できる路面状況で、GT500クラスに出場するミシュラン勢はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が10位、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が11位につけるタイムを刻みました。

明くる7月19日(日)の決勝日は、朝一番は曇天でしたが、午前9時30分からの公式予選が迫る頃には青空が顔をのぞかせるコンディションに。午前10時03分から10分間で行われたGT500クラスのQ1(予選第1セッション)ではNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平が3番手のタイムを叩き出してQ2(予選第2セッション)進出を決めました。一方、ロニー・クインタレッリがアタックしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは0.026秒の僅差でQ1突破を逃しました。

午前10時41分からやはり10分間で行われたGT500クラスのQ2に進出したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、SUPER GTレギュラードライバーとしての復帰戦となった千代勝正のドライブによって7番手のタイムをマーク。その一方で、このQ2では2台のトヨタ・GRスープラと1台のホンダ NSX-GTがコースレコードを更新する速さを見せており、戦いが一層シビアなものとなっていることをうかがわせました。

SUPER GTとしては例外的なワンデイ開催となった今大会の決勝レースは、午後3時という比較的遅い時間にスタートが切られました。日本各地で長雨が続いた中では希少な晴天に恵まれ、路面温度はこの週末で最も高い40℃に達していました。

富士スピードウェイを66周する300kmのレース距離で行われた今大会ですが、オープニングラップでGT500クラスの2台が接触。平手晃平がスタートドライバーを務めたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはそのアクシデントの影響を受けて順位を下げ、9位でオープニングラップを終えます。するとアクシデントの処理のため早速セーフティカー導入となりました。

6周目にレース再開となり、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは9〜10位付近を走行。その後方には、ロニー・クインタレッリがステアリングを握っていたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが続く形となりました。両車はポジションをほぼキープした状態で前半スティントをこなし、30周目を終えたところでNo.23 GT-Rがルーティンのピットストップを実施。対してNo.3 GT-Rは32周目終了時点でピットに入りました。そして千代勝正に交替してNo.3 GT-Rがピットアウトしたところ、松田次生が新たに乗り込みすでにタイヤが温まっていたNo.23 GT-RがNo.3 GT-Rをかわしていくことになりました。

ところが36周目、No.23 MOTUL AUTECH GT-RはGT300クラスの車両と交錯し接触。この間にNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが先行しました。その後、No.23 GT-Rには接触によるものと思われる不具合が生じ、50周目を終えたところで車両点検のためピットへ。再スタートしてレースを走り切りましたが、周回遅れの11位という苦い最終結果にとどまることになりました。

一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは良好なペースでレース後半は8位を走り続け、No.8 ホンダ NSX-GTの背後に迫っていくと64周目にはこれをパス。最後に自力でポジションを上げる力強いパフォーマンスを見せながら7位でシーズン初戦を終えました。

GT300クラスでは、クラス13番手の位置からスタートしたNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3が藤井誠暢のドライブで前半スティントのうちにポイント獲得圏内に浮上。後半スティントを担当したケイ・コッツォリーノも良好な走りを見せました。No.9 Vantage GT3は一旦はかわしたNo.4 メルセデス AMG GT3に抜き返されはしたものの10位でフィニッシュ。昨シーズンはノーポイントに終わっていたNo.9 Vantage GT3ですが、ミシュランタイヤにスイッチした初戦でSUPER GT初ポイント獲得を果たしました。

もう一台のミシュランタイヤ装着GT300車両であるNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、決勝レースのコンディションの中でなかなかペースを上げられない状況に陥っていました。それでも、前半スティント担当の吉本大樹、後半スティント担当の河野駿佑の両ドライバーの奮闘により、ポイント獲得まであと3台というところの13位でのフィニッシュを果たしました。

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2019
■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「今大会のドライコンディション用として我々は、GT500クラスには今大会用のソフト、ミディアムソフト、ミディアムの3種類、GT300クラスにはミディアムとハードの2種類を用意しました。また、ウェット用としては、GT500/GT300ともに、路面が湿っているダンプコンディション用のドライイングタイヤとフルウェットの2種類でした。
 GT500クラスの3号車と23号車は、予選と決勝のすべてでミディアムタイヤを使用して走行しました。どちらの車両においても我々のタイヤはよく機能したと評価しています。耐久性やラップタイムの安定性はレースを通じて良好で、適した選択を行えたと思います。特に3号車のラップタイムは上位でフィニッシュした車両に対して遜色のないもので、タイヤサプライヤーとしては果たすべき仕事ができたと考えています。
 GT300クラスにおいては、9号車は予選と決勝を通じてミディアムタイヤを使用しました。60号車は、予選と決勝の前半スティントはハードタイヤを使い、後半スティントでミディアムにスイッチしました。このGT300クラスに関しては、5年ぶりの再開であることに加え、新型コロナウィルスの影響でテストを少ししか行えなかったことから、クルマとタイヤのマッチングを依然として勉強している段階のまま今大会に臨まざるを得ませんでした。それでも9号車は同車の昨シーズンより良いリザルトを我々のタイヤを履いた初戦にして挙げることができたので、その点は良かったと思っています」

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SUPER GT第1戦 富士
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

長雨が続く中、前日の公式練習の走行セッションも雨上がりの状況下で行われることになりましたが、決勝レースは望外の好天に恵まれての開催に。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは堅調な戦いを終始展開し、同車の7位フィニッシュによってミシュランタイヤ装着車が今大会においても日産 GT-R勢の最上位を得る結果となりました。

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結果的に8カ月を超えることになったオフシーズンがついに終わり、晴れて迎えた2020年シーズン最初のレーススタート。GT500クラスの3車種のうち、まったくの新型車であるトヨタ・GRスープラとFR化されたホンダ NSX-GTがスピード的にリードするという状況で、2台とも日産 GT-Rを使用するミシュランタイヤ勢は今大会では表彰台圏内が見えない戦いを余儀なくされました。

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レース前半においてミシュランタイヤを履く2台は僅差の攻防を演じ続けることになりました。その中でNo.23 MOTUL AUTECH GT-RはGT300車両との接触があって後退を余儀なくされることに。一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはレースも残り2周というところでNo.8 ホンダ NSX-GTをかわして7位に入り、今大会における日産 GT-R勢最上位を得ました。

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GT500クラスに続いて切られたGT300クラスのスタートのシーン。予選ではタイム差が0.1秒しかなかった2台のミシュランタイヤ装着車ですが、決勝ではNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3が終始先行。No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は予選でのスピードが決勝では再現されず苦しい戦いとなりましたが、粘り強く走り続けて出走29台中13位という結果を残しました。

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No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3は藤井誠暢が担当した前半スティントのうちにポイント圏内に浮上。レース後半を任されたケイ・コッツォリーノも安定した走りを見せ、10位フィニッシュを果たして貴重な1ポイントを獲得しました。これはアストンマーチン・ヴァンテージ GT3がSUPER GTで挙げた初ポイントでした。

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ミシュランタイヤは今大会においても設定目標のパフォーマンスを発揮。特にNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの決勝レースペースは良好で、日産 GT-R勢最上位獲得の原動力となりました。なお、写真で見えているのはウェット用タイヤ。サイドウォールの「PILOT SPORT」ロゴの地色を白にして、スリックタイヤとの違いを一目瞭然にしています。

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日本ミシュランタイヤモータースポーツのトレーラー等がヨーロッパで使用されているものと同じ新しいカラーリングになりました。オフィストレーラーも新しくなりましたが、そのカラーリングは、サーキットに着いてトレーラーの2階部分を展開させるとミシュランマンがキュートな顔をのぞかせるという趣向です。

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