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SUPER GT 2024 ROUND 2
FUJI

■予選:5月3日/決勝:5月4日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース時間:3時間

GW富士ラウンドはSUPER GT初の時間制レースとして開催
PONOS FERRARI 296がミシュラン勢最上位の9位に

ミシュランを含む4つの世界的なタイヤメーカーが競い合うSUPER GTシリーズの2024年シーズン第2戦がゴールデンウィーク真っ只中の富士スピードウェイで開催されました。ミシュランはGT300クラスに出場する3台のパートナーチーム車両にタイヤ供給を行っていますが、最上位はケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー組のNo.45 PONOS FERRARI 296で、クラス9位でのフィニッシュでした。
今大会は、前身である全日本GT選手権の時代を含めて30年の歴史を持つSUPER GTで初めて、時間制のレースとして開催されました。SUPER GTとしては長丁場の3時間レースでしたが、ミシュランタイヤ装着の全車が完走を果たしました。

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SUPER GT第2戦 富士
PONOS FERRARI 296

ミシュランタイヤを使用して今シーズンからSUPER GTへの参戦を開始したNo.45 PONOS FERRARI 296。本来の車重(乾燥重量)1275kgに、SUPER GT独自の速度抑制策として51kgのウェイト(重り)搭載が課され、さらに大会ごとの性能調整措置(BoP)により35kgのウェイトをさらに加えた状態での出走となっていた同車は、路面温度が40℃に達したコンディションの中で苦闘を強いられましたが、それでも9位でレースを終えて初ポイント獲得を果たしました。

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七合目付近まで冠雪した富士山を背景にした、新緑の広がるサーキット。この清々しい光景の中をレーシングカーが疾走していく様子は、この季節ならでは。なお、ゴールデンウィークにおける富士スピードウェイでのビッグレース開催は、1960年代から連綿と続けられてきているものです。

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27台が出場するGT300クラスの予選は2つのグループに分けて行われます。今回、No.45 PONOS FERRARI 296は、Q1ではAグループ枠となり、ケイ・コッツォリーノのドライブでグループ5位に。Q2では上位グループ枠となり、リル・ワドゥーが9位のタイムをマーク。合計タイムでは6位の結果となりました。

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今大会はSUPER GTとしては長丁場の3時間レースで、GT300クラスではエントリーした27台のうち11台が3名のドライバーを登録。そのうちの1台がNo.7 Studie BMW M4で、荒 聖治/ニクラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラーの3人体制で出場。予選はクルッテンとスペングラーが走って9位につけました。

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No.20 シェイドレーシング GR86 GTは、公式練習でマシンにトラブルが発生。多くの車両が40周前後をこなした中で、9周しか走れずに予選を迎えました。それでも同車は、Q1担当の平中克幸とQ2担当の清水英志郎の両ドライバーの頑張りにより、予選12位とまずまずのポジションを確保しました。

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ゴールデンウィーク真っ只中の開催である上に晴天に恵まれたことも手伝って、予選日で3万4500人、決勝日には5万3900人、2日間合計で8万8400人もの入場が今大会にはありました。ピットウォークも、幅広な富士スピードウェイのピットロードがお客様で埋め尽くされるほどの盛況ぶりに。

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No.45 PONOS FERRARI 296は、女性ドライバーのワドゥーが担当した第1スティントの前半はトップ10圏内を走りましたが、その後はポジションを落として苦しい状況に。それでも、第2スティントと第3スティントを連続して走行したコッツォリーノの踏ん張りもあり、9位に入ってポイントを獲得しました。

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No.7 Studie BMW M4は、スペングラー→荒→クルッテンと、スティントごとにドライバー交替しながら走行。同車は、SUPER GT独自の速度抑制策と性能調整措置によって合計101kgものウェイト(重り)搭載が課された状態での出走でしたが、粘りのレースを見せて11位でフィニッシュしました。

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公式練習を十分に走れなかったにもかかわらず予選で12位につけてみせていたNo.20 シェイドレーシング GR86 GTでしたが、決勝では車両に不可思議な挙動が出る問題を抱えて序盤からペースを上げられず。レースを投げることなく走り切ったものの、3周後れというフラストレーションの溜まる一戦に。

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3週間前に行われた開幕戦岡山大会よりかなり高いものとなった路面温度のもとで、今大会におけるミシュランタイヤには、性能調整措置によって課されるウェイトの影響が大きめに出ることになりました。それでも3台のパートナーチーム車両は、SUPER GT初の3時間レースを敢然と走り抜きました。

【サクセスウェイト】
SUPER GTは、各ドライバーの前戦終了時点での累積ポイントに応じてハンディキャップを課すサクセスウェイト制度を採用しています。今大会におけるミシュランタイヤ装着車では、前戦である開幕戦で3位に入ったNo.7 Studie BMW M4が22kgのハンディウェイトを搭載しました。一方、No.20 シェイドレーシング GR86 GTとNo.45 PONOS FERRARI 296はノーハンディの状態で出走しました。

【GT300クラス予選】
2024年シーズンのSUPER GTの予選方式は、すべての出場車両がQ1とQ2の2つのセッションを走り、その合計タイムで順位を決定するものです。また、Q1とQ2で使用できるドライコンディション用タイヤは1セットのみとされ、決勝もドライコンディションで迎えた場合は、予選で使ったタイヤでスタートすることが義務づけられています。

ドライコンディションのもとで行われた今大会の予選における3台のミシュランタイヤ装着車の最上位車両はNo.45 PONOS FERRARI 296でした。同車は、Q1でケイ・コッツォリーノが1分36秒502を、Q2でリル・ワドゥーが1分36秒708をそれぞれマーク。合計タイム3分13秒210で、予選6位を獲得しました。

決勝が比較的長い3時間レースである今大会にドライバー3名体制で出場してきたNo.7 Studie BMW M4は、予選ではブルーノ・スペングラーとニクラス・クルッテンがアタックを担当。合計タイム3分13秒475(Q1:スペングラー 1分36秒525/Q2:クルッテン 1分36秒950)で予選9位に。No.20 シェイドレーシング GR86 GTは合計タイム3分13秒772(Q1:平中克幸 1分36秒679/Q2:清水英志郎 1分37秒093)で予選12位となりました。

【GT300クラス決勝】
決勝日である5月4日の富士スピードウェイは前日に続いてさわやかな五月晴れに恵まれました。3時間レースがスタートした午後1時36分の気温は25℃、路面温度は40℃でした。

3時間レースとして行われた今大会は、給油のためのピットストップを2度行うことが必須。つまり、基本的には3つのスティントで構成されるレースでしたが、各スティントの長さをどう取り、ピットストップをどのタイミングで行うか、その際のタイヤ交換をどうするか、2名ないし3名のドライバーをどの順番で交替させていくか等々、各チームで戦略が分かれました。なお、GT300クラス優勝車両の周回数は108周でした。

No.45 PONOS FERRARI 296は、リル・ワドゥーに任せた第1スティントを長く引っ張る作戦を取りました。そして、41周目を終えたところで1回目のピットストップを実施。そして、マシンを引き継いだケイ・コッツォリーノが続く2つのスティント(34周と32周)を連続して担当し、ポイント圏内の9位でフィニッシュしました。

No.7 Studie BMW M4は、第1スティントをブルーノ・スペングラー、第2スティントを荒 聖治、第3スティントをニクラス・クルッテンがそれぞれ担当。第1スティントでは予選順位より上の8番手を走りましたが、その後ポジションを少し下げ、最終的には11位でのゴールとなりました。

No.20 シェイドレーシング GR86 GTは、今大会では走り出しから車両の状況が思わしくなく、公式練習をほとんど走行できませんでした。それでも予選では出走27台中の12位に食い込んだわけですが、決勝レースではマシンに想定外の不安定な挙動が序盤から発生して苦戦。第1スティントと第2スティントを清水英志郎、そして第3スティントを平中克幸が走りましたが、トップから3周後れの19位に終わりました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント:

「今回の3時間レースに我々ミシュランは、ドライコンディション用タイヤに関しては、ソフト、ミディアムソフト、ミディアム、ミディアムハード、ハードと計5種類のコンパウンドを持ち込みました。7号車は2日間を通してミディアムタイヤを使用しました。20号車は、予選と決勝の第1スティントではミディアムタイヤを、第2スティントと第3スティントではハードタイヤを使いました。45号車は、予選から決勝の第2スティントまでハードタイヤを使用し、最後のスティントでミディアムタイヤに変更しました。
 45号車は、予選では6番手と好位置につけましたが、総合的に見ると、前戦の岡山より高い路面温度となった中で、BoP(性能調整措置)によってウェイト(重り)の搭載を課されていることが大きく響いたと言えるでしょう。それでも、難しい条件のもとで、45号車が貴重なシリーズポイントを獲得できたことは良かったです。というのも、BoPは我々がタイヤの仕様を確定させた後に決定されたのです。そのため、タイヤの本来の耐久性や温度レンジから逸脱するという弊害が生じています。ウェイトについての分析を続ける必要があると考えています」

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