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SUPER GT 2022 ROUND 3
SUZUKA

■予選:5月28日/決勝:5月29日
■開催地:鈴鹿サーキット(三重県)
■レース距離:300km(52周×5.807 km)

ミシュランタイヤ装着車が鈴鹿ラウンド4連覇
GT500クラスとGT300クラスのダブルウインを達成

タイヤメーカー4社が激しい開発競争を繰り広げているSUPER GTシリーズ。その2022年シーズン第3戦が鈴鹿サーキットで行われ、トップカテゴリーのGT500クラスにミシュランタイヤを使用して参戦しているNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)がパーフェクトなレースを戦って初優勝を飾りました。これにより、GT500クラスの日産車とミシュランタイヤのコンビネーションはSUPER GTの鈴鹿ラウンドで4戦連続優勝を果たしました。GT300クラスにおいてもミシュランタイヤ装着車のNo.7 Studie BMW M4(荒 聖治/近藤 翼)が初優勝を遂げ、ミシュランは今大会のGT500クラスとGT300クラスの双方の戦いを制しました。

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SUPER GT第3戦 鈴鹿
CRAFTSPORTS MOTUL Z

築いたリードがセーフティカーランによってリセットされることが2度もありましたが、その再スタートのたびに2位以下を一気に突き放してみせる圧巻の速さで文句なしの勝利を飾ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正(写真左)と高星明誠(写真右)。タイヤにかかる負荷がひときわ高いコースである鈴鹿で4連勝を果たしたミシュランタイヤの高性能がまざまざと示された一戦になりました。

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鈴鹿サーキットは、高い速度域で長く旋回を続け、その間アウト側のタイヤに高い負荷がかかり続けるコーナーが何カ所もあり、タイヤに試練を課すコースです。そしてミシュランは過去のデータや知見から、この週末の路面温度が夏に匹敵する高さになる可能性もあると読んでおり、そうした条件にしっかり対応できるタイヤを用意していました。

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前戦の富士大会で大きなアクシデントに見舞われたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z。同車のメンテナンスを担当するNISMOは3週間のインターバルで新車をイチから組み上げて今大会に間に合わせました。そんなスタッフたちの努力に報いるかのように、千代と高星(写真)の両ドライバーが予選でともに好タイムを記録し、同車は2戦連続の予選3位を獲得しました。

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鈴鹿ラウンドで3連勝を飾ってきた松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH Zは、予選日の午前に行われた公式練習においてトップタイムをマーク。鈴鹿における彼らと日産車とミシュランタイヤの強さを改めて印象づけました。ところが、午後の予選ではアタックラップがうまくまとまらず12位という結果に終わりました。

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GT300クラスのNo.7 Studie BMW M4は、レギュラーのアウグスト・ファルフスに代わって今大会では近藤 翼が荒 聖治のパートナーを務めるという体制。予選Q1のA組を荒のアタックによってトップで通過すると、Q2では近藤が3番手タイムをマーク。上位2台にペナルティなどがあり、No.7 Studie BMW M4は繰り上がって予選クラス首位となりました。

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2戦連続で3番手グリッドにつけたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z。決勝日は前日以上の陽気となり、スターティンググリッドに各車が並んで様々な大会式典が進むうちにも路面温度はぐんぐん上昇。午後2時40分に決勝レースのフォーメイションラップが開始された頃には49℃に達しましたが、この温度レンジに対するミシュランの備えは万全でした。

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千代がスタートを担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、ミシュランタイヤのウォームアップ性能の良さを存分に生かし、1周目で2台抜きを演じてトップで2周目に突入。どんどんギャップを広げていきました。11周目のセーフティカー導入でリードは一気に小さくなりましたが、戦いが再開されると即座に後続を引き離していくスピードを見せました。

SUPER GTはドライバー部門のシリーズポイントに応じた重さのウェイトの搭載を各出場車両に課すサクセスウェイト制度を採用しています。今大会のGT500クラスにおけるミシュランパートナーチーム車両は、No.23 MOTUL AUTECH Zが30kg、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zが12kgのウェイトを積んでの出走でした。

【今大会のGT500クラス用ミシュランタイヤ】
■ドライコンディション用:スリックタイヤ(ミディアムソフト、ミディアム、ハード)

【GT500クラス予選】
この週末の鈴鹿サーキットは、予選日、決勝日ともに夏を思わせる陽気に恵まれました。予選日の午前中に行われる公式練習が開始された午前9時30分の時点で、気温は26℃、路面温度は36℃に。そして、このセッションではNo.23 MOTUL AUTECH Zがトップタイムを記録。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zも4番手タイムを刻んで、Nissan Z GT500&ミシュランタイヤの仕上がりの良さを印象づけました。

同日の午後3時28分にはGT500クラスのQ1(予選第1セッション)がスタート。このとき路面温度は42℃となっていました。ミシュラン勢は、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zが千代勝正のアタックによって、従来のコースレコードをこのセッションで唯一更新するトップタイムをマーク。一方、松田次生がこのセッションを担当したNo.23 MOTUL AUTECH Zはタイムがうまくまとまらず12番手タイムにとどまりました。

午後4時06分からのGT500クラスのQ2に出走したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zには高星明誠が乗り込みました。彼は、前戦の富士大会で見舞われた大きなアクシデントによる影響がないことを見事なドライビングによって証明。3番手となるタイムを叩き出し、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは前戦に続いて予選3位を獲得しました。

【GT500クラス決勝】
決勝日である5月29日(日)も鈴鹿サーキットは夏日に。14時40分に決勝レースのフォーメイションラップが開始された時点で、気温は33℃、路面温度は49℃にまで高まっていました。

千代が乗り込んで3番手グリッドから出たNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、ミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さを生かし、予選2位であったNo.37 トヨタ GRスープラをスタート直後の1〜2コーナーで仕留めて2位に浮上。さらに、その周の後半の130Rでは、ポールポジションからスタートして首位を走っていたNo.19 GRスープラをオーバーテイク。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはオープニングラップだけで2台を実力で抜き去ってトップに立ちました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z&ミシュランタイヤの速さは誰の目にも明らかで、懸命に食い下がろうとするライバルたちをじりじり引き離していきます。11周目にGT300車両のクラッシュ処理のためセーフティカーが導入されましたが、そのときまでにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは後続に対して4秒以上のリードを作り出していました。

セーフティカー導入によってNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zが築いたマージンはリセットされてしまいましたが、15周目のレース再開後も同車はまたしても後続を置き去りにしていきました。そして、52周のレースの約40%に相当する21周の周回をこなしたところでNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはピットへ。燃料補給、タイヤ交換、千代から高星明誠へのドライバー交替を行いました。

GT500クラスの全車がピットストップを終えた時点で、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは断トツのトップを走っていました。やがてリードは20秒を越えるものに。近年のSUPER GTでは稀に見る独走劇でした。39周目には今大会2度目のセーフティカーが導入されて、大きなリードは帳消しにされてしまいましたが、レース後半に入ってもパフォーマンスの優位性を発揮し続けるミシュランタイヤ装着のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、レースが再開された44周目だけでライバルたちを2秒以上も引き離す突出したスピードを披露。再び独走態勢に持ち込んで、ファーストチェッカーを悠々受けました。

これにより、鈴鹿サーキット開催のSUPER GTレースでは4戦連続で日産車&ミシュランのパッケージがGT500クラスを制することに。また、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zをドライブした千代勝正と高星明誠の両ドライバーにとっても、そして同車を走らせるNDDP RACINGにとっても、うれしいGT500クラス初優勝となりました。

一方、SUPER GT鈴鹿ラウンドの過去3大会のウイナーであるNo.23 MOTUL AUTECH Zにとって今大会は多難なレースとなりました。ロニー・クインタレッリが前半スティントを担当した同車は、オープニングラップで1台をパス。その後、前走車がピットに入ったことで10位に浮上しました。そして20周目にピットストップを実施しましたが、ドライバーのセーフティハーネスの装着に問題が出て時間をロスしてしまいました。

松田次生が新たに乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH Zは10位のポジションをキープしながら後半スティントの戦いを進めました。ところが、FCY(※アクシデント処理を行うため全車追い越し禁止とする措置)が解除された際に予測ほどの加速を見せなかった目の前のGT300車両に軽く接触してしまう事態が起こり、No.23 MOTUL AUTECH Zにはドライブスルーペナルティが課されることに。さらに、そのFCY中に同車には追い越しがあったと判定され、同車のレースタイムに40秒のペナルティタイムが加算されることになり、No.23 MOTUL AUTECH Zは12位という結果に終わりました。

【GT300クラス】
今大会のGT300クラスには27台が出場。同クラスでミシュランが唯一タイヤ供給を行うNo.7 Studie BMW M4は、予選Q1ではA組に出走し、荒 聖治のアタックによって見事トップタイムを記録しました。

No.7 Studie BMW M4のレギュラードライバーであるアウグスト・ファルフスは、同じ週末にドイツで開催されたニュルブルクリンク24時間への出場のため来日できず、Cドライバーとしてシリーズ登録されている近藤 翼が代わって荒のパートナーを今回務めました。その近藤はQ2でチームの期待に応えるドライビングを見せて3番手タイムをマーク。すると、トップ2の2台の車両に再車検不合格による予選失格やベストラップ抹消があったため、No.7 Studie BMW M4は繰り上がってポールポジションを獲得しました。

決勝レースでは、前半スティントは荒、後半スティントは近藤がNo.7 Studie BMW M4のステアリングを握りました。路面温度が50℃に達し、タイヤにとって過酷なコンディションとなった今大会でしたが、ミシュランタイヤを履くNo.7 Studie BMW M4はスタートからフィニッシュまで一度もトップの座を譲らない完璧なレースを披露。荒にとっても近藤にとっても、そしてBMW Team Studie x CSLにとっても、初めてのGT300クラス優勝が飾られました。

なお、1大会のGT500クラスとGT300クラスの双方をミシュランタイヤ装着車が制したレースは、2014年シーズンの第5戦富士大会(※)以来でした。
(※GT500クラスでは山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組のウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT&ミシュランタイヤ、GT300クラスでは佐々木孝太/井口卓人組のSUBARU BRZ R&D SPORT&ミシュランタイヤがそれぞれ優勝)

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント:

「鈴鹿サーキットの路面はタイヤにとってシビアで、加えて、決勝は路面温度がかなり上がることが予想されましたので、我々はハードコンパウンドを選択しました。そして、我々のパートナー車両は予想を超える高さのパフォーマンスを予選で見せ、スターティンググリッドで良い位置を得てくれました。
 決勝レースでは、この時期としては極めて高い約50℃にまで路面温度が上がりました。我々はハードタイヤを選んだわけですが、それでも心配がなかったわけではありませんでした。しかし、パートナーチームのドライバーたちは非常に良いタイヤマネージメントを行ってくれ、おかげでGT500とGT300の両クラスにおいて我々のタイヤを履いた車両が優勝しました。ともに今シーズンデビューの新型車であるNissan Z GT500とBMW M4 GT3のどちらにとっても世界初優勝でした。私としては、我々のミシュランタイヤが最後まで持ち前の高い性能を発揮し続けたこと、そして我々ミシュランが各パートナーチームをタイヤメーカーとしてしっかりサポートできたことをうれしく思っています」

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SUPER GT第3戦 鈴鹿
Studie BMW M4

SUPER GTのGT300クラスに2020年シーズンから改めて参戦しているBMW Team Studieですが、ミシュランタイヤの使用は今シーズンから。そして、タイヤを変更してわずか3レース目にして、BMW Team Studieとしては初めてのGT300クラス優勝を手にしました。

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トップで戻ってきたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zのステアリングを任された高星は、前半スティントを担当した千代に負けず劣らずの好走を披露。39周目に導入された今大会2度目のセーフティカーランが解除されたその周回だけで後続を2秒以上も置き去りにしていったスピードは圧巻で、再び独走状態に持ち込んで栄光のチェッカーフラッグを受けました。

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フィニッシュ後、マシンから降りてきた高星を千代が迎え、喜びを分かち合いました。GT500クラスへの参戦は2016年シーズンからの千代にとっても、同じく2018年シーズンからの高星にとっても、これが同クラスでの待望の初優勝でした。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zには前戦の富士大会で大きなアクシデントがあったばかりだけに、喜びはひとしおでした。

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No.23 MOTUL AUTECH Zは決勝レースの大半で10位を走行。本意ではないポジションながらもポイント獲得を目指して戦いを進めましたが、FCY解除時に直前を走行していたGT300車両が思うほど加速しなかったことから軽く接触し、そのためにドライブスルーペナルティが課されるなど、ひたすら不本意なレースとなってしまいました。

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GT300クラスのポールポジションからスタートしたNo.7 Studie BMW M4は、前半スティントを荒、後半スティントを近藤が担当。2度のセーフティカーランによってそれまでに築いたアドバンテージが帳消しとなってしまったのは同車も同じでしたが、後続を一度も前に出すことなく、27台ものマシンがしのぎを削ったGT300の戦いを支配し続けました。

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マシンをBMW M4 GT3に、タイヤをミシュランにそれぞれ変更して3戦目で優勝を手にしたBMW Team Studieの荒 聖治(写真右から2人目)と近藤 翼(写真左から2人目)。写真中央は日本ミシュランタイヤのモータースポーツダイレクターである小田島広明。ミシュランはこのNo.7 Studie BMW M4への供給を通してBMW M4 GT3用のタイヤ開発を進めています。

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写真右から、GT500クラス優勝の高星、千代、GT300クラス優勝の荒、近藤。この優勝記者会見に登場することができたのはミシュランキャップをかぶるドライバーたちだけでした。タイヤにかかる負荷が高い鈴鹿で、路面温度が約50℃に達する過酷なコンディションとなった中、ミシュランタイヤの高いパフォーマンスが存分に示されたレースとなりました。

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