supergt 2019 r4 hero

SUPER GT 2019 ROUND 4
THAILAND

■予選:6月29日/決勝:6月30日
■開催地:チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ)
■レース距離:300km(66周×4.554km)

ミシュランタイヤは所期のパフォーマンスを発揮
CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが6位でフィニッシュ

2019年のSUPER GTシリーズにおいて唯一の日本国外開催ラウンドとなるタイ大会が行われ、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ)は予選3位を獲得し、決勝レースを6位でフィニッシュ。今大会をポイントランキング2位で迎えたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は2番目に重いウェイトハンディを抱えての戦いとなり、レース終盤には車両トラブルに見舞われもしましたが、優勝車両と同一周回の11位で灼熱のレースを走り切りました。残された結果は手放しで喜べるものではありませんでしたが、ミシュランが今大会に持ち込んだタイヤは想定どおりのパフォーマンスを発揮しており、技術的には確かな手応えを得た一戦となりました。

supergt-2019-r4-
supergt 2019 r4 01

2019年SUPER GT第4戦 タイ
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

仏塔が近くに見える、いかにもタイらしい光景のサーキットを行くNo.3 GT-R。公式練習ではトップタイムを刻み、予選では3位につける速さを見せました。

supergt 2019 r4 02

公式練習でそろってコースインするミシュランタイヤ装着の2台の日産 GT-R。チャーン・インターナショナル・サーキットは今シーズンのSUPER GT全8戦の開催サーキットの中で唯一の左回り(反時計回り)のため、この向きでのピットアウトに。

supergt 2019 r4 03

今大会におけるミシュランのタイヤサービスは、当社のSUPER GTプログラムを運営する日本ミシュランタイヤのスタッフと現地スタッフとの混成とし、万全の体制を敷いてクォリティの高いサービスを展開しました。

supergt 2019 r4 04

今回のGT500クラス出場車両の中では2番目に重い49kgのハンディウェイトを搭載したNo.23 GT-R。予選ではハンディが軽い4台もの車両を上回るタイムをマークしましたが、それでもQ1突破はならず予選10位となりました。

supergt 2019 r4 05

今年、久々にSUPER GTへのレギュラー参戦を行っているフレデリック・マコヴィッキ。このサーキットは2014年にミシュランタイヤ装着のホンダ NSXで経験済みであり、今回は日産 GT-Rで速さを見せました。

supergt 2019 r4 06

重いウェイトハンディを抱えながらの高い路面温度でのこの一戦をいかに戦うか。条件的にとても厳しいものであった今大会を乗り切るべく、No.23 GT-Rを走らせるNISMOチームとミシュランはそれぞれに知恵を絞りました。

supergt 2019 r4 07

決勝レースのスタートに向けて、No.3 GT-Rが前方の2列目にある自らのグリッドへと進む。前日の公式練習や予選では良い手応えを得ていた同車でしたが、この決勝日での様相はやや異なるものとなりました。

全8戦からなる2019年SUPER GTシリーズにおいて日本国外で開催される唯一のレースである今大会。ミシュラン勢は、NISMOのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が49kg、NDDP RACING with B-MAXのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ)は22kgのハンディウェイトをそれぞれ搭載して臨みました。

天候が急変してスコールに見舞われることも多々ある亜熱帯のチャーン・インターナショナル・サーキットですが、結果的にこのレースウィークのSUPER GTの走行セッションはすべてドライコンディションのもとで行われました。そして、6月29日(土)午前の公式練習ではNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがトップタイムをマーク。出場車両の中で2番目に重いハンディウェイトを積むNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rも7番手タイムを記録していました。

29日(土)の午後3時20分に開始されたGT500クラスの予選第1セッション(Q1)では、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがフレデリック・マコヴィッキのドライブより2番手タイムを叩き出してQ1を突破。午後4時3分から行われた予選第2セッション(Q2)では平手晃平が1分23秒455をマークして、No.3 GT-Rとしては今季これまででの最上位となる予選3位・セカンドロウを獲得しました。一方、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは重いハンディウェイトの影響がやはり大きく、同車のQ1を担当した松田次生の懸命なアタックをもってしても10番手タイムが精一杯でした。

明くる6月30日(日)午後3時、300kmのレース距離で争われる決勝は前日の予選時よりも高い48℃という路面温度のもとで開始されました。マコヴィッキが乗り込んだNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、スタート直後にポジションを落としたものの、3周目以降は5位を走行。今大会で格別な速さを見せたレクサス LC500勢3台がトップ3を占める中で上位に食い下がり続けました。しかし、21周目にやはりレクサスの37号車にかわされて6位に後退。そしてNo.3 GT-Rは、レースが折り返しを迎える前の31周目終了時に、上位を占めていたレクサス勢と同じタイミングでルーティンのピットストップを行いました。

5列目からのスタートであったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、ロニー・クインタレッリが担当したレース前半のスティントの大半において9位を走行しました。2番目に重いウェイトハンディを抱えていることを考えれば決して悪くないポジションでしたが、しかし、ドライバーやチームとしては思うようにペースを上げていけない苦しさの中での戦いとなっていました。そしてNo.23 GT-Rは34周目を終えたところでピットへ。松田次生に交替して後半スティントを戦い始めました。

首位が35周目を終えたところでGT500クラスの全車両がピットストップを終了。そこで順位変動が落ち着くと、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは7位、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは10位につけていました。すると、37周目に3台のホンダ NSX-GTによるマルチクラッシュが発生し、その処理のためにセーフティカーが導入されました。

42周目を終えたところでセーフティカーがコースから退いてレース再開となると、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは立て続けに2台にかわされて9位に後退しましたが、タイヤが本来の性能を発揮する温度レンジに入るとNo.3 GT-Rはトップと互角のスピードで周回を重ねて追い上げていきました。前走車2台が接触によって後退したことなどもあってポジションも回復していき、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは最終的には6位でフィニッシュして貴重なポイントを獲得しました。

一方、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはセーフティカーラン後も10位を走り続けましたが、ゴールまで残り5周あまりとなったところでマシンにトラブルが発生。何とか走り続けられたもののペースダウンは免れず、残り2周というところでポジションをひとつ落とし、11位でレースをフィニッシュしました。

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2019
■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「この週末に我々がGT500用に持ち込んだスリックタイヤは、今大会用のミディアム仕様とミディアムソフト仕様の2種類でした。また、このサーキットの変わりやすい天候に備えて、ドライイングタイヤ(※主に半乾きの路面コンディションに対応したタイヤ)と通常のレインタイヤも用意していました。3号車と23号車はともに、予選と決勝を通じてミディアムソフトを使用しました。予選結果からすると決勝結果はもうひとつであったようにも思えますが、3号車には重要な局面でトラフィックに引っかかることが何度もあったという不運がありました。また、23号車は重いウェイトハンディを考えればよく戦いましたし、レースも残り数周というところでエンジンに問題が発生したようで残念でした。
我々のタイヤを履いた3号車のレース後半におけるペースは、この週末を通じて非常に速かったレクサス勢と互角かそれ以上のものでした。したがって、我々がこの週末に用意したタイヤは想定していたとおりのパフォーマンスを十分に発揮したと評価しています」

supergt 2019 r4 08

2019年SUPER GT第4戦 タイ
MOTUL AUTECH GT-R

決勝前のウォームアップ走行でレース用セッティングとピットワークの最終確認を実施。No.23 GT-Rが今大会で抱えたウェイトハンディ49kgとは、その値の重りの実装だけで済むもの。燃料リストリクターの規制が入らないことは、2本の長いストレートがあるチャーン・インターナショナル・サーキットにおいては好材料であったのですが、それでも今大会における同車は苦しい戦いを強いられました。

supergt 2019 r4 09

雲が多く見られる空模様でしたが、しかし気温と路面温度は双方ともに前日より高めであった決勝日。スターティンググリッドにつくと路面からの輻射熱がとても熱く感じられる亜熱帯ならではのコンディションでした。

supergt 2019 r4 10

決勝スタート前のフォーメーションラップに出るGT500クラス各車。予選では3位を奪ったNo.3 GT-Rでしたが、スタート直後にポジションをやや落とし、その後はトラフィックに阻まれて歯がゆい思いをすることに。

supergt 2019 r4 11

No.23 GT-Rの前半スティントはロニー・クインタレッリが担当。彼の速さをもってしても今回は前に出ていくことが難しく、ドライバーにとってもチームにとっても今回は苦しい展開の一戦となりました。

supergt 2019 r4 12

レース後半、一時は9位にまで後退したNo.3 GT-Rでしたが、前走車の後退もあって6位にまでポジションを回復。コンスタントラップのペースは良好で、同車のベストラップは決勝結果のトップ3を占めたレクサス勢より速いものでした。

supergt 2019 r4 13

今回のNo.23 GT-Rはひたすら我慢の戦いを余儀なくされました。松田次生が担当した後半スティントでは10位を走り続けましたが、最後に発生した車両トラブルによってポジションを落としポイント獲得はなりませんでした。

supergt 2019 r4 14

公式練習や予選での結果からすると残念な決勝結果となったミシュラン勢でしたが、タイヤそのものは所期のパフォーマンスを発揮し、No.3 GT-Rはレース中2番手のベストタイムを記録。確かな手応えと反省点を得て、ミシュランは次なる戦いに挑みます。

You are using an unsupported web browser
本ウェブサイトではサポートされていないウェブブラウザをお使いのようです。一部の機能が正常に作動しない場合があります。閲覧中に動作が不安定になる場合があります。このウェブサイトを最大限活用していただくため、以下のブラウザのいずれかを使用していただくか、アップグレードまたはインストールしてください