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SUPER GT 2021 ROUND 4
MOTEGI

■予選:7月17日/決勝:7月18日
■開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)
■レース距離:300km(63周×4.801km)

酷暑のもてぎでミシュランタイヤが強さを発揮
CRAFTSPORTS MOTUL GT-RがGT-R勢最上位の6位に

タイヤメーカー4社による高度なタイヤ競争が繰り広げられているSUPER GTシリーズの2021年シーズン第4戦がツインリンクもてぎで開催され、ミシュランタイヤを履くNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が3つの異なるメーカーのタイヤを履く4台の日産 GT-R NISMO GT500勢の最上位となる6位でフィニッシュしました。また、もう一台のミシュランユーザーであるNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)もGT-R勢の2番手となる9位に入り、灼熱模様となった今大会でもミシュランタイヤが強さを発揮しました。

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SUPER GT第4戦 もてぎ
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

本来は5月に開催される予定だった第3戦鈴鹿大会が新型コロナウイルス感染症再拡大の影響で8月に延期されたことから、SUPER GTはゴールデンウィークに行われた第2戦富士大会から2カ月半の長いインターバルを挟み、第3戦より先に第4戦を実施するという変則的なスケジュールとなりました。そして今大会は、関東地方の梅雨明けと同時に猛烈な暑さに見舞われることになりましたが、ミシュランが用意したタイヤは高いパフォーマンスを確実に発揮し、ミシュランタイヤ装着車が予選、決勝ともに日産 GT-R NISMO GT500勢の最上位を獲得する結果となりました。

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SUPER GTで路面温度が高い7月にツインリンクもてぎでレースが行われた前例はない上に、今大会に持ち込むタイヤの仕様を決めなければならなかった段階ではまだ梅雨が明けておらず、レースウィークの気象コンディションがどのようなものになるか、そのコンディションに最もマッチするタイヤの仕様はどのようなものか、判断が実に難しかった一戦でした。

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路面温度の計測はミシュランのタイヤテクニシャンたちにとっては日常的な作業で、各走行セッションの前後や途中に幾度となく行います。関東地方の梅雨明けが宣言された直後に迎えた今大会はいきなりの酷暑となり、決勝レースは50℃という高い路面温度のもとでスタート。そして約2時間後のフィニッシュ時でも50℃から1℃も下がっていませんでした。

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開幕2戦連続で日産 GT-R勢最上位の結果を残してきているNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、今大会では走り出しから良好なバランスを見せ、土曜午前の公式練習ではトップタイムをマーク。土曜午後の公式予選では路面に乗ったラバーによりグリップレベルが変化したことが影響しましたが、それでもQ1を6番手で突破し、Q2では7番手タイムを記録しました。

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タイヤテクニシャンを交えてディスカッション中のミシュランパートナーチームのドライバーたち。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、マシンやタイヤのフィーリングは悪くないものの、それがラップタイムにつながってこない状況に苦しみ、公式予選ではQ1を担当した松田次生(写真右から2番目)がノーミスで走りながらも10番手にとどまりました。

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今大会のような酷暑でのドライビングを支えているもののひとつが車載エアコンです。現在のGT500車両が例外なく採用しているのは、エアコンで作り出した冷気をヘルメットの頭頂部から吹き込むシステム。これによりドライバーは、頭部が冷やされることに加えて冷たい空気を吸い込むことができ、暑い中でも冷静なドライビングを続けることができるのです。

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今大会は新型コロナウイルス感染症の拡大抑制対策を行いつつ、予選日で7500人、決勝日で1万2500人という限定数ながらもファンの皆さんをサーキットに迎えて開催されました。ただし、通常のSUPER GT戦のようなパドックへのファンやスポンサー関係者の入場は今大会でも行われず。本来の賑やかなレース開催ができる状況が早く訪れることが待ち望まれます。

ドライバー部門のシリーズポイントに応じて各出場車両にウェイト(重り)の搭載を課すサクセスウェイト制度を採用しているSUPER GTシリーズですが、今大会におけるミシュランパートナーチーム車両は、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが16kg、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはウェイト搭載なしでの出走でした。

【今大会のミシュランタイヤ】
■ドライコンディション用:スリックタイヤ(ミディアム、ハード)
■ウェットコンディション用:フルウェットタイヤ、ダンプタイヤ

【予選】
前日に梅雨明けが宣言されたばかりの関東地方はいきなり猛暑に見舞われました。強烈な日差しがサーキットに降り注いだ7月17日(土)午後2時48分のGT500クラスQ1(予選第1セッション)開始時の気温は34℃、路面温度は46℃でした。

ミシュランパートナーチームの2台ですが、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは松田次生、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは千代勝正がそれぞれこのQ1を担当。午前中に行われた公式練習で、フィーリングは悪くないもののタイムにつながらないことに悩まされていた松田は、果敢なタイムアタックを見せたものの10番手につけるのが精一杯でした。一方の千代はトップとは0.363秒差の6番手タイムを記録してQ1突破を果たしました。

Q2(予選第2セッション)に進出したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rには平手晃平が乗り込みました。路面温度は43℃へと少しだけ下がっていましたが、走行が重ねられるにつれてラバーが乗ってきた路面のグリップレベルがチームの予想より高い状態に。そのため、狙っていたほどのタイムを記録することはできませんでしたが、それでも予選7位を獲得しました。

【決勝】
7月18日(日)の決勝日は前日よりさらに暑い天候となりました。午後1時10分に2周にわたるフォーメイションラップが開始された時点での気温は36℃、そして路面温度は大台の50℃に達していました。

7番手グリッドからスタートのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rには千代勝正、10番手グリッドからスタートのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rにはロニー・クインタレッリがそれぞれ乗り込んで前半スティントを戦いました。ミシュランタイヤを履く2台は後方からのライバルのチャージを巧みに退けながらポジションアップを狙い続けましたが、ツインリンクもてぎはストップ&ゴー的なレイアウトのサーキットで抜きどころが限られていることもあり、結果的には予選順位から上がることも下がることもありませんでした。そして、No.3 GT-Rが25周目終了時点で、No.23 GT-Rが27周目終了時点でそれぞれルーティンのピットストップを実施しました。

GT500クラスの全車がピットストップを終えた時点で、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは前半スティントと同じ7位に、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはひとつポジションを下げた11位につけていました。その後、44周目に5位走行中であったライバル車両がアクシデントに見舞われたことで、No.3 GT-RもNo.23 GT-Rもひとつずつ順位を上げることになりました。

その後、平手晃平が後半スティントを担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、トヨタ GRスープラ勢やNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが連なる6位争いのグループの先頭を走り続けました。そして、ポジションを譲ることなくフィニッシュし、No.3 GT-Rは開幕3戦連続でGT-R勢最上位の決勝レース結果を獲得しました。

一方、後半スティントでは松田次生が乗ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、前を行くNo.17 ホンダ NSX-GTをじりじり追い詰めていき、やがてそのテールに迫りました。すると49周目にNo.17 ホンダはトラブルを発生させて失速。No.23 GT-Rはこれをかわして9位に浮上し、そのポジションをキープしてゴール。ミシュランタイヤ装着車が今大会におけるGT-R勢の1位と2位を占める結果となりました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「今回のレースに我々が持ち込んだスリックタイヤは2種類で、それらは作動温度のレンジが明確に分かれています。そのため、今大会のコンディションでは3号車も23号車もこの週末を通じてハード仕様の方を使用しました。公式練習ではどちらの車両も良いラップタイムを記録しましたし、ロングランの確認でも高い安定性を見せていたので、ハード仕様を予選とレースで使うという選択は正しいものだったと考えています。

決勝レースでは、3号車が6位、23号車が9位でフィニッシュしてそれぞれシリーズポイントを獲得しました。今大会のGT500クラスでポイント獲得を果たした日産 GT-Rは我々のミシュランタイヤを履いた車両だけでした。他のメーカーのタイヤを履いた同じ車両を上回るというタイヤサプライヤーとして最低限の目標は達成することができました。そうした観点からすると、今日は良い結果を得ることができたと考えています」

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SUPER GT第4戦 もてぎ
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

フロントウインドーに付着した他車のオイルが強烈な日差しに反射し、ドライバーが得ることができる視界は決して良好なものではありませんでした。それでも、千代勝正と平手晃平の両ドライバーは300km=66周の決勝レースで安定的に良好なタイムを並べ続け、開幕3戦連続でのGT-R勢最上位獲得を果たしました。

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気温の上昇とともに上空からは薄雲さえ消えていき、すっかり夏の色となった濃い青空が広がった決勝レースのスタート前。開幕2戦では立て続けに無念のリタイアを喫してきていたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、マシンとタイヤのフィーリングは良いものの、それがラップタイムにつながってこないという悩みを抱えたままのスタートとなっていました。

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GT500クラスの予選でQ2に進出した唯一のGT-RとなったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは自ずと、今大会の予選におけるGT-R勢の最上位車両となっていました。前方のグリッドを占めていたのは4台のホンダ NSX-GTと2台のトヨタ GRスープラでしたが、No.3 GT-Rはリアウイングの翼端板に描かれたとおり「TEAM WORK」で一丸となって上位進出を狙っていました。

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千代勝正が担当した前半スティントにおけるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、前を行く6台に食らいつくことは難しいものの、8位につけたNo.38 トヨタ GRスープラ以下は寄せ付けない走りを展開。ラップタイムも安定しており、50℃という高い路面温度のもとでミシュランのSUPER GT用レーシングスリックタイヤのハイパフォーマンスが光りました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは25周目を終えたところでピットストップを実施。前半スティントより13周も長い後半スティントでは2度もFCY(フルコースイエロー)が入り、その都度、後続車両はNo.3 GT-Rを出し抜ける機会を得ましたが、平手晃平は繰り返し冷静かつ果敢な対応を見せてポジションを守り切り、開幕3戦連続でのポイント獲得を果たしました。

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決め手を欠く戦いを余儀なくされたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rでしたが、クインタレッリと松田次生の両ドライバーは的確なドライビングを続け、ハード仕様のミシュランタイヤは期待どおりに機能し続けました。全体では10位ながらもGT-R勢では2位という決勝結果。次戦の舞台は、昨年は2戦して2勝を飾っている鈴鹿であり、巻き返しが期待されます。

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No.3 GT-RもNo.23 GT-Rもこの週末を通じてハード仕様のみを履きましたが、それはミシュランの今大会のコンディションの予測とそれに合わせたタイヤ仕様の作り込みが“的を射た”ものであったことの現れでした。そして予選においても決勝レースにおいてもユーザーがGT-R勢の1-2を占める結果を残し、ミシュランはタイヤサプライヤーとしてのミッションを果たしました。

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