SUPER GT 2020 ROUND 5
FUJI

■予選:10月3日/決勝:10月4日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース距離:300km(66周×4.563km)

ミシュラン勢に試練の週末
MOTUL AUTECH GT-Rが11位でフィニッシュ

2020年SUPER GTシリーズ第5戦が富士スピードウェイで開催され、GT500クラスに出場した2台のミシュランタイヤ装着車は、予選ではそろってQ2に進出するスピードを見せるも、決勝レースではともに不運に見舞われることに。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)はオープニングラップでのアクシデントによりリタイア、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)はレース終盤にエクストラのピットストップを強いられて11位という結果に終わりました。GT300クラスに出場した2台のミシュランタイヤ装着車も苦戦を余儀なくされ、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)がクラス22位、No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/篠原拓朗)がクラス24位となりました。

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SUPER GT第5戦 富士
MOTUL AUTECH GT-R

金曜午後の車両検査を終え、メカニックたちの手で押されながらピットへ戻るNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。同車の松田次生/ロニー・クインタレッリ組はシーズン前半の4戦を終えたところで首位と18ポイント差のランキング7位。シリーズタイトルへの望みをつなぐため、ランキング上位勢をしのぐ結果が今大会で欲しいところでした。

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新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で開催されてきた開幕4戦を無事こなし、今大会からSUPER GTはついに観客の皆さんをサーキットに迎えてのレース開催となりました。いわゆる“三密”を避けるため入場者数は収容可能人数を大幅に下回る1万人程度に限定されましたが、それでもファンの存在は大きく、サーキットにまた熱気が戻りました。

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有観客開催となったことに併せて、エアロバティック・パイロットの室屋義秀氏によるフライトパフォーマンスが今季SUPER GTで初めて実現。『新型コロナウイルスのために困難な状況が続く中でも尽力を続けているモータースポーツ関係者やモータースポーツファンに感謝と敬意を伝えたい』という室屋氏の思いから今回のフライトは行われました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平が今大会でSUPER GT出場100戦目を迎えました。2008年にSUPER GTにデビューし、2013年と2016年にGT500クラスのチャンピオンに輝いている平手ですが、ミシュランタイヤを履く日産 GT-Rでシリーズを戦うのは今年で2年目。予選は8位でしたが、その結果以上に決勝レースでは戦えそうな手応えをつかんでいました。

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No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは50kgのハンディウェイトを搭載して出場。予選では、松田次生のアタックによってQ1を5位で突破すると、Q2でロニー・クインタレッリが6位を確保。タイヤには今大会におけるミディアム仕様を選んだNo.23 GT-Rですが、ソフト仕様を履きウェイトは18kg軽かったNo.3 GT-Rを予選で下すパフォーマンスを見せました。

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No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3は、同車をこれまでドライブしてきたケイ・コッツォリーノが先々週はフランスでル・マン24時間に参戦したことから今大会への出場を認められず、代わりに篠原拓朗を起用して出場。レギュラーの藤井誠暢がQ1グループAに出走するも13番手に沈み、クラス25番手のグリッドからのスタートに。

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No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3はベテランの吉本大樹(写真左)とSUPER GTルーキーの河野駿佑(写真右)という今シーズン不動のコンビで出場。予選ではQ1のアタッカーとして初めて河野を起用して挑みましたが、グループBで12番手どまり。クラス24位という予選結果にとどまりました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から今シーズンのSUPER GTは変則的なレーススケジュールとなっており、今大会は8月上旬の第2戦に続いて今季3度目となる富士スピードウェイでの開催ラウンドに。同一シーズンに同じサーキットで3度も通常のシリーズ戦を行うのはSUPER GTでは初めてのことでした。

ミシュランタイヤ装着車は今大会においてもGT500クラスとGT300クラスに2台ずつ出場。GT500クラスではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が50kg、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が32kg、GT300クラスではNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/篠原拓朗)が6kgのハンディウェイトを搭載して出走。No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)のウェイト搭載はありませんでした。

予選日の10月3日(土)の富士スピードウェイは終始曇天でしたが降雨はなく、すべての走行セッションはドライコンディションのもとで実施されました。GT500クラスのQ1(予選第1セッション)が開始された午後2時33分時点での気温は22℃、路面温度は28℃と、この時期の平均値よりやや低めでした。そしてこのQ1には、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rに松田次生、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rに千代勝正がそれぞれ乗り込んでタイムアタックを敢行。No.23 GT-Rがセッション5位、No.3 GT-Rが同8位のタイムを記録し、2台ともにQ1突破を果たしました。

続くQ2(予選第2セッション)が開始された午後3時11分時点での路面温度はさらに下がって26℃となっていました。このQ2でNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのステアリングを握ったロニー・クインタレッリは入念にタイヤに熱を入れたところでアタックに出て6番手のタイムをマーク。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rで同セッションを担当した平手晃平は7番手タイムで続き、ミシュラン勢が予選6位&7位を占める結果となりました。

決勝日の10月4日(日)も曇天のもとドライ路面での走行というコンディションに。今大会の決勝レースは1周4.563kmの富士スピードウェイを66周=300kmで争われるもので、午後1時30分のフォーメイションラップ開始時の気温は23℃、路面温度は27℃でした。

レースはオープニングから波乱の展開となりました。千代が乗り込んだNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-RとNo.16 ホンダ NSX-GTがスタート直後の第1コーナーで接触。そのダメージでフロントカウルが吹き飛んだNo.3 GT-Rは走行を継続できず、呆気なくリタイアに追い込まれてしまいました。GT500クラスにおける2台のミシュラン勢の一翼がオープニングラップで失われてしまいました。

一方、クインタレッリが前半スティントを担当したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、スタート直後の混乱をくぐり抜けて一気に3位へ浮上します。No.3 GT-RとNo.16 ホンダ NSX-GTのアクシデントによって早速導入されたセーフティカーがコースから退いた直後にNo.23 GT-Rは4位に下がり、14周目にはNo.39 トヨタ GRスープラにかわされて5位に。しかし、前を走っていたNo.12 日産 GT-Rがドライブスルーペナルティを受けたことでひとつポジションを回復し、16周目以降は4位を走り続けました。

そして25周目を終えたところで複数のGT500車両が早めのピットストップを実施。その中には赤いGT-Rも含まれていました。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは前半スティントと同様に今大会におけるミディアム仕様のニュータイヤに換装し、クインタレッリから松田に交替して戦列に復帰。給油量をぎりぎりまで削るなどのリスクを冒しながらピットストップ時間の削減を図ってきた車両などが先行したため、GT500各車がピットストップを終えたところでNo.23 GT-Rは8位を走ることになりました。

後半スティントにおけるNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、31周目にNo.36 トヨタ GRスープラをかわすと、34周目にはNo.24 日産 GT-Rがステアリング系トラブルに見舞われて後退したことを受けて6位に浮上。その後も良好なペースで走り続けました。しかし、やがてNo.23 GT-Rもステアリングにトラブルを抱え、振動によってまともなドライビングが困難な状況に陥ります。NISMOチームはレースも残り3周となったところでNo.23 GT-Rをピットに入れるという苦渋の決断を強いられました。

63周目を終えたところで行われたエクストラのピットストップの時点では振動の原因はステアリング系と確認されていなかったことから、チームは念のために4本のタイヤすべてを新品に交換してNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをコースに戻しました。しかし車両の状態は改善されておらず、松田は振動と格闘しながら最後の2周を走行。最終的にはトップから1周遅れの11位でフィニッシュという悔しいレースとなりました。

今大会ではGT300クラスに出場した2台のミシュランタイヤ装着車もそれぞれ苦闘を余儀なくされました。No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3とNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、予選ではともにQ2進出はならず、No.60 RC F GT3がクラス24位、No.9 Vantage GT3がクラス25位に。両車ともに決勝ではレース中盤までに予選順位を大きく上回るポジションへと浮上してみせましたが、路面温度が予想以上に下がっていったレース後半になるとやはり両車ともにペースの維持に苦戦。特にNo.9 Vantage GT3は2度目のタイヤ交換を行わざるを得ない状況となり、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3がクラス22位、No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3がクラス24位という最終結果に終わりました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「GT500クラスの2台には、今回の第5戦におけるソフト仕様とミディアム仕様を用意しました。そのうち、23号車用のミディアム仕様には2種類を設定しました。ウェットコンディション用タイヤとしては、ダンプとフルウェットの2種類を用意していました。GT300クラス用タイヤについては、ドライコンディションとしてはソフト仕様とミディアム仕様がありましたが、60号車用のミディアム仕様は2種類設定しました。ウェットコンディション用タイヤとしては、GT500用と同様にダンプとフルウェットの2種類を用意していました。
実際に使用されたタイヤの種類ですが、GT500クラスでは、3号車はソフト仕様を、23号車はミディアム仕様を、それぞれこの週末を通じて使用しました。GT300クラスでは、9号車が決勝レースの最後のパートだけソフト仕様を使いましたが、それ以外の走行ではミディアム仕様を履きました。60号車はこの週末のすべての走行においてソフト仕様を選択しました。
GT500クラスの2台に我々は異なる選択のタイヤを用意しました。決勝レースの気温と路面温度から考えますと、ソフト仕様を履いた3号車はきっと良いレースができただろうと思います。それだけに1周目で起こったアクシデントは残念でした。一方、23号車はとても良いタイヤのパフォーマンスを示してくれました。問題は一切なく、摩耗のレベルも満足できるものでした。23号車はレース終盤にエクストラのピットストップを余儀なくされましたが、あの時点では問題の振動の原因が特定されておらず、それで念のためにタイヤ交換が行われました。ただし、実際にはタイヤに問題は一切ありませんでした。
GT300クラスに関しては、路面温度が低くなっていったことでソフトタイヤの方がより良く機能したと思いますが、いずれにせよ我々が期待していたようなパフォーマンスは出せませんでした。今後の開発のために原因を分析する必要があります」

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SUPER GT第5戦 富士
MOTUL AUTECH GT-R

レース序盤は3位を走行したNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。レース後半は6位につけていましたが、車両にトラブルが発生したことで余分なピットストップを強いられ、手痛いノーポイントに終わることになってしまいました。

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前日に続いて決勝日も終日曇天で、降雨がある可能性もゼロではなかったことから、スターティンググリッドに着いたマシンの傍らにチームはウェット用タイヤをスタンバイさせました。結局、雨が降ることはなく、すべてドライコンディションのもとでレースは開催。ただし、路面温度はこの時期の平均より幾分低いレンジで推移し続けました。

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No.23 MOTUL AUTECH GT-Rに乗り込んだクインタレッリは見事なスタートダッシュを決めてNo.39 トヨタ GRスープラをかわし、そして先行車両のオーバーランなどに乗じて一気に3位へとジャンプアップ。レース前半は表彰台が見える位置を走り続け、ポイントランキング上位との差を詰めていく結果が十分に期待されました。

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ピットストップとその前後のインラップ/アウトラップの各車の速さの差異が、レース後半のオーダーをレース前半のそれと大きく違わせることになりました。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのピットワークやアウトラップが遅かったわけではありませんが、各車がピットストップを終えるとNo.23 GT-Rは4つもポジションを落とした状況となっていました。

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強いダウンフォースと横Gを受けることでフロントスポイラー下の金属プレートが路面に接し、火花を飛ばしながら右コーナーの100Rを抜けていくNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。悪くても8位でのフィニッシュが見えていたところでマシントラブルに見舞われ、痛恨のノーポイントに。次戦は第3戦で優勝を飾った鈴鹿が舞台であり、逆襲が期待されます。

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クラス24位&25位というグリッドからのスタートとなったGT300クラスのミシュラン勢ですが、No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3はどんどんポジションを上げていき一時はクラス8番手にまで浮上。しかし、レース後半は両車ともにペースダウンに見舞われ、2台そろって20位以下でのフィニッシュという結果となりました。

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今大会におけるGT500クラスのミシュラン勢は、タイヤ性能に関しては十分な競争力があったものの、不運が重なって良い結果につながりませんでした。一方、GT300クラス用のタイヤは今大会のコンディションでは期待していたようなパフォーマンスを発揮できず、今後の開発のために新たな課題が投げ掛けられた一戦となりました。

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