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SUPER GT 2021 ROUND 6
AUTOPOLIS

■予選:10月23日/決勝:10月24日
■開催地:オートポリス(大分県)
■レース距離:300km(65周×4.674km)

ミシュラン勢激走! MOTUL AUTECH GT-Rが3位表彰台
CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは最後尾スタートから4位に

4つのタイヤメーカーによる高度なタイヤ競争が注目されるSUPER GTシリーズの2021年シーズン第6戦がオートポリスで開催され、ミシュランタイヤを使用するNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がレース終盤のマシントラブルを乗り越えて3位に入り表彰台を獲得しました。また、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)は、最後尾の15番手グリッドスタートから果敢なオーバーテイクを繰り返して大幅なポジションアップを果たし4位でフィニッシュ。2台のユーザー車両がともに好走を見せ、ミシュランタイヤが傑出したパフォーマンスを明確に示した一戦となりました。

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SUPER GT第6戦 オートポリス
MOTUL AUTECH GT-R

今季2度目の表彰台をもぎ獲ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。これにより、ミシュランタイヤ装着車が今季これまでの6戦のうち5戦でGT-R勢最上位を奪う結果となりました。なお、今大会が行われたオートポリスはピットがコースのアウト側にあるため、ピットから正面のメインストレートに向かって左方向へピットアウトしていくレイアウトとなっています。

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九州地方で唯一のSUPER GT開催サーキットであるオートポリスですが、昨年大会はコロナ禍の影響を受けて中止となっていたことから、今回は2年ぶりの開催でした。お客様をサーキットに迎えての有観客大会とされ、全員が新型コロナウイルス感染症についての問診票を提出したうえで入場された観客の皆さんはマナー良くレース観戦を楽しまれていました。

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今回のオートポリスにミシュランが持ち込んだスリックタイヤは今大会におけるソフト仕様とミディアム仕様の2種類でした。もっとも、ミシュランはやはりコロナ禍の影響によってオートポリスでの事前テストを行うことなく今大会を迎えており、持ち込んだタイヤはこれまでにミシュランが蓄積してきたデータと知見によって仕様を決定したものでした。

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事前テストなしでレースに臨むのは望ましいことではありません。しかし、いざ公式練習を走り始めてみると、マシンとタイヤのフィーリングは良好とドライバーたちは伝えてきました。実際、公式練習の最後のGT500クラス占有走行の時間帯でタイムアタックを行ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生はこのセッションのトップタイムを叩き出してきました。

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予選日のオートポリス上空はさわやかな秋晴れの青空。ただし、気温と路面温度は低めでした。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rを走らせるNISMOチームとミシュランは決勝レースを見据えたセットアップで予選に臨み、そのためQ1での松田のタイムは自身が公式練習で刻んだものに及びませんでしたが、それでもQ1を突破。Q2ではクインタレッリのアタックで予選5位を得ました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは良好なセットアップをなかなか見出せずにいました。公式練習では11番手。そして予選では千代勝正による全力のアタックをもってしてもタイムを伸ばすことができず。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rに対する遅れは0.7秒でしたが、ハイレベルなSUPER GTの戦いの中でそれは大きな差であり、痛恨のクラス最下位に沈む予選結果となりました。

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2年ぶりのSUPER GT開催を迎えたオートポリスは阿蘇山系にありますが、所在都道府県は大分県です。そして大分県別府市の特別観光大使を務めているのが千代勝正……というわけで、毎戦異なるデザインが施されるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのリアウイングの翼端板は、今回はレースの盛り上げと大分の温泉をかけたキャッチコピーが大きく踊る仕様とされていました。

SUPER GTシリーズではドライバー部門のシリーズポイントに応じて各出場車両にサクセスウェイトと呼ばれるハンディを課す制度を採用しています。前戦を終えた時点での獲得ポイントは、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が56ポイント、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が52ポイントであったことから、両車はともにウェイト50kg分のハンディとしてエンジンへの燃料供給量の規制が1段階強められ、その上で50kgを超える分の数値のウェイトをそれぞれ実装して出走しました。

【今大会のミシュランタイヤ】
■ドライコンディション用:スリックタイヤ(ソフト、ミディアム)
■ウェットコンディション用:フルウェットタイヤ、ダンプタイヤ

【予選】
秋晴れに恵まれた10月23日(土)予選日のオートポリスでしたが、同日の午前中に行われた公式練習ではNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rがトップタイムをマーク。ドライバー、マシン、そしてミシュランタイヤの仕上がりの良さを印象づけました。

午後に入っても天候は良好でしたが空気は冷えており、GT500クラスのQ1(予選第1セッション)が開始された午後2時28分時点での気温は16℃、路面温度は21℃でした。

このQ1でNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのアタックを担当したのは松田次生で、6番手のタイムをマーク。4台の日産 GT-R NISMO GT500勢の中で結果的には唯一となるQ1突破を果たしました。一方、千代勝正がこのセッションに出走したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは奮わず、予選15位に沈む結果となりました。

午後3時06分からのQ2(予選第2セッション)に進出したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのステアリングを握ったのはロニー・クインタレッリでした。セッション開始時の路面温度は20℃でしたが、クインタレッリはQ1で松田が刻んだタイムをさらに削り、予選5位を獲得しました。

【決勝】
10月24日(日)決勝日もオートポリスの天候は良好。ただし、冷たい風が吹き、午後1時30分にフォーメイションラップが開始された時点での路面温度は17℃と前日より明らかに低めとなっていました。

ロニー・クインタレッリが乗り込んで5番手グリッドからレースを開始したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは高度な集団バトルの中に身を置きながらポジションをキープ。一方、千代勝正がスタートを担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはオープニングラップからライバルたちと抜きつ抜かれつのバトルを演じます。そして、今大会を前にシーズン通算3基目のエンジンを投入した3台のライバル車両が規定に則って5秒間のペナルティピットストップを次々に実施したことも手伝い、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは3位、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは10位へとポジションを上げていきました。

すると10周目にGT300車両のクラッシュが発生。その処理のため導入されたセーフティカーランが解除されたのは17周目でしたが、その翌周にはトップを走っていた車両がトラブルに見舞われてストップしてしまいました。これで各車両の順位がひとつずつ上がることになりましたが、さらにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは19周目に2台のライバルを立て続けにかわして7位に浮上していきました。

20周目には別のGT300車両のアクシデントがあり、再びセーフティカーが導入されました。バトルは25周目に再開されましたが、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは27周目、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは28周目を終えたところでそれぞれピットイン。給油、ドライバー交替、そして四輪全輪のタイヤ交換を2台ともに行いました。

GT500クラスの全車がピットストップを終えて後半スティントを戦い出したとき、松田次生が新たに乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは5位、平手晃平がステアリングを握ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは13位につけていました。ともにライバルとの熾烈なバトルを繰り広げながら周回を重ねていき、45周目にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-RがNo.1 ホンダ NSX-GTをかわして4位に浮上。また、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、46周目、47周目、48周目、50周目とほぼ毎周オーバーテイクを決めて8位にまで上がっていきました。

このとき、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはガス欠のような症状が出てエンジン出力が瞬間的に低下するトラブルに襲われていましたが、松田が懸命のドライビングでタイムロスを最小限に抑えながら走行を続けていました。ウェイトが30kg軽いライバル車両1台の先行は許しましたが、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは58周目にはNo.39 トヨタ GRスープラを抜いてポジションを回復し3位でフィニッシュ。今シーズン2度目の表彰台を獲得しました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのレース後半における躍進も見事でした。とりわけ残り10周を切ってからのペースは抜きん出ていて、同車の後半スティントを担当した平手は57周目から63周目までの7周のうちに3台のライバルをかわして5位に上がると、最終ラップの第1コーナーでさらにもう1台をパス。最後尾グリッドスタートからの4位入賞を果たしました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「23号車と3号車はともに、今回のオートポリスの予選と決勝のすべての走行において今大会におけるソフト仕様のスリックタイヤを使用しました。
 今大会に向けた事前テストを行うことはできませんでしたので、我々はこれまでに蓄積してきたデータに基づいて準備をしてきました。そうしたことを踏まえて考えますと、今回のオートポリスに我々が持ち込んだタイヤは大変良く機能したと思います。オートポリスはピックアップ(※注:路面のタイヤかすがタイヤのトレッド面に付着してバイブレーションとグリップダウンを招くこと)の問題などから安定的にラップタイムを刻むことがなかなか難しいというところがありますが、今大会における我々のタイヤは早い温まりを見せ、そして高いパフォーマンスを安定して発揮しました。そのため、ミシュランパートナーチームの2台は他メーカーのタイヤを履く車両に対して大きなアドバンテージを今回のレースで持つことができていたと評価しています」

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SUPER GT第6戦 オートポリス
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

予選では奮わなかったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rでしたが、決勝レースでは大きく巻き返しました。前半スティント担当の千代勝正、後半担当の平手晃平の両ドライバーがともに果敢なオーバーテイクを連発。最後尾グリッドからスタートして4位入賞を果たしサーキットを沸かせました。

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決勝日のオートポリスは前日より冷え込み、午後1時30分の決勝レース開始時で気温は13℃しかありませんでした。SUPER GTではタイヤウォーマーの使用は禁止されており、NISMOチームはグリッドに着いた車両の装着タイヤの真横にレインタイヤを並べ、朝から天日に当ててわずかではあってもタイヤに持たせてきた熱をできるだけ逃さぬ努力を見せていました。

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決勝レースのスタートはクリーンなものでしたが、その後GT300車両のクラッシュが2度発生しその都度セーフティカーが入ることになりました。そうした中、5番手グリッドから出たNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは良好なペースで走り続けます。レース後半にはガス欠のような症状が出る問題に見舞われましたが、それでもライバルたちと渡り合い続けるパフォーマンスがありました。

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最後尾からスタートしたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さを生かしてオープニングラップのうちに2台をパス。ここからひたすらポジションを上げていくレースを戦いました。特にレース終盤における同車のペースは素晴らしく、ドライバー、マシン、そしてミシュランタイヤのパッケージの強さをアピールするものとなりました。

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マシントラブルに見舞われながらも力走を続けた松田の奮闘もあって、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのふたりのドライバーは優勝を飾った第4戦鈴鹿に続く今季2度目の表彰台に上りました。これで今シーズンの残るレースは2戦となりましたが、松田とクインタレッリは今回の3位によってランキング5位に浮上。チャンピオンへの望みをつないで残る2レースを戦うことになります。

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レースを戦い抜き、グランドスタンド前に停めたマシンから降りたところで、松田と平手のミシュランドライバーふたりがお互いの健闘を称え合っていました。特に松田にすれば、最後尾スタートであったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが4位にまで這い上がってきたことは嬉しい驚き。そしてこの4位により、平手と千代のコンビはランキング6位に浮上してきました。

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今大会は2年ぶりのオートポリスでのSUPER GT戦でした。また、10月下旬という時期でのSUPER GTオートポリス戦は2018年大会以来でした。そうした中で事前テストがなかったにもかかわらず、ミシュランタイヤは誰の目にも明らかな抜きん出たパフォーマンスを発揮。ミシュランの設定条件を見極める力の高さとタイヤそのものの性能の高さが改めて示された一戦となりました。

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