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SUPER GT 2019 ROUND 7
SUGO

■予選:9月21日/決勝:9月22日
■開催地:スポーツランドSUGO(宮城県)
■レース距離:300km(81周×3.7375km)

悪天候下でミシュランタイヤが際立った高性能を発揮
CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが独走で今季初優勝を飾る

2019年SUPER GT第7戦がスポーツランドSUGOで開催され、ウェットコンディションとなった決勝レースにおいてミシュランタイヤが極めて高い競争力を発揮。そのユーザーであるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ)が独走で勝利を飾り、ミシュランタイヤ装着車が待望の今季初優勝をマークしました。また、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も3位でフィニッシュし、今大会に出場した2台のミシュラン勢がそろって表彰台に上る結果となりました。

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2019年SUPER GT第7戦 菅生
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

路面がヘッドライトに照らし出され、水煙が立ち上るコンディションの中、打ち振られるチェッカーフラッグを真っ先にかいくぐったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。日産 GT-R陣営にとっても、そしてミシュランにとっても、昨年5月の富士ラウンド以来となった優勝の瞬間でした。

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スポーツランドSUGOは今シーズンのSUPER GT開催サーキットの中で最もコース全長が短く、そして各チームに割り当てられるピットボックスやピットロードが他のサーキットより狭めですが、各チームはお互いのスペースを尊重しながらプロフェッショナルらしい整然さでレースを進めていました。

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ミシュランは今大会にスリックタイヤを3種類、ドライイングタイヤを2種類、レインタイヤを2種類持ち込み、季節柄変わりやすい天候に備えていました。果たして、予選はドライでしたが決勝レースはウェットコンディションとなり、スリックタイヤとドライイングタイヤの双方が活躍した週末となりました。

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東北地方で今シーズン唯一開催されるSUPER GTレースであった今大会。大型の台風が相次いで日本列島を襲って各地に影響を及ぼしている中での開催でしたが、それでも予選日には1万2000人、決勝日には2万5100人、計3万7100人の熱心なレースファンの来場を迎えました。

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No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは土曜午前の公式練習において松田次生の手により2番手のタイムをマークしました。そしてQ1にはやはり松田のドライブでアタックしましたが、前走車に前を塞がれ続けてタイムを縮めることができず、予選10位という不本意な位置からのスタートを余儀なくされました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは平手晃平のドライブによって日産 GT-R勢では唯一Q1突破を果たしました。同車のQ2を担当したフレデリック・マコヴィッキは、体調不良のため事前テストに参加できなかったことから限界レベルまでは攻めることができませんでしたが、それでも予選7位を獲得しました。

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決勝日の天候は台風接近の影響を強く受けるものとなりました。それでも午前中は雨が降ることなく推移しましたが、午後2時の決勝レーススタートが近づくにつれてサーキットの上空には黒い雲が立ち込めてきて、やがて霧雨が路面を濡らし始めることになりました。

このSUPER GTシリーズは独自のウェイトハンディ制度を採用しており、開幕戦から第6戦までのレースのすべてに参加した車両は、第7戦ではドライバー部門の獲得ポイント1点につき1kgのウェイトハンディでの出場となります(第6戦までは1点につき2kg)。今大会はそのシリーズ第7戦であり、ミシュラン勢は、NISMOのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が39kg、NDDP RACING with B-MAXのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ)が16kgのウェイトを搭載して参戦しました。

予選日であった9月21日(土)のスポーツランドSUGO(菅生)は一日中曇り空ながらも降雨はなく、すべての走行セッションはドライコンディションのもとで開催。そしてミシュラン勢が出場するGT500クラスのQ1(予選第1セッション)は午後2時33分より開始されました。

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは同日の午前中に行われた公式練習において2番手のタイムをマークしており、良好な手応えのもと、予選にはさらなるタイム短縮を目指して臨んでいました。実際、同車のQ1を担当した松田は、アタックラップのセクター1を全体のそれまでの最速タイムで駆け抜けます。ところが、その後のNo.23 GT-Rは遅いペースで走行中だったライバル車両に延々と前を塞がれ続ける不運に見舞われました。松田は前走車に対してパッシングを行って自己の存在を懸命に知らせようとしましたが、前走車は進路を譲ることなく走行を続け、そのうちにNo.23 GT-Rが装着していたタイヤは性能のピークが過ぎてしまうことに。No.23 GT-RとミシュランタイヤのパッケージはQ1を軽く突破するパフォーマンスを有しながらもそれを発揮する機会を与えられず、10位という不本意な予選結果にとどまることを余儀なくされました。

一方、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの予選は比較的順調でした。Q1におけるタイムアタックは平手が担当し、5番手タイムをマークして同セッションを突破。そしてマコヴィッキがドライブしたQ2(予選第2セッション)では7番手のタイムを記録し、4台が出場する日産 GT-R NISMO GT500勢の中で予選最上位となる7位につけて決勝レースを迎えることとなりました。

明くる9月22日(日)、決勝日を迎えた菅生の天候は台風の影響を受けた不安定なものとなりました。午前中はドライコンディションが維持されましたが、午後2時の決勝スタートを前にして霧雨が舞い落ちてくるようになりました。各チームはタイヤ選択について難しい判断を迫られましたが、結果的にはスリックタイヤ装着車とウェットタイヤ装着車が混在した状態でスタートを迎えることに。ミシュラン勢2台はハーフウェットの路面に対応するドライイングタイヤを使う判断をともに下し、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはミディアム仕様、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはハード仕様を履いてスタートしました。

レースの実質的なスタートはセーフティカーによる3周にわたる先導走行の後に切られました。すでに路面はかなり濡れた状態となっており、スリックタイヤ装着車は十分なグリップを得られずことごとく後退していくことに。それらに対して、ドライイングタイヤを履いたミシュランパートナーの2台はどんどんポジションを上げていきました。

平手が乗り込んで7番手グリッドからスタートしたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、実質的なオープニングラップであった4周目で2つ順位を上げて5位につけると、その後さらに2つ順位を上げて8周目には3位に浮上していきました。また、予選では走る機会のなかったクインタレッリがスタートドライバーを務め、10番手グリッドから出たNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rも、実質的なオープニングラップのうちに3つ順位を上げ、その後さらに2つポジションを上げて8周目には5位に。そして12周目にはもう1台をかわして4位に浮上し、同じミシュランユーザーであるNo.3 GT-Rを追う形となりました。

1周が約3.8kmと短いスポーツランドSUGOを81周して争われた今大会ですが、その折り返しまでまだ10周を残した31周目終わりの段階で、4位走行中であったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rがピットへ滑り込んできました。それまでのハード仕様とは異なるミディアム仕様のドライイングタイヤを新たに装着。そしてクインタレッリから松田へ交替して、50周にわたる長い後半スティントに乗り出していきました。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがピットへ向かったのはその3周後で、同車もミディアム仕様のドライイングのニュータイヤに換装。平手からマコヴィッキに交替して戦列に戻りました。

今大会のGT500クラスでは数台の車両がタイヤ無交換作戦を採ったことから、レース中盤における上位はそれらの車両が占め、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは5位、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは6位につけて後半スティントを戦い始めることになりました。そして、36周目には周回遅れのGT300車両に前を塞がれたNo.3 GT-Rが失速したところを突いたNo.23 GT-Rが前に出ました。

その翌周である37周目、ブリヂストンタイヤを履くNo.12 GT-Rがコースアウトを喫してグラベルにストップしてしまい、その処理のためにセーフティカーが導入されました。これにより、タイヤ無交換作戦に出ていた上位陣とタイヤ交換を行ったミシュラン勢とのギャップが消え去ることになりました。

レースは44周目から再開。このとき、雨量はレース前半よりも明らかに多いものとなっていました。そして、このコンディションにおいてひときわ目立つパフォーマンスを見せたのが、セーフティカーラン明けの再スタートの際にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの前に出ることに成功したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rでした。ミシュラン勢がこのとき履いていたのは、そもそもはハーフウェットのコンディションに最適化した設計であるドライイングタイヤでしたが、同タイヤは水量が増えた路面においても非常に高いグリップ性能を発揮。そのパフォーマンスにひときわ強い自信を持つNo.3 GT-Rのマコヴィッキは、第1コーナーにおけるオーバーテイク劇を3度も繰り返しやってみせ、54周目には首位浮上を果たしました。

その後もマコヴィッキは手を緩めることなくNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを駆り立て、水量がさらに増えて水しぶきが上がるコンディションの中で、ライバルより1〜2秒も速いハイペースで走行を続けました。No.3 GT-Rは後続とのギャップをどんどん広げていき、最後は2位に約20秒の大差をつけた独走態勢に持ち込んでフィニッシュ。日産 GT-R NISMO GT500にとっても、そしてミシュランタイヤにとっても今シーズン初となる優勝をもぎ取りました。

また、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rも後半スティントだけで3台をかわし、一時は2位を走行。51周目にNo.64 ホンダ NSX-GTの先行を許すことになりましたが、残る車両は寄せ付けずに3位でゴール。松田/クインタレッリのコンビは今季4度目となる表彰台登壇を果たし、わずかながらも逆転王座の可能性を残して次戦であるシリーズ最終戦に臨むこととなりました。

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2019
■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「予選での3号車と23号車はともにソフト仕様のスリックタイヤを使いました。決勝レースでは、3号車は前半と後半の両スティントにおいてミディアム仕様のドライイングタイヤを、23号車は前半はハード仕様、後半はミディアム仕様のドライイングをそれぞれ使用しました。今回のGT500クラスで上位争いを展開できた日産 GT-Rは我々のタイヤを装着した2台のみで、我々のウェットタイヤは非常によく機能したと思います。
レース前はドライコンディションでしたが、スターティンググリッド上で待機していた間に霧雨が降ってきました。それでもスリックタイヤのまま行くか、それともドライイングに替えるか悩んだのですが、霧雨と言いながらもそれなりの水の量になってきたので、2台ともドライイングでスタートさせることに決め、結果的にそれは大正解でした。
23号車は前半スティントと後半スティントで使ったコンパウンドが違いましたが、いずれにせよ2台が今回のレースで履いたのはドライイングタイヤでした。実際には、後半スティントは路面の水量がかなり多くなっていましたが、それでも我々のドライイングタイヤはライバルメーカーのウェットタイヤに対して非常に高い競争力を発揮しました。今回は後半スティントの方がずっと長くなりましたが、ウェットタイヤの場合は路面の水量へのそのタイヤの適合の度合いによって耐久性が大きく変わります。今回のレースにおける我々のタイヤは、ドライイングとは言いながらも多めの水量のもとでも高いグリップを発揮し、仮に雨がもう少し多く降ってきて水量がさらに増えても十分そのコンディションに対応できたであろうパフォーマンスを見せていました。50周近くになった後半スティントの終盤でもペースは落ちず、今日のレースは言うことなしの内容になりました」

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2019年SUPER GT第7戦 菅生
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

雨量が増したレース終盤、そもそもはハーフウェットコンディション用のものであるドライイングタイヤを履きながら、ライバルたちを圧倒するハイペースで走って優勝を決めたマコヴィッキ。ミシュランタイヤのパフォーマンスを存分に示してみせたこのフランス人ドライバーは、やはりミシュランタイヤ装着のホンダ NSX CONCEPT-GTで出場した2014年8月の富士以来となるSUPER GT優勝を飾りました。

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スターティンググリッドに着くと車両装着のスリックタイヤの横にドライイングタイヤをスタンバイさせ、NISMOチームをサポートしているウェザーニューズ社の情報や空模様を睨みながらしばらく検討。そしてミシュラン勢2台はともにドライイングを履いてスタートすることを決断しました。

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セーフティカー先導の3周の後に実質的なスタートが切られました。一見しただけでは路面は湿っている程度のようでしたが、実際にはすでにかなり濡れており、スリックタイヤで出た車両は非常に厳しい状況に。一方、ドライイングタイヤを履いたミシュラン勢はそろって順位を上げていきました。

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後半スティントを戦い始めた時点でのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは5位につけていましたが、その後雨量が増えていった中、ミディアム仕様のドライイングタイヤを履いたマコヴィッキが他の上位車両を1〜2秒も上回るラップタイムを連発する圧巻の走りを見せました。

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No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが装着したドライイングタイヤは、路面の水量が増え、そして50周にわたる長さとなった後半スティントを通じて高いパフォーマンスを発揮し続けました。結果、同車をドライブした松田/クインタレッリのコンビは今季4度目の表彰台に上りました。

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表彰台でドライバーの自撮りによる記念写真に収まるミシュランドライバーたち。表彰台の3つのスポットのうちの2つをミシュランタイヤユーザーが占めるという素晴らしい結果となりました。

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ミシュランのドライイングタイヤはハーフウェットに最適化した設計のものですが、本格的なウェットコンディションとなったレース後半においても極めて高い競争力を発揮。ミシュランタイヤのトータルパフォーマンスの高さが、明らかな速さと結果によって鮮やかに示された一戦となりました。

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