SUPER GT 2020 ROUND 8
FUJI

■予選:11月28日/決勝:11月29日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース距離:300km(66周×4.563km)

ミシュランタイヤ装着車が10年連続で
日産 GT-R勢の最上位ランキングを獲得

2020年SUPER GTシリーズ最終戦(第8戦)が富士スピードウェイで開催され、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が今大会における日産 GT-R勢の最上位となる6位でフィニッシュしました。No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は9位でレースを終え、ドライバー部門ではランキング6位に。この結果、GT500クラスにおける日産 GT-R勢のシリーズ最上位をミシュランタイヤ装着車が10年連続で獲得しました。GT300クラスでは2台のミシュランユーザーがそろって好走を見せ、No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/篠原拓朗)は今季自己ベストのクラス5位、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)も今季自己ベストのクラス9位でのフィニッシュを果たしました。

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SUPER GT第8戦 富士
MOTUL AUTECH GT-R

予選ではQ1を突破して6位と健闘したNo.23 GT-Rでしたが、決勝レースでは思うようにペースを上げられず9位に甘んじる結果に。それでも、第3戦鈴鹿と第7戦もてぎの2戦で勝利を挙げてきた松田次生/ロニー・クインタレッリのコンビはドライバー部門でランキング6位となり、ミシュランタイヤ装着車の10年連続GT-R勢最上位獲得が果たされました。

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午後4時半には日没を迎える11月末の富士スピードウェイ。これだけ遅い時期にSUPER GTのレースが富士で開催されたことは近年になく、新型コロナウイルス感染拡大防止のため事前テストも行われなかったことから、各チームには現在のマシンとタイヤと今回のコンディションで300kmのレース距離をぶっつけ本番で戦うことが求められた一戦でした。

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土曜午前の公式練習を終えたところでNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのドライバーやエンジニア、そしてミシュランのタイヤテクニシャンらが集まってディスカッション。午後に行われる予選には、2種類のスリックタイヤのうち柔らかい方を2台ともに選択して臨み、No.23 GT-Rは6位、No.3 GT-Rは9位という予選結果に。

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好天に恵まれた公式練習を走るNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3。続いて行われたQ1での同車は藤井誠暢が乗り込んでAグループに出走。Q2に進出できるグループ8番手には0.132秒届かず、クラス22位という予選結果となりました。なお、今回のNo.9 Vantage GT3は10月の第5戦富士に続いてBドライバーに篠原拓朗を起用しての出場でした。

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第6戦からサーキットに再びお目見えしたレースクイーンとスターティンググリッド上で写真撮影に収まる吉本大樹と河野駿佑。No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3はQ1ではBグループへの出走で、同車のリーディングドライバーである吉本大樹がタイムアタックを実施。Q2進出にはわずか0.086秒及ばず、クラス19番手からのスタートとなりました。

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室屋義秀氏によるフライトパフォーマンスが行われ、SUPER GT出場自動車メーカーご自慢の様々なスポーツ車が走るコースの上を低空飛行しコラボレーションを見せるという一興も。ちなみに先頭車両はMICHELIN Pilot Super Sport ZPを標準装着したレクサス LC500コンバーチブルで、トヨタ自動車の豊田章男社長がドライバーを務めました。

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コロナ禍のため今シーズンはサーキットへの入場者数が制限され、ファンとドライバーが交流する機会が非常に限られたことから、レース後にはメインストレートを往復するオープントップのバスの車上から今大会出場の全ドライバーがスタンドに残る観客の皆さんに手を振って応援への感謝の意を伝える「グランドフィナーレ」が行われました。

独自のウェイトハンディ制を採用しているSUPER GTシリーズですが、当該シーズンにおいて参戦8戦目を迎えた車両はウェイト搭載なしで出走できるというレギュレーションになっています。そして、シリーズ第8戦である今大会のGT500クラスとGT300クラスにエントリーしたすべての車両は過去7戦すべてに出場してきていたことから、今大会は全車がノーハンディの状態で競い合う一戦となりました。

今シーズン4度目のSUPER GT富士ラウンドではあるものの近年に例のない寒い時期での開催となった今大会にミシュランは、GT500クラスには今大会におけるソフト仕様とミディアムソフト仕様の2種類のスリックタイヤ、そして1種類ずつのフルウェットタイヤ(完全なウェットコンディション用のタイヤ)とダンプタイヤ(路面が湿り気を帯びたコンディション用のタイヤ)を用意。また、GT300クラスには、ソフト仕様とミディアム仕様の2種類のスリックタイヤと、1種類ずつのフルウェットタイヤとダンプタイヤを持ち込みました。実際には、このレースウィーク中に降雨はなく、使用されたのはスリックタイヤのみでした。

11月27日(土)の午後1時48分、10分間のGT500クラスのQ1(予選第1セッション)が開始されました。路面温度は18℃でした。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはこのセッションを松田次生が担当し、6番手のタイムをマークしてQ2に進出。一方、千代勝正がステアリングを握ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、Q1突破にはあと1つポジションが及ばぬ9番手となりました。

午後2時26分から同じく10分間で行われたQ2(予選第2セッション)の開始時の路面温度は17℃でした。このセッションでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rに乗り込んだロニー・クインタレッリは2周連続でタイムアタックを行い、計測周回5周目に1分27秒130の自己ベストをマーク。このタイムによりNo.23 GT-Rは日産 GT-R勢では予選最上位となる6位のポジションを手に入れました。

決勝日の11月28日(日)は、概ね曇り空ながらも降雨はなし。これにより、今シーズンのSUPER GTのすべての決勝レースはドライ路面での開催となりました。

気温は10℃、路面温度は14℃というコンディションのもと、午後1時に決勝レースのフォーメイションラップが開始されました。今大会は低温下での開催ということで、通常は1周のみのフォーメイションラップを特別に2周行うことがあらかじめ決められていました。ところが、実際に各車が走り出すと路面温度の低さから2周をかけても十分にタイヤを温められない状況で、レースコントロールの判断によりフォーメイションラップがさらにもう1周多く行われることに。これにより、当初の66周から1周減じられた65周で今回のレースは争われました。

そして、満を持して迎えたスタートの直後から観客を大いに魅了するパフォーマンスを見せたのがミシュランタイヤを履くNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rでした。同車の前半スティントを担当したロニー・クインタレッリはスタートしてすぐのコース前半区間のうちに2台をパス。さらに、その周回の後半ではコーナーへのブレーキングで先行車両3台をアウト側からまとめて抜き去るという豪胆な走りを見せ、6番手スタートから一気にトップへジャンプアップしてオープニングラップを終了。ミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さを強烈に見せつけました。

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは以後4周にわたってトップを走り続けました。しかし、その後はペースを上げてきた後続車両たちを押え続けることができず、さらには、路面に落ちていたタイヤカスがトレッド面に貼り付いて振動とグリップ低下をもたらす“ピックアップ”の問題が発生。クインタレッリは直線区間で車両を左右に振って何とかピックアップを落とそうとしましたが問題は解消せず、ペースを上げられない苦しい状況が続きました。そして18周目には9位にまで順位を落としたNo.23 GT-Rは、最低規定周回数の22周を終えたところでピットへ向かいました。

NISMOチームは、タイヤを予選で履いたソフト仕様からミディアムソフト仕様に切り替えてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rを戦列に戻しました。新たに乗り込んだ松田次生は40周をゆうに超えるロングスティントに挑むことに。その序盤のペースは上々でしたが、やがて状況は苦しいものになっていきました。それでも松田は後続車両の先行を1台も許すことなく9位でフィニッシュ。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rをシーズンを通じてドライブした松田次生/ロニー・クインタレッリのコンビはドライバー部門でランキング6位となりました。そしてこの結果、2011年シーズンから途切れることなく続いてきたミシュランタイヤ装着車によるGT500クラスの日産 GT-R勢シリーズ最上位獲得が今シーズンも果たされ、ミシュランはSUPER GT参戦において最も重視しているライバルタイヤメーカーを上回るという目標を10年連続で達成しました。

平手晃平が乗り込んで9番手グリッドからレースを始めたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、予選で使用したソフト仕様を履いた前半スティントは我慢の走行となりました。そして、同車も早めのピットストップを選択し、23周目を終えたところでピットに入ってミディアムソフト仕様にスイッチ。千代勝正が担当した同車の後半スティントはやはり42周にわたる長さのものになりましたが、同じミディアムソフト仕様で同じ長さのスティントとなったNo.23 GT-Rよりペースは良好でした。そしてNo.3 GT-Rは、51周目にはブリヂストンタイヤを履くNo.12 GT-Rを、52周目にはNo.38 トヨタ GRスープラをかわして6位に進出。そのポジションを守り切って、今大会におけるGT500クラスの日産 GT-R勢最上位でフィニッシュしました。

GT300クラスに出場した2台のミシュランタイヤ装着車は、予選ではNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3がクラス19位、No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3がクラス22位にとどまりました。しかし、決勝レースでは2台ともに快走を披露しました。

No.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3は、藤井誠暢が担当した前半スティントにおいて毎周のようにオーバーテイクを決めていき、16周目にはスタート時からすでに13ものポジションアップを果たしてクラス9位にまで浮上。多くの車両が早めのピットストップを選択したのに対して、No.9 Vantage GT3はレースの折り返し点をとうに過ぎた33周目終了時まで前半スティントを引っ張りました。篠原拓朗に交替した後半スティントのペースも良好で、No.9 Vantage GT3はクラス5位でフィニッシュ。今シーズンにおける自己ベストの結果を手にすると同時に、PACIFIC - D'station Racingとしては昨シーズンから走らせているアストンマーチン・ヴァンテージ AMR GT3でのベストリザルトを記録しました。

No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3も力強いレースを戦いました。河野駿佑が乗り込んでスタートを切ったNo.60 RC F GT3は、オープニングラップで他車による追突を受けながらも持ちこたえ、タイヤをマネージメントしながらもポジションを上げていく好走を披露。17周目には12位にまで浮上しました。そしてNo.9 Vantage GT3と同様に前半スティントを長く取り、35周目を終えたところでピットイン。そこでLM Corsaチームは、ミシュランのタイヤテクニシャンからのアドバイスも取り込んだ上で、タイヤ交換を車両左側の前後輪2本のみとする作戦を選択しました。

ピットストップ時間を短縮したNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3はポイント圏内の9位にまで順位を上げて後半スティントを戦い始めました。片側が新品タイヤで片側がユーズドタイヤではグリップバランスに当然差があり、そうした状態の車両を操ることは容易ではありません。しかし、後半スティントを担当した吉本大樹は巧みなドライビングを続けてポジションを守り切り、No.60 RC F GT3は今シーズンの同車のベストリザルトとなる9位でのフィニッシュを果たしました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「GT500クラスの23号車と3号車は、予選と決勝レースの前半スティントでは2台ともに今大会におけるソフト仕様のスリックタイヤを、後半スティントではともにミディアムソフト仕様を使いました。一方、GT300クラスの9号車と60号車は、予選、そして決勝レースの前半と後半のすべての走行を通じてミディアム仕様を履きました。なお、60号車はニュータイヤへの交換は左フロントと左リアの2輪だけにとどめて後半スティントを走りました。

GT500クラスに関しては、予選と決勝前半で使用したソフト仕様が我々の予想以上に“より柔らかなタイヤ”のような挙動を見せているという印象を受けました。タイヤのウォームアップは非常に良く、スタート直後の23号車が見せたパフォーマンスは素晴らしいものでしたが、その後は“ピックアップ”とグリップ低下という困難に直面することになりました。そこで我々は、チームとの相談のもと、23号車、3号車ともに前半スティントを短くし、後半スティントにはミディアムソフト仕様を使用することにしました。その後半スティントでは、特に3号車のペースが良かったです。一方、同じタイヤを使い、同じ長さのスティントを走った23号車のペースが3号車と互角にならなかったことについては詳細な分析が必要です。

GT300クラスについては、前戦のツインリンクもてぎ大会で我々は良い方向性を発見することができ、9号車、60号車ともに、マシンのセットアップを進化させ、我々のタイヤとのより良いマッチングを見出すことができました。その結果として今回は、両車ともに今シーズン一番の結果を出すことができました。

これで今シーズンのSUPER GTは全日程が終了しました。残念ながらシリーズタイトルには恵まれませんでしたが、GT500クラスでは今年も他メーカーのタイヤを履く車両を上回って我々のミシュランタイヤを使用した車両が日産 GT-R勢のランキング最上位となりました。ご声援をありがとうございました!」

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SUPER GT第8戦 富士
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

雲が多かったもののその合間から姿を見せていた富士山を横目に決勝レースを全力で戦うNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。上位をホンダ NSX-GT勢とトヨタ GRスープラ勢が占めた中、日産 GT-R勢では最上位で戦い抜きました。

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決勝レースを前に出場全ドライバーが各ピットの前に立つオールドライバーアピアランスに登場した松田次生とロニー・クインタレッリ。病気療養を余儀なくされることになったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのメカニックである村上邦男さんに向けた激励のフラッグを手にして現れ、仲間への熱いメッセージを送っていました。

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6番手グリッドからスタートしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが1周目を終えてみれば、前にいた5台すべてを抜き去ってトップに。特に、3台のGRスープラをまとめてアウトからかわしたオーバーテイク劇は圧巻でした。その後のNo.23 GT-Rは我慢のレースを強いられましたが、GT-R勢の最上位ランキングは今年もしっかりと手にしました。

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タイヤをソフト仕様からミディアムソフト仕様にスイッチした後半スティントにおけるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのパフォーマンスは良好で、スティントの後半にはペースが落ちてきた前走車2台を立て続けにパスして今大会におけるGT-R勢最上位でフィニッシュ。平手晃平/千代勝正組はランキング13位でコンビ2年目のシーズンを終えました。

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クラス22番手のグリッドから藤井誠暢のドライブでスタートしたNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3でしたが、各車のルーティンストップが始まるまでにはクラス9位にまでポジションを上げるという激走を披露。後半スティントを担当した篠原拓朗も確かなドライビングで仕事を果たし、今季自己ベストとなるクラス5位に食い込みました。

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連続周回でのミシュランタイヤの強さに手応えを得ていたNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、河野駿佑が担当した前半スティントのうちに大きく順位を上げると、タイヤ交換は左側の前後輪2本にとどめてさらにポジションアップ。吉本大樹が難しいグリップバランス下でのドライビングをまとめて、やはり今季自己ベストとなるクラス9位でのフィニッシュを果たしました。

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で変則的なレース開催スケジュールになり、テストも大幅に制限された今シーズンのSUPER GT。ミシュランタイヤ装着車のタイトル獲得はなりませんでしたが、GT500クラスの日産 GT-R勢の中でライバルメーカータイヤ装着車を押えて最上位のシリーズ成績を残すという最大のミッションは今年も達成されました。

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