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SUPER GT 2021 ROUND 8
FUJI

■予選:11月27日/決勝:11月28日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース距離:300km(66周×4.563km)

日産 GT-RのGT500ラストレースで
ミシュランタイヤ装着車がトップ2を占める

世界最高峰のGTカーレースシリーズであるSUPER GTシリーズの2021年シーズン最終戦が富士スピードウェイで開催され、ミシュランタイヤを使用してGT500クラスに出場したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは7位、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは8位でフィニッシュ。今大会がラストレースとなった日産 GT-R NISMO GT500の出走4台のトップ2をミシュランタイヤ装着車2台が占めました。そして今大会の結果、シーズンを通じてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをドライブした松田次生/ロニー・クインタレッリのコンビはドライバーランキング9位、同じくNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平/千代勝正のコンビは同10位で2021年シーズンの戦いを終えました。

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SUPER GT最終戦 富士
MOTUL AUTECH GT-R

日産 GT-R NISMO GT500とミシュランタイヤのコンビネーションは2009年にスタートしました。この2021年までの13シーズンでSUPER GTのシリーズ戦は今大会を含めて105戦行われましたが、GT-R+ミシュランタイヤは17戦で優勝を飾り、4つのシーズンにおいてドライバーズタイトルを獲得。そして今大会はこのパッケージが実戦に挑んだ最後のレースでした。

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今大会は5月のゴールデンウィーク期に行われた第2戦に続いての今シーズンのSUPER GTで2度目の富士スピードウェイ開催レースでした。先の第2戦は入場者数をかなり制限した状態で行われましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まってきた中での今大会は、予選日に2万3200人、決勝日には3万5300人のお客様をサーキットに迎えて開催されました。

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今大会がGT500クラスで最後のレースとなったR35型日産 GT-RがSUPER GTにデビューしたのは2008年シーズンの開幕戦でした。以来、途中で2度あった車両規則の大きな変更に対応しながら14シーズンにわたって戦い続け、ドライバーズタイトルを5回獲得してきました。そして、そのうちの4回のタイトルはミシュランタイヤを使用して勝ち取られました。

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雨が降るか降らないかはそのレースに向けたタイヤを準備する段階では分からないことであり、レースウィークにはウェット用タイヤもドライ用とともに持ち込んでいます。結果的に今大会は予選日と決勝日の両日を通じて好天に恵まれ、ウェット用タイヤの出番はなし。結局、今シーズンのSUPER GTは全レースがドライ路面での開催となりました。

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走行のない金曜日にドライバー交替の練習を行うNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生(写真右)とロニー・クインタレッリ(写真左)。過去2戦ではQ2進出を果たしてきたものの、今回は0.116秒届かずQ1突破はなりませんでした。日産 GT-R勢は総じて、ホンダ NSX-GT勢やトヨタ GRスープラ勢に対して厳しい戦いとなることが必至の状況でした。

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やはり走行のない金曜日に撮影されたNDDP RACING with B-MAXチームの集合写真。ミシュランタイヤを使用して2018年シーズンからGT500クラスに参戦しているNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの今シーズン最後の予選は、4台のGT-Rの中で唯一Q1を突破という結果。過去2戦では予選で大いに苦しんだ状況から脱し、チームの総合力向上を示しました。

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Q2を前に、Q1突破を果たしたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのタイヤの“肌”を観察し、Q2でのタイヤ戦略を頭の中で描いているミシュランの3号車担当タイヤテクニシャン。タイヤ開発は論理的に行われるものですが、レースの現場において即断で“次の手”を決めていくにあたっては、深い理解に基づいた観察力や判断力が重要なことも事実です。

SUPER GTシリーズが採用しているサクセスウェイト・ハンディキャップ制度ですが、開幕戦以降の7戦すべてに出場した車両は8戦目にはサクセスウェイトの搭載なしで出場することを認めています。そして、GT500クラスでは出場全車がその条件を満たしていることから、シリーズ第8戦である今大会には全車がノーハンディの状態で出場しました。

【今大会のミシュランタイヤ】
■ドライコンディション用:スリックタイヤ(ソフト、ミディアム)

【予選】

GT500クラスのQ1(予選第1セッション)は11月27日(土)の午後3時03分から開始。晴天に恵まれ、路面は完全なドライコンディション。ただし、気温は12℃、路面温度は16℃という低さでした。

No.23 MOTUL AUTECH GT-RでQ1を担当したのは松田次生、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは千代勝正でした。両車ともに3周をかけてタイヤに熱を入れていき、4周目にアタックに出ます。そしてNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは1分26秒513をマークして6番手でQ1を通過。一方、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは1分26秒770を刻みましたが、No.3 GT-Rとのタイム差0.257秒の間に2台のライバル車両が割って入ったため、No.23 MOTUL AUTECH GT-RはQ2進出ならず予選9位となりました。

Q2(予選第2セッション)は午後3時41分から開始。路面温度はさらに下がって14℃でした。平手晃平が乗り込んだNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはこのセッションに進んだ唯一の日産 GT-Rでしたが、タイムを伸ばすことはかなわず、予選8位となりました。

【決勝】

11月28日(日)の決勝日は快晴。コースは強い日差しに照りつけられ、決勝レースのフォーメイションラップが開始された午後1時の路面温度は23℃と、前日の予選時よりだいぶ高い状態となっていました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-RとNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはともに鋭いスタートダッシュを決めました。とりわけ、ロニー・クインタレッリが乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの動きは果敢で、直後の第1コーナーで前走車たちのインに思い切り飛び込んでいってポジションを奪い取ります。そしてオープニングラップを終えたときには、9番手グリッドからのスタートだったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは6位にまで進出。また、千代勝正がステアリングを握ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rもひとつ順位を上げて7位につけていました。

ミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さを存分に生かしたスタート直後のNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rでしたが、同じく日産 GT-R+ミシュランタイヤのパッケージであるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが3周目にNo.23 GT-Rをパスして6位に浮上。No.23 GT-Rはさらにもう1台にもかわされて8位に後退しました。

その後、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは千代が果敢なドライビングを続けましたが、前走車をかわしていくには至れず、6位を走り続けました。そしてNDDP RACING with B-MAXチームはレース距離の3分の1を超えた直後の22周目終了時にNo.3 GT-Rをピットインさせ、給油、ドライバー交替、そしてタイヤ交換を行って同車を戦列に戻しました。

その翌周にはNISMOチームもNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのピットストップを実施しました。そして32周目終了時にGT500クラスの最後の車両がルーティンのピット作業を終えたところで、平手晃平が後半スティントを担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは6位、松田次生が乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは7位につけていました。

後半スティントでは、何台もの車両が絡むバトルの中で、ミシュランタイヤを履く2台の日産 GT-Rが熾烈なつばぜり合いを何周にもわたって繰り広げることになりました。そして、まず40周目にNo.23 MOTUL AUTECH GT-RがNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rをパスして前へ。それからしばらく置いて両車が再び接近する状況となり、55周目にはNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-RがNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rを抜き返して雪辱。と思いきや、翌周には赤いNo.23 GT-Rが白いNo.3 GT-Rを再逆転。このミシュランタイヤ装着車2台の激しくもクリーンな戦いはファンを大いに沸かせました。

そして富士スピードウェイを66周して争われたレースはフィニッシュを迎え、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが7位でゴール。続いてNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが8位でチェッカーを受け、ミシュランタイヤ装着車2台が日産 GT-R勢のトップ2を占めて今シーズン全8戦の戦いを締めくくりました。

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■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント: 

「我々ミシュランは、スリックタイヤに関しては今大会におけるソフト仕様とミディアム仕様の2種類を持ち込み、23号車、3号車ともに、予選と決勝レースの前半スティントではソフト仕様を、後半スティントではミディアム仕様を使いました。
 我々のタイヤは今回のコンディションに対してとてもバランスの取れたものだったと評価しています。パートナーチームがそれぞれに考えたレース戦略のもと、予選においても決勝レースにおいてもタイヤをうまく使うことができたと思います。この週末におけるGT500クラスの日産 GT-R各車はライバル車両に対して厳しい戦いを強いられましたが、そうした中にあって、我々のミシュランタイヤを履く3号車だけが予選でQ2に進出しましたし、決勝でも一桁の順位を争う位置をレースを通じて走り続けることができたのは3号車と23号車のミシュラン勢だけでした。いくつかの要因によってさらに順位を上げていくことはできませんでしたが、日産 GT-RのGT500クラスにおける最後のレースで我々のミシュランタイヤを履いた2台がGT-R勢のトップ2を占めたことを誇らしく思います」

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SUPER GT最終戦 富士
MOTUL AUTECH GT-R&CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

レースを戦い抜いた各車の健闘を色とりどりのフラッグを振って称えるオフィシャルの方々と、その前を行くNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。ミシュランタイヤ装着車2台がGT-R勢のトップ2を占め、GT-R+ミシュランタイヤのパッケージの強さを日産 GT-R NISMO GT500最後のレースでも示しました。

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前日の予選時より路面温度がかなり上がって23℃となった中で決勝レースがスタートしました。2台のミシュラン装着GT-Rはそろって前走車に襲いかかっていき、特にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはオープニングラップで3つもポジションを上げることに成功。ミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さがひときわ明解に示されたスタートとなりました。

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前半スティントの大半でNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは6位、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは8〜9位を走行しました。今大会における日産 GT-R NISMO GT500勢は、トヨタ GRスープラ勢やホンダ NSX-GT勢に伍することが全般的に難しいものがありましたが、ミシュランタイヤを履く2台だけは一桁の順位を争う位置を走り続けることができました。

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後半スティントではミシュランタイヤ装着車2台が直接対決を演じる状況が続きました。一旦はNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが前に出ましたが、その後No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが抜き返します。と思いきや、その翌周には赤いNo.23 GT-Rが再び前へ。この激しくもクリーンなバトルを制したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが今大会のGT-R勢最上位を得ました。

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後半スティントにおけるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、同じマシンとタイヤのパッケージである赤いGT-Rと高度なバトルを繰り広げてファンを大いに沸かせました。レース終盤はNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの先行を許すも大きく離されることなく走行を続け、No.23 GT-Rから0.956秒後に8位でフィニッシュ。今大会におけるGT-R勢で2位となりました。

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前年に続いて新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けながらのレース開催となった今シーズンのSUPER GTでしたが、今大会では2日間で5万8500人ものお客様が来場されました。レース終了後には出場ドライバー全員がオープントップのバスに乗り、グランドスタンドのお客様に向かって応援への感謝の挨拶を行うパレードが行われました。

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ミシュランタイヤ装着車2台の今大会の総合順位は7位と8位でしたが、これがラストレースであった日産 GT-R NISMO GT500のトップ2を占め、タイヤ競争で勝つというミシュランにとって一番の目標は今回も達成されました。今シーズンもミシュランタイヤへのご声援をありがとうございました!

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