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WEC 2022 ROUND 1
SEBRING

■予選:3月17日/決勝:3月18日
■開催地:セブリング・インターナショナルレースウェイ(アメリカ)
■レース距離:1000マイル

セカンドシーズンのハイパーカーも全車ミシュランタイヤで
アルピーヌがWEC最上位クラス初優勝を飾る

ハイパーカーが新たなトップカテゴリーとなって2シーズン目となるFIA世界耐久選手権(WEC)の2022年シーズン。その開幕戦がアメリカはフロリダ州のセブリングで開催され、No.36 アルピーヌ A480・ギブソン(アンドレ・ネグラオ/ニコラ・ラピエール/マシュー・ヴァクシヴィエール)が優勝。アルピーヌがWECの最上位クラスで初めての優勝を飾りました。また、GTカテゴリーの上位クラスであるLMGTE Proクラスは2018-19年シーズンのチャンピオンであるポルシェ GTチームのNo.92 ポルシェ 911 RSR-19(ミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル)が制しました。ミシュランは今シーズンも、ハイパーカー、LMGTE Pro、LMGTE Amの3クラスのすべての出場車両に専用開発のレーシングタイヤを供給していきます。

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セブリング1000マイル ハイパーカークラス優勝
No.36 アルピーヌ A480・ギブソン

2020年シーズンまでのトップカテゴリー車両であったLMP1マシンを特認措置により今シーズンも使用してハイパーカークラスに参戦するアルピーヌ。同車は昨シーズンはLMP1車両用のタイヤを使いましたが、今シーズンはハイパーカー用のタイヤで戦います。その違いに適合させるためのテストをこのオフシーズン中にミシュランとともに繰り返し行いましたが、その成果がタイヤにとりわけ厳しいセブリングで早速生きることになりました。

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FIA(国際自動車連盟)が現在のフォーマットのWECをスタートさせたのが10年前の2012年のこと。その初戦は今大会と同じく3月のセブリングで行われていました。同レースを制したのは3.7ℓディーゼルターボエンジン車であるR18 TDIで参戦したアウディ(写真)。彼らはその次戦からハイブリッド車 R18 e-tronクアトロを走らせました。

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今大会のハイパーカークラスには昨シーズンから継続参戦の3車種が出場しましたが、いずれも昨季とはタイヤの仕様が異なるものに。アルピーヌ A480は4輪ともに31/71-18サイズを選択したのに対して、トヨタ GR010ハイブリッドとグリッケンハウス 007 LMHはフロントが29/71-18、リアが34/71-18というサイズで今季を戦うことになりました。

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チャンピオンマシンであるトヨタ GR010ハイブリッドに対する性能調整が今シーズンはさらに厳しい内容となり、その2台は予選ではLMP2クラスのトップ車両のタイムにも及ばないという事態に。アルピーヌとグリッケンハウスがフロントロウを分け合いましたが、レースになるとトヨタ勢が地力の高さを見せてトップ争いに食い込んでいきました。

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決勝レースにおけるアルピーヌとトヨタのスピードの差は決して大きくはありませんでしたが、それでも主導権はアルピーヌが握り続け、WEC最上位クラス初優勝をポールtoフィニッシュで飾りました。2位には、今大会がトップカテゴリーマシンによるWEC初レースであった平川 亮(写真左端)もドライブしたトヨタ8号車が37秒差で入りました。

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トヨタ GR010ハイブリッドは、昨シーズンよりフロントタイヤが幅狭に、そしてリアタイヤが幅広になった変化にしっかりと車両を適合させてきていましたが、同車に対して一段と厳しい内容となった性能調整を跳ね返すことはできませんでした。7号車は車両が横転するクラッシュを喫しましたが、ドライバーが無事であったことは幸いでした。

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昨シーズンは3戦に出場したのみであったグリッケンハウス 007 LMHですが、ひときわ荒れた路面のセブリングでレースタイムが7時間を超える長丁場であった今大会において、トップから1周遅れながらもしっかりと完走。このオフシーズン中に車両の信頼性向上に努めた成果を披露し、今後の戦いへの期待を高めるパフォーマンスを見せました。

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ミシュランはGTカテゴリー用のスリックタイヤを一新。速いラップタイムを一段と安定して刻み続けることができる性能を重視した新型タイヤをLMGTE Proクラスに投入しました(※LMGTE Amクラスへの供給は次戦から)。各車は連続で走った2つ目のスティントの終盤に自己ベストのタイムを記録。ミシュランの開発の適切さを結果で証明しました。

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LMGTE Proクラスは、レギュラー参戦組であるポルシェ GTチームの2台のポルシェ 911 RSR-19とスポット参戦であるコルベット・レーシングのコルベット C8.Rの三つ巴のトップ争いに。3台が10秒程度の差の中で相次いでフィニッシュする接戦になりましたが、これをミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル組のポルシェ92号車が制しました。

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「アメリカの耐久レースの聖地」と言われるセブリングですが、コーナー区間はアスファルト、メインストレートはコンクリートと舗装が異なり、その路面は概して荒れ気味。そして今大会は38℃という高めの路面温度でのスタートに。厳しい条件がそろった一戦でしたが、ハイパーカークラス用、GTカテゴリー用ともに新しくなったミシュランタイヤは高度な安定性を発揮して各ユーザーの戦いを支えました。

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