WEC 2018-2019 ROUND 4
FUJI
■予選:10月13日/決勝:10月14日
■開催地:富士スピードウェイ(日本)
■レース時間:6時間
トヨタがまたも母国ラウンドを制覇
小林可夢偉組が今季初優勝を飾る
2年またぎの『スーパーシーズン』として開催されているWECの2018-2019年シーズン第4戦が日本の富士スピードウェイで開催され、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペス組のNo.7 トヨタ TS050ハイブリッドが優勝。2位にはチームメイトのNo.8 トヨタ TS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ)が続き、トヨタが今季4戦目にして3度目の1-2フィニッシュを飾りました。また、GTマシンの上位クラスであるLMGTE Proクラスでは、ポルシェ GTチームのNo.92 ポルシェ 911 RSR(ミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル)が今季2勝目をマークしました。
富士6時間 LMP1クラス優勝
No.7 トヨタ TS050ハイブリッド
今年も雨混じりの天候のもとでの開催となった富士6時間ですが、小林可夢偉によるタイヤ選択の絶妙な判断によって大きなアドバンテージを得た7号車のマイク・コンウェイ/小林/ホセ‐マリア・ロペス組が勝利。2位には8号車のセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組が約11秒差で続き、トヨタは今回で7回目の開催であったWEC富士ラウンドで実に6回目となる勝利を1-2フィニッシュで飾りました。
今大会では、LMP1クラスに8台、LMP2クラスに7台、LMGTE Proクラスに10台、LMGTE Amクラスの9台の計30台が出場。そのうち27台がミシュランタイヤユーザーでした。これら多数のパートナーチームを万全な体制で支えるため、WECシリーズを転戦するミシュランのWECタイヤサービスチームを日本ミシュランタイヤのスタッフがサポートしました。
大会に彩りを添えた和装のレースクイーンたち。今年も富士6時間は雨混じりの肌寒い天候のもとでの開催となりました。
前夜からの雨は小康状態となったものの、水煙が高く上がるほどのウェットコンディションで決勝レースはスタート。ホールショットはNo.8 トヨタ TS050ハイブリッドが奪取。前日の予選で最速タイムをマークしながらピットレーン通過速度違反によるペナルティのためLMP1クラス最後尾グリッドとなったNo.7 トヨタ TS050ハイブリッドは、小林可夢偉の見事なドライビングによって3周目には早くも2位に順位を上げていきました。
路面は乾いていく方向ながら、しかしまだまだ濡れた状態だった10周目終了時に、No.7 トヨタ TS050ハイブリッドがピットへ向かいました。チーム側は「まだ早すぎる」と主張する中、ステアリングを握る小林の強い要望によってスリックタイヤに早々とスイッチ。その後、クラッシュ処理のため約30分間もセーフティカーが入り、その間に路面はどんどん乾いていくことに。いち早くスリックを履いた No.7 トヨタは、結果的に大きなアドバンテージを握ることになりました。
2台のトヨタ TS050ハイブリッドを隔てるギャップが大きく広がることはなく、2台は常に同一周回で走行しましたが、予選、決勝ともに良好なペースで走行し、タイヤ変更の判断も的中させたNo.7 トヨタ TS050ハイブリッドが今大会を制覇。コンウェイ/小林/ロペスのトリオは今シーズン初の勝利をつかみ取りました。
GT マシンの上位クラスであるLMGTE Proクラスも、ライバルより早いタイミングでスリックタイヤに履き替えたNo.92 ポルシェ 911 RSRが優勝。同車のドライバーであるのミカエル・クリステンセンとケヴァン・ウストルのふたりは、ランキングトップに立っているGTEドライバー選手権のリードをさらに広げました。
今シーズンからLMGTE Proクラスに参戦するもこれまでの3戦では5位が最上位だったBMW M8 GTEですが、今大会ではトム・ブロンクビスト/アントニオ・フェリクス・ダ・コスタ組の82号車が好走。優勝まであと12秒届かなかっただけの2位に入 り、初の表彰台を獲得しました。
LMGTE Proクラスの3位にはフォード・チップ・ガナッシUKのNo.67 フォード GTが入賞。同車をドライブしたアンディ・プリオール/ハリー・ティンクネルのコンビは前戦のシルバーストーン6時間に続いての表彰台登壇を果たしました。
今大会はドライ、ウェット、ハーフウェットと様々なコンディションのもとで走行が行われ、溝がないLMP1クラス用のインターミディエイトタイヤ 「MICHELIN HYBRID」をはじめとする様々なミシュランレーシングタイヤが活躍。各パートナーチームの戦いを力強く支えました。