
WEC 2024 ROUND 5
SÃO PAULO
■予選:7月13日/決勝:7月14日
■開催地:インテルラゴス・サーキット(ブラジル)
■レース時間:6時間
10年ぶりのWECインテルラゴス大会を
トヨタ GR010ハイブリッド&ミシュランタイヤが制す
トップカテゴリーであるハイパーカークラスの出場全車がミシュランタイヤを使用して行われている世界耐久選手権(WEC)の2024年シーズン第5戦サンパウロ6時間が開催され、トヨタGAZOOレーシングのNo.8 トヨタ GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮)が今季初優勝を飾りました。今大会の舞台となったブラジルのインテルラゴス・サーキットにおけるWECの開催は10年ぶり。タイヤにかかる負荷が大きく、路面のタイヤへの攻撃性が高いサーキットですが、同所で使用されるのは今回が初めてだったハイパーカー用MICHELIN Pilot Sportレーシングタイヤは、持ち前の高い安定性とパフォーマンス、そして幅広い対応レンジで各パートナーチームのレースをしっかりと支えました。

サンパウロ6時間 ハイパーカークラス優勝
No.8 トヨタ GR010ハイブリッド
1カ月前に行なわれたシリーズ第4戦ル・マンでのトヨタは、24時間レースを戦って約14秒というわずかな差で2位に敗れていました。しかし今大会では、予選で7号車が小林可夢偉のタイムアタックによりポールポジションを獲得すると、決勝レースでも強力なパフォーマンスを終始披露。ル・マン24時間のときの5倍近いタイム差を逆につけてみせ、昨シーズンのチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮組の8号車が今シーズン初の勝利をもぎ取りました。

F1ブラジルGPの長年の開催地として知られるインテルラゴス。今シーズンのWEC開催サーキットの中ではコース全長が最も短い4.309kmですが、タイヤにかかる負荷の高さでは随一。路面は10年以上前に施された舗装のために荒れ気味であり、タイヤに厳しい試練を課す条件がそろっていました。

この写真は前回のWECインテルラゴス大会でのカット。2014年11月の開催で、同年にデビューしたポルシェ 919ハイブリッドがWEC初優勝を挙げたレースでした。2位はトヨタ TS040ハイブリッド、3位はアウディ R18 e-tronクアトロ。いずれのマシンも使用していたのはミシュランタイヤでした。

No.8 トヨタ GR010ハイブリッドはハートレー→平川→ブエミの順で走り、各ドライバーは2スティントずつ走行。特に平川のドライビングは見事で、タイヤの状態を適正に管理しながら良好なペースで走り続けてリードを拡大。チャンピオントリオが待望の今シーズン初優勝を手に入れました。

ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのNo.6 ポルシェ 963は、他車からの接触を受けて後退する場面があったものの、巻き返して2位でフィニッシュ。ケヴァン・ウストル/アンドレ・ロッテラー/ロウランス・ヴァントールのトリオは今シーズンここまでの5戦のうち4戦で表彰台に上ることに。

ポールポジションからスタートして序盤は首位を走ったトヨタ7号車でしたが、2時間を過ぎたところで車両にトラブルが発生。ピットでの修理のため一旦は周回遅れになりました。しかし、そこから猛烈に追い上げ、残り時間3分で前戦ル・マン優勝のNo.50 フェラーリ 499Pもかわし4位に食い込みました。

ハイパーカー各車は80周≒約350kmを1セットのタイヤでこなすことを基本としてレースを戦いました。タイヤの摩耗が激しいインテルラゴスの路面のもと、ミシュランタイヤはライフの最後まで高性能を安定的に発揮して、各チームのレース戦略の中でしっかりと機能。彼らユーザーの期待に応えました。