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WEC 2019-2020 ROUND 6
SPA-FRANCORCHAMPS

■予選:8月14日/決勝:8月15日
■開催地:スパ・フランコルシャン・サーキット(ベルギー)
■レース時間:6時間

トヨタ勢が悪条件のスパで抜群の強さを発揮
小林可夢偉組が今季3勝目を飾る

新型コロナウイルス感染症拡大を受けてイベントスケジュールを大幅に変更したWEC(FIA世界耐久選手権)は6カ月ぶりとなるレースを無観客で開催。その決勝レースは、舞台となったスパ・フランコルシャンの名物と言える変わりやすい天候に直撃され、各チームのタイヤ選択を非常に複雑な状況としました。そうした中、2台のトヨタ TS050ハイブリッドは重く課されたサクセス・ハンディキャップを跳ねのける見事な強さを見せてレースを席巻。マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペスの7号車が優勝を飾り、セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組の8号車が2位に入って、トヨタ勢が4戦ぶりの1-2フィニッシュを果たしました。また、LMGTE Proクラスでは昨シーズンのチャンピオンであるポルシェGTチームのNo.92 ポルシェ 911 RSR-19(ミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル)が今季初優勝をマーク。WECで唯一タイヤ競争のあるLMP2クラスでは、決勝レースのトップ3をミシュランタイヤ装着車が独占する結果となりました。

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スパ・フランコルシャン6時間 LMP1クラス優勝
No.7 トヨタ TS050ハイブリッド

ポイントリーダーとして今大会を迎えたNo.7 トヨタは、WEC独自のサクセス・ハンディキャップ制度によって非常に重いハンディを抱え、公式予選では3位にとどまりました。しかし、天候が不順なものとなりウェット→ドライ→ウェット→ドライと路面状況が変化した決勝レースにおいては抜群の強さを発揮。その力強い走りの足元をミシュランタイヤが支え続けました。

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前日の予選日までは好天が続いていたこのレースウィークのスパ・フランコルシャンでしたが、決勝日になって冷たい雨が降り、気温は20℃に達さず、路面温度は25℃程度というコンディションの中でスタートを迎えました。その後、雨は上がってドライ路面となりましたが、やがて再び雨が降り、そして再び上がって路面は乾いていく、ということに。適切なタイミングで適切なタイヤ選択を行うことが非常に難しいレースでした。

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スタートの数時間前から比較的強い降雨があり、前半の4時間は雨が降ったり止んだりを繰り返した天候のもとでのレースは、2台のトヨタ TS050ハイブリッドの独壇場となりました。この2台はスピード的には互角でしたが、中嶋一貴組の8号車にはマイナートラブル等が繰り返し発生。一方、小林可夢偉組の7号車はノーミスでトリッキーな走行条件であったこの一戦を走り抜き、最終的には僚友車に34秒差をつけて今季3勝目を挙げ、ドライバーポイントのリードを拡大しました。

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ミシュランとグッドイヤーの間によるタイヤ競争が行われているLMP2クラス。今大会には9台が出場し、そのうち2台がグッドイヤー、残る7台がミシュランのユーザーという構図でしたが、決勝レースはトップ3をミシュランタイヤ装着車が独占する結果に。優勝はP.ハンソン/F.アルバカーキ/P.ディレスタ組のNo.22             ユナイテッド・オートスポーツで、これで3連勝を達成。昨年のSUPER GT GT500クラスチャンピオンである山下健太が参加しミシュランタイヤを使用するNo.33 ハイクラス・レーシングは、一時は3位を走行したものの、最終的には5位でのフィニッシュとなりました。

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GTマシンの上位クラスであるLMGTE Proクラスは、フェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンという名だたるスポーツカーメーカーのワークスマシンが僅差で凌ぎを削る展開となりました。レース終盤でトップに立っていたのはNo.97 アストンマーチン・ヴァンテージ AMRでしたが、残り周回数が10周を切ったところで痛恨のコースアウトを喫して後退。昨シーズンのチャンピオンであるNo.92 ポルシェ 911 RSR-19(ミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル)が今季これまで4度の2位を経てついにシーズン初優勝をつかみました。

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クラス優勝のNo.92 ポルシェにはわずか5.6秒届きませんでしたが、No.95 アストンマーチン・ヴァンテージ AMR(マルコ・ソレンセン/ニック・ティーム)がLMGTE Proクラスの2位を獲得。今回のレースではトップ争いにずっと絡みながらも首位を走ることはありませんでしたが、第2戦富士、第4戦バーレーン、第5戦アメリカとすでに3戦で勝利を挙げているソレンセンとティームのコンビは、次戦ル・マン24時間でチャンピオンを決める可能性が出てきました。

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ウェットコンディションでのスタート時のミシュランユーザー各車はフルウェットタイヤを装着して走行し、やがて雨が上がって路面がドライに転じていくと各車はスリックタイヤに履き替えました。レース半ばに降雨があり、それが上がったときの状況も同じでしたが、1秒間に120ℓもの水量を排水できる能力を持つフルウェットタイヤと、まだ多くのウェットパッチが残るコンディションでもしっかりとしたグリップ性能を発揮するスリックタイヤの両タイプのミシュランタイヤが存分に機能した一戦となりました。

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