
WEC 2021 ROUND 6
BAHRAIN
■予選:11月5日/決勝:11月6日
■開催地:バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)
■レース時間:8時間
小林可夢偉組のトヨタ7号車&ミシュランタイヤが
WECハイパーカー初代チャンピオンに
FIA世界耐久選手権(WEC)の2021年シーズン最終戦である第6戦バーレーン8時間が開催され、セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーのNo.8 トヨタ GR010ハイブリッドが優勝。2位には僚友車であるNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドが続き、同車を今シーズンの全戦でドライブしたマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペスの3名がハイパーカークラスの初代チャンピオンに輝きました。ミシュランは今シーズンからWECのトップカテゴリーとなったハイパーカークラスに専用タイヤを開発。当社が掲げる「Performance made to last」というポリシーのとおり、ライフの最後まで高性能を安定的に発揮し続けるタイヤを供給し、新時代を迎えた四輪耐久レースの世界最高峰シリーズを足元から力強く支えました。

2021年シーズンWECハイパーカークラスチャンピオン
M.コンウェイ/小林可夢偉/J.M.ロペス
WECトップカテゴリーのディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペスのトリオは、新しい車両規定のハイパーカーが導入された今シーズンにおいて4度のポールポジションと3度の優勝をもぎ取りました。そして今大会を2位でフィニッシュしたことにより、ハイパーカークラスの初代チャンピオンに。これによってトヨタはドライバー選手権とチーム選手権のダブルタイトルを獲得。また、小林はFIA(国際自動車連盟)世界選手権のサーキットレースシリーズでタイトルを2度獲得した初めての日本人ドライバーとなりました。

今大会はWEC史上で初めての同一サーキットにおける2週連続レース開催の2戦目でした。つまり、路面に舞い落ちる砂漠の砂がタイヤを痛めつけてくるというバーレーン・サーキットの特徴は今大会にも当てはまったわけですが、決勝レースの開催時間は前戦と大きく異なり、8時間レースのうちの約5時間は日が沈んでからの走行となる設定でした。

ミシュランが今大会のハイパーカークラス各車に用意したタイヤの種類・仕様は1週間前の前戦と同じで、スリックタイヤはホットウェザー用のソフト仕様とミディアム仕様の2種類。ただし、途中で日没がある今大会は路面温度がレース中に15℃も低下するという条件下での開催であり、タイヤには幅広い温度に対応できる懐の深さが求められました。

1週間前の前戦ではチームメイトのトヨタ7号車に完敗を喫した格好のトヨタ8号車でしたが、今回のレースでは立場を逆転させることに成功し、今季3勝目をマークしました。なお、同車のドライバーである中嶋一貴は今大会をもってWECへのレギュラー参戦を終えることとなり、WECラストレースでの勝利を自らの力でもぎ取って有終の美を飾りました。

今シーズンのWEC全6戦のすべてを制したトヨタ GR010ハイブリッド。同車は、昨シーズンにトヨタが走らせたLMP1規定車両のTS050 ハイブリッドと比較すると、4輪駆動車であることは同じですが、規則によって車重が162kgも増えた一方でパワーが32%も絞られています。こうした車両仕様に対して最適化を図った専用タイヤをミシュランは供給して支えました。

LMGTE ProクラスではAFコルセのNo.51 フェラーリ 488 GTE EVOとポルシェ GTチームのNo.92 ポルシェ 911 RSR-19が8時間レースを通じて秒差のトップ争いを延々と展開。最後は両車が接触する事態となり、No.51 フェラーリのアレッサンドロ・ピエール・グイディとジェイムズ・カラードが今大会の勝利とLMGTEドライバーズタイトルを獲得しました。

今シーズンのミシュランはWEC全6戦のすべての走行セッションにおいて、トップカテゴリーであるハイパーカー、GTカテゴリーのLMGTE ProとLMGTE Amの計3クラスに出場したすべての車両に対してタイヤ供給を実施。各レースで使えるタイヤの本数が4シーズン前までより約30%も削減された中、各パートナーチームからの期待と要求に応えるハイパフォーマンスのタイヤを提供し続けるという仕事をやり遂げました。