
WEC 2023 ROUND 6
FUJI
■予選:9月9日/決勝:9月10日
■開催地:富士スピードウェイ(日本)
■レース時間:6時間
トヨタ小林可夢偉組がポール・トゥ・フィニッシュ
WEC日本ラウンド第10回大会でミシュランタイヤが活躍
全7戦で争われる2023年シーズンの世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間が開催され、トップカテゴリーのハイパーカークラスではトヨタGAZOOレーシングのNo.7 トヨタ GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)がポール・トゥ・フィニッシュを達成。2位にはチームメイトのセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮組が入り、トヨタが2年連続で母国レースでの1‐2フィニッシュを飾りました。
6時間の決勝レースのスタート時には路面温度が50℃近くありましたが、レースの折り返し過ぎには40℃を割るところまで低下しました。そうした路面温度の大きな変化の中でも、ミシュランタイヤは高いパフォーマンスを安定的に発揮し続け、出場車両の3分の2を占めたユーザー車両各車の戦いをしっかりと支えました。

富士6時間
ハイパーカークラス優勝
No.7 トヨタ GR010ハイブリッド
2012年にスタートしたWECには、その当初から日本ラウンドがシリーズに組み込まれていました。2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症拡大のためレースは行われておらず、今回は通算10回目のWEC日本ラウンド開催でした。そして、チーム代表も兼任する小林可夢偉がその速さを存分に発揮したNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドの優勝により、トヨタは実に9回目となる日本ラウンド制覇を達成。同時に、今シーズンのハイパーカークラスのマニュファクチャラーズタイトル獲得も決めました。

すべてのハイパーカーがユーザーとなるミシュランの今大会におけるスリックタイヤは、ミディアム仕様とハード仕様の2種類。予選と6時間の決勝においてタイヤは18本まで使えますが、決勝では1セットのタイヤで2スティントをこなすことが必須という条件です。

ハイパーカークラス用のウェットタイヤは1種類で、ヘビーウェットから半乾きの路面までカバー。このタイヤの30%以上の材料はリサイクルあるいはバイオ由来のサステナブル素材であり、先進技術をモータースポーツで鍛えるミシュランの取り組みを示しています。

今大会のレースウィーク中には、地元御殿場市小山町の小学5年生たちによるパドック見学が行われました。彼らはミシュランのタイヤサービスも見学。世界選手権レースの世界、そこで使われているレーシングタイヤの世界についての説明に、みんな真剣に聞き入っていました。

予選は、LMGTE Am、LMP2、ハイパーカーの各クラスに分け、それぞれ15分間のセッションで実施され、ハイパーカークラスではNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドのタイムアタックを担当した小林が新コースレコードを叩き出してポールポジションを獲得しました。

フェラーリ勢はハード、ポルシェ勢はミディアム、トヨタ勢は左側ハード/右側ミディアムのミックスと、タイヤ選択が分かれた決勝の序盤。まず首位を走ったのはNo.6 ポルシェ 963でしたが、レース中盤以降は全輪ミディアムに切り替えたトヨタ勢が主導権を握りました。

レース終盤に小林組のトヨタ7号車が首位に浮上。そのままリードを広げた同車が今季4勝目をマークしました。2位には平川 亮組の8号車が続いて、トヨタが2年連続でWEC日本ラウンドのトップ2を占める結果に。表彰台にはトヨタ自動車の佐藤恒治社長も上りました。

レース前半で首位を走行したポルシェ6号車は、優勝車両とは47秒差の3位でゴール。今年デビューしたポルシェ 963がWECで初の表彰台を獲得し、性能の向上ぶりを示しました。同車のドライバーで、日本でのレース歴が長いアンドレ・ロッテラーは、5年ぶりに日本で表彰台に立ちました。

今年デビューするや、いきなりル・マン24時間を制したフェラーリ 499P。初登場の富士でどれほどの走りを見せるか注目されましたが、予想外に苦戦。優勝争いには絡めずに終わりました。ただし、2台ともにしっかり完走しており、次戦である最終戦バーレーンでの巻き返しが期待されます。

今大会には計36台が出場しましたが、そのうち24台がミシュランタイヤを使用。彼らの戦いを支えるために、ミシュランは、WECシリーズをレギュラーで担当しているタイヤサービスチームを、日本ミシュランタイヤのスタッフがサポートする、という万全の体制を組んで今大会に取り組みました。