
WEC 2019-2020 ROUND 8
BAHRAIN
■予選:11月13日/決勝:11月14日
■開催地:バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)
■レース時間:8時間
小林可夢偉組のトヨタ7号車が今季4勝目をマーク
LMP1時代最後のチャンピオンに輝く
2019-2020年シーズンのWEC(FIA世界耐久選手権)最終戦バーレーン8時間が開催され、ミシュランタイヤを履くTOYOTA GAZOO RacingのNo.7 トヨタ TS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペス)が総合優勝をマーク。今季4勝目を挙げると同時に、今シーズン限りで終了となるLMP1クラスの最後のチャンピオンに輝きました。また、出場全車がミシュランタイヤを使用し、フェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンの各ワークスチームが激突するLMGTE Proクラスでは、No.92 ポルシェ 911 RSR-19(ミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル)が今季2勝目を獲得。同クラス5位でフィニッシュしたNo.95 アストンマーチン・ヴァンテージ AMRのマルコ・ソレンセン/ニック・ティームのコンビが世界耐久GTEドライバー選手権のタイトルを手にしました。

バーレーン8時間 LMP1クラス優勝
No.7 トヨタ TS050ハイブリッド
世界耐久LMPドライバー選手権において7ポイントリードのランキング首位で今大会を迎えた僚友車のNo.8 トヨタ TS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)には理論上1周あたり0.54秒差にあたるサクセス・ハンディキャップが課されていたことから、今回のバーレーンにおけるNo.7 トヨタはスピード的に常に優勢に立っていました。そして、同車を駆ったマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ‐マリア・ロペスのトリオはドライバーとしての仕事をミスなくやり抜き、今季4勝目を獲得。トヨタとしては通算3度目、そして小林らにとっては初めての世界耐久チャンピオンの栄冠をつかみました。

前戦を終えたところで世界耐久LMPドライバー選手権のタイトルの行方はトヨタの2台のドライバーたちに絞られたことから、同クラスの他チームはバーレーンに現れず、今回のLMP1クラスは2台のトヨタ TS050ハイブリッドによる一騎討ちに。WEC独自のサクセス・ハンディキャップ規定によるハンディを背負った8号車をスピードで終始上回った7号車が戦いの主導権を握り続けました。

勝った方がチャンピオンという条件のもと、ポールtoフィニッシュを決めたNo.7 トヨタのコンウェイ/小林/ロペス組が戴冠。今シーズン限りで終了となるLMP1クラスで最後のチャンピオンに輝きました。また、2012年からWECに挑戦してきたトヨタのハイブリッドLMP1マシンは、今回で通算29勝目を挙げ、通算で3回のドライバータイトルと3回のチームタイトルを獲得して有終の美を飾りました。

出場全車がミシュランタイヤを履くLMGTE Proクラスでは、ポルシェのワークスチームであるポルシェ GTチームが今大会を席巻。ポールポジションからスタートしたミカエル・クリステンセン/ケヴァン・ウストル組のNo.92 ポルシェ 911 RSR-19が終始レースをリードして今季2勝目を飾りました。2位にも僚友車が入ってポルシェ勢の1-2フィニッシュとなりました。

LMGTE Proクラスの今シーズンを制したのはアストンマーチンでした。これまでに3勝を挙げてきていたNo.95 アストンマーチン・ヴァンテージ AMRのマルコ・ソレンセン/ニック・ティーム組が今大会を5位でフィニッシュし、アストンマーチン・レーシングはすでに決めていた世界耐久GTE選手権のマニュファクチャラータイトルに続いてドライバータイトルの獲得も果たしました。

やはり出場全車がミシュランタイヤを履き、いわゆるアマチュアの域に認定されるドライバーを組み込んだ編成での出場が参加条件となっているLMGTE Amクラス。これまでランキング首位を走ってきたTFスポーツのNo.90 アストンマーチン・ヴァンテージ AMRが今回はレース中にブレーキ交換を余儀なくされ、2位でフィニッシュしたAFコルセのNo.83 フェラーリ488GTE Evoが逆転でチャンピオンに輝きました。

今シーズンをもってLMP1クラスが終了となり、1000馬力で4輪を駆動するハイブリッド・プロトタイプレーシングカーがお目見えするのは今大会が最後でした。アウディ、ポルシェ、そしてトヨタのハイブリッド車の活躍をサポートしてきたミシュランは、来シーズンからWECのトップカテゴリーとなるLMH(ル・マン・ハイパーカー)クラスにおいても各出場車両の足元を支えるべく、同クラス専用タイヤの開発を推し進めています。