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WRC 2019  ROUND 1
MONTE-CARLO

■1月24日〜27日
■開催国:モナコ/フランス
■ステージ路面:アスファルト/雪/氷

オジエがモンテカルロ史上最小差で大会6連覇
シトロエンがWRC通算100勝目を飾る

WRCの47年目のシーズンの開幕戦となるラリー・モンテカルロが開催され、6年連続チャンピオンのセバスチャン・オジエ(シトロエン C3 WRC)と3年連続でランキング2位につけてきたティエリー・ヌービル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)が秒差を争う激戦を展開。100年を超えるラリー・モンテカルロにおいて、1位と2位を分けるものとしては史上最小の僅差となる2.2秒差でオジエが戦いを制しました。この勝利によりシトロエンは通算100回目のWRC総合優勝を飾りました。

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ハイライト

ギャラリー

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ラリー・モンテカルロ総合優勝
セバスチャン・オジエ(シトロエン C3 WRC)

古巣であるシトロエンに7年ぶりに復帰したオジエ。C3 WRCで戦う初めてのラリーはスロットルの不調などを抱えながらのものになりましたが、それでもSS7以降は首位をキープ。果敢な走りで迫ってきたティエリー・ヌービルの追撃も振り払い、自身の最多記録更新となるラリー・モンテカルロ6連勝を果たしました。

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左から、トヨタ・ヤリス WRC、シトロエン C3 WRC、ヒュンダイ i20クーペ WRC、フォード・フィエスタ WRC。昨年のチャンピオンであるトヨタを筆頭に、WRCマニュファクチャラー選手権には今シーズンも4つの自動車メーカーのチームが参戦します。

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ラリー・モンテカルロのスペシャルステージはすべて舗装路で行われます。そこで、アスファルトラリー用のWRC公式タイヤ MICHELIN Pilot Sportの出番となるわけですが、標準のソフトコンパウンドであるS6に加え、路面温度が0℃付近からそれ以下となるコンディションに対応するスーパーソフト SS6が投入されます。これはモンテカルロ専用のタイヤですが、構造やトレッドパターンはS6と同じものを使用しています。なお、サイズはS6、SS6ともに235/40R18です。

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山あいや標高の高いところでは路面が凍結していたり雪が積もっていたりする区間もあり、そこでラリー・モンテカルロ専用のスノータイヤ MICHELIN Pilot Alpinも用意されます。スタッド(鋲)付きのA41 CLとスタッドレスのA41の2種類があります。MICHELIN Pilot Alpin A41 CLには、トレッドブロックからの突き出し量が2mmに制限されているスタッドが200本以上装着されています。サイズはA41 CL、A41ともに215/45R18です。

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今シーズンのWRCの大きな話題のひとつが、9回のWRCドライバーズタイトル獲得を誇るセバスチャン・ローブがヒュンダイから6戦にスポット参戦することで、その初戦が今回のラリー・モンテカルロでした。彼は過去20年近くにわたってシトロエンおよびプジョーのPSAグループに在籍してきており、プロフェッショナルドライバーとして同グループ以外の自動車メーカーに属すのは初めて。この2月で45歳になるローブが新しいチームとマシンでどれだけの走りを見せるか注目されました。

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ラリーは木曜日の午後8時過ぎから始まった2本のナイトステージで開幕。SS1は凍結区間や積雪区間がところどころにあり、SS2は大半がドライ路面という状況で、その双方をどのような組み合わせのタイヤでこなすか判断が難しいところでした。結果は、スタッド付きのMICHELIN Pilot Alpin A41 CLを主体に選んだトヨタのオィット・タナックがSS1で断トツのトップタイムをマークし、ドライ路面のSS2も手堅くまとめて首位に立ちました。

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オジエはSS5でシトロエン復帰後初となるトップタイムを叩き出すと、SS7を終えたところで首位に浮上。それにヌービルが食い下がり、ラリーはこのふたりによる一騎打ちとなりました。最終日にはオジエが4.3秒先行した状態で突入しましたが、ヌービルがステージごとにじりじりと差を詰め、最終ステージを前にしてのオジエのリードはわずか0.4秒となっていました。

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ラリー・モンテカルロ総合優勝
セバスチャン・オジエ(シトロエン C3 WRC)

0.4秒差を争う緊迫した状態で迎えた最終ステージでしたが、ここでオジエはヌービルを1.8秒上回るタイムを叩き出し、ラリー・モンテカルロ史上最小のタイム差となる2.2秒差で戦いは決着。オジエとそのコ・ドライバーのジュリアン・イングラシアは、フォルクスワーゲン(2014〜2016年)、フォード(2017&2018年)、そして今年のシトロエンと、3つの自動車メーカーのマシンを乗り換えながらのモンテカルロ6年連続優勝を果たしました。また、WRC最多勝メーカーであるシトロエンはその優勝回数記録を伸ばし、通算100勝目の大台に達しました。

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打倒オジエとラリー・モンテカルロ初優勝を狙ったヌービルでしたが、果たせませんでした。しかし、有力ドライバーが数多くいる中でも、6年連続王者に最も迫り、彼に最も強いプレッシャーを与えたのはやはりこのベルギー人ドライバーであり、今シーズンへの期待が膨らむ一戦となりました。

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ラリー序盤をリードしたタナックでしたが、SS7で左フロントホイールを破損させ、ステージ中でのタイヤ交換を強いられて大幅に後退。しかし、SS9から6ステージ連続でトップタイムを叩き出すという速さで猛烈に挽回し、3位表彰台獲得を果たしました。また、今年からトヨタに加わったクリス・ミークが最終ステージで圧倒的な最速タイムを叩き出すなど、残された結果以上にヤリス WRCの速さが印象づけられたラリーとなりました。

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この1月はダカール・ラリーにプジョー 3008 DKRで出場し3位でフィニッシュしたローブ。南米からヨーロッパへすぐに戻り、まともな事前テストなしでヒュンダイ i20クーペ WRCでの初ラリーに臨んだという状態でしたが、それにもかかわらず2本のステージでトップタイムをマークしてみせました。そして最後はトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラの追撃を1.7秒差で振り切って4位に。地力の高さと存在感を改めて示しました。

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オジエを擁して戦った過去2年は連続して世界タイトルを手にしてきたMスポーツ・フォード。そのオジエが離脱した今年は苦戦を余儀なくされることが予想されていましたが、初戦からそのとおりの内容となりました。3台のフィエスタ WRCを送り込みましたが、いずれのドライバーも自らのミスによってリタイアを喫することに。ただし、再出走後のティーム・スンニネンがトップ6に入るタイムを何度もマークするなどの明るい材料もありました。

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ラリー・モンテカルロで最も有名な地点であるチュリニ峠の頂上区間を行くタナックのトヨタ・ヤリス WRC。いくつもの名所、名スペシャルステージがWRCにはありますが、チュリニ峠はその筆頭で、同所を含むラ・ボレーヌ・ヴェジュビー〜ベイラ・カヴァのステージはこれまで幾度となくドラマを生んできた難コースなのです。

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通常のグラベルラリーやアスファルトラリーにおけるワールドラリーカー用のタイヤは2種類ですが、様々なコンディションの路面が出現するこのラリー・モンテカルロは例外で、ミシュランは4種類のタイヤを準備。そして、パートナーチームのワールドラリーカー各車両用に80本ずつを用意してラリー本番を迎えました。ただし、ラリーの事前テストセッションであるシェイクダウンとラリー本番で使用できるのは43本まで。そこで各チームは、4種類・80本の中から43本のタイヤの組み合わせをミシュランのエンジニアによるアドバイスに基づきながら決定して勝負に臨みました。

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