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WRC 2018 ROUND 10
TURKEY

■9月13日〜16日
■開催国:トルコ
■ステージ路面:グラベル(一部アスファルト)

大荒れの一戦をタナクが制し3連勝達成
トヨタ1-2でメーカー選手権首位に浮上

WRC開催は2010年以来となったラリー・トルコがシリーズ第10戦として行われました。今大会を迎えた時点でのドライバーズランキングのトップ2であったティエリー・ヌービルとセバスチャン・オジェのふたりがラリー前半において0.1秒差を争う熾烈な首位争いを繰り広げましたが、デイ3に入ったところで相次いでアクシデントに見舞われて後退。トップに繰り上がったトヨタのオット・タナクが優勝を飾り、第8戦ラリー・フィンランドから負けなしの3連勝を果たしました。2位にはチームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラが入り、トヨタが1-2フィニッシュを達成。この結果、マニュファクチャラー選手権ではトヨタがヒュンダイをかわしてランキング首位に浮上しました。

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ハイライト

ギャラリー

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ラリー・トルコ総合優勝
オット・タナク(トヨタ・ヤリス WRC)

ラリー前半はグリップ不足に苦しんで5位付近を走行していたタナク。デイ3に入ったところで、ティエリー・ヌービル、セバスチャン・オジェ、アンドレアス・ミケルセンと、首位に立ったドライバーが次々とアクシデントに見舞われていったことから、押し上げられるような格好でトップに浮上。チームメイトであるヤリ‐マティ・ラトバラの追い上げを振り切って今季4勝目を挙げ、今回10位に終わったオジェをかわしてドライバーズランキング2位に浮上しました。

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今回、WRCは8年ぶりにトルコの地を訪れました。開催エリアはトルコ西南の地中海に面した一帯で、リゾートタウンとして賑わうマルマリスがホストタウンに。今大会は今シーズンのWRCでは6戦目のグラベルラリーで、マルマリス周辺に設けられたスペシャルステージの路面は比較的スムーズであるものの、地中海に突き出したダッチャ半島の山岳地帯の路面は荒れており、マシンやタイヤに過酷な試練を課すステージ群が待ち受けていました。

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前回のグラベル戦であるラリー・フィンランドからミシュランは、グラベル用WRC公式タイヤにミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6を追加設定し、各パートナーチームは3種類のタイヤの中から2種類を事前に選ぶことが可能となりました。結果的に今大会においてはすべてのパートナーチームがハードコンパウンドのMICHELIN LTX Force H4とミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6を選択。その中から、ラリー本番中に使用できる32本までのタイヤのコンパウンドの内訳を事前に決めて勝負に臨みました(※なお、ミシュランのすべてのグラベル用WRC公式タイヤのサイズは205/65R15)。

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ラリー前半をリードしたのは、2021年までの新たな3年契約をヒュンダイと交わしたばかりのティエリー・ヌービルでした。ポイントリーダーであることから路面掃除役の最も大きなハンディを抱えた彼でしたが、SS7までをこなしたところで堂々トップを走行してみせました。ところが、ラフなコースに堪えかねたヌービルのヒュンダイi20クーペWRCは、デイ3の最初のSS8で左フロントサスペンションのトップマウントが突き抜ける形で破損。これによりヌービルはデイリタイアを余儀なくされました。彼は最終日のデイ4には出走し、最終ステージでトップタイムをマークしてボーナスポイント5点を獲得。ポイントランキングトップは堅守しました。

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セバスチャン・オジェは、山岳ステージが始まるや、1番手走者であるヌービルが巻き上げた砂ぼこりによって十分な視界を確保できないという問題に直面。それでもデイ2を終えたところで首位ヌービルにわずか0.3秒差の2位につけていました。そしてデイ3最初のSS8でヌービルがアクシデントに見舞われたことにより首位に浮上します。ところが、続くSS9でオジェはサスペンションとステアリングアームを破損させて後退。そこから激しい追い上げを敢行しますが、SS11で今度はコースアウトを喫してスタックし、脱出することができずデイリタイアを喫することに。そして、再出走した最終日のデイ4では総合12位から10位にまでポジションアップを果たすという波乱万丈の一戦となりました。

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SS8でヌービル、SS9でオジェが後退し、代わってトップに立ったアンドレアス・ミケルセンもSS11で駆動系の問題に直面。これでオット・タナクは一躍ラリーリーダーとなり、そのまま逃げ切って望外の勝利を手にすることになりました。今大会を終えた時点でのドライバー選手権では、ヌービルが引き続き首位を走るものの、13ポイント差のランキング2位に今季4勝目を今回挙げたタナクが繰り上がり、オジェはヌービルと23ポイント差、タナクとは10ポイント差のランキング3位に後退。そして今シーズンのWRCも残るは3戦に。

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ヤリ‐マティ・ラトバラは、岩でダメージを負ったことによるタイヤのパンクや油圧系のトラブルなどにデイ3で見舞われ、タナクとの間には約13秒の差がついた状態で最終日のデイ4に臨みました。このデイ4には4本/合計34.98kmのステージが用意されているのみであり、ラトバラはチームメイト同士で争うことによる共倒れを避け、ハイペースながらも決して無理はしない走りに徹して2位でフィニッシュ。トヨタのマニュファクチャラー選手権首位浮上に貢献しました。。

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3位に入ったのは今季5戦目のWRC出場となったヒュンダイのヘイデン・パッドンでした。ヌービルとミケルセンというチームメイトふたりが後退したことに押し上げられての3位であることには複雑な表情を見せていましたが、昨年の最終戦ラリー・オーストラリアでの3位以来となる表彰台でのシャンパンファイトを楽しみました。

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SS4までを終えた時点では、クレイグ・ブリーンが2位、マッズ・オストベルグが3位と好位置につけていたシトロエン勢。しかし、オストベルグはSS6でサスペンション破損によりデイリタイアを喫し、最終的には総合23位でのフィニッシュという結果に。そしてブリーンに至っては、SS11を終えたところで車両火災に見舞われ、C3WRCは完全に焼け落ちてしまうという散々な一戦となりました。

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今大会は今シーズンのWRCイベントの中で最も荒れた路面のもとで行われたラリーでした。ワールドラリーカーに乗るミシュラン・パートナーチームの 各クルーは、ハードコンパウンドのMICHELIN LTX Force H4をメインの選択肢としつつ、各々が攻めどころと捉えたところでミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6を投入。そうした中で何台ものラリーカーがラフな路面の餌食となっていきましたが、ミシュランタイヤは極めて高い耐久性と信頼性を発揮し、タイヤに起 因する問題を一切起こすことなく各クルーの戦いを支えました。

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