WRC 2019 ROUND 2
SWEDEN
■2月14日〜17日
■開催国:スウェーデン(一部ノルウェー)
■ステージ路面:雪/氷
今季唯一の全面スノーラリー
トヨタのタナックが独走で制す
今シーズンのWRCにおける唯一のオールスノーラリーとして開催されたラリー・スウェーデンは、その前半ではトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラとMスポーツ・フォードのティーム・スンニネンが代わる代わる首位を走りましたが相次いでコースアウトを喫してともに大幅に後退。開幕戦ラリー・モンテカルロ優勝の6年連続王者セバスチャン・オジエもコースアウトにより総合29位に終わるなど、何人ものトップドライバーが足元をすくわれる展開となりました。そうした中、速さと安定性を兼ね備えた走りを終始見せたトヨタのオィット・タナックが2位に1分近い大差をつけて優勝。彼にとってもトヨタにとっても今季初となる勝利を飾りました。
ハイライト
Highlights - 2019 WRC Rally Sweden - Michelin Motorsport
Highlights
Leg 1 - Top Moment - 2019 WRC Rally Sweden - Michelin Motorsport
Leg 1
Leg 2 - Top Moment - 2019 WRC Rally Sweden - Michelin Motorsport
Leg 2
Shakedown - 2019 WRC Rally Sweden - Michelin Motorsport
Shakedown
ギャラリー
ラリー・スウェーデン総合優勝
オィット・タナック(トヨタ・ヤリス WRC)
今回のラリー・スウェーデンは、当地としては温暖な気候に見舞われ、数多くのスペシャルステージにおいて、路面を覆っている雪や氷が溶け出し地表のグラベルが露出した状態が出現しました。そこで不意にグリップを失ってコースアウトを喫するドライバーが続出した中、タナックは熱くなりすぎず、それでいて十分以上に速いペースで安定的に走行。後続に大差をつけ、今季初優勝、そしてスウェーデンでは初めての勝利を挙げました。
今大会は、タイヤのトレッド面にスタッド(スパイク)を打ち込んだスタッドタイヤのみが使用できるイベントとして開催されました。この一戦にミシュランは、パートナーチームのワールドラリーカー各車にWRC専用スタッドタイヤ MICHELIN X-Ice North 3(195/65-15)を供給。タイヤ1本につき、長さ20mm、トレッド面からの突き出し量が6.5mmのスタッドが384本装着されたもので、ワールドラリーカー各車はこのタイヤをラリー本番中には24本まで使用できるという規則のもとで競技が行われました。
終始冷静に今大会を戦ったタナック。それでも、全部で19本あったスペシャルステージのうち6本でトップタイムをマーク。グラベルが露出して危険度が上がったスペシャルステージでは“ほどほど”のアタックにとどめながら、それでも3番手程度のタイムで走ってしまうという好調さで快勝を手に。キャリア初のポイントリーダーとなりました。
トヨタで戦った昨年は3度の3位が最上位だったシトロエンのエサペッカ・ラッピ。今大会では、当初はタイムが今ひとつ伸びないことに悩んでいましたが、コンディションに慣れるにつれペースアップ。ラリー後半では安定的に上位タイムを並べて2位表彰台に上り、シトロエンに加入して2戦目にして昨年を上回る結果を出しました。
Mスポーツ・フォードのティーム・スンニネンは、2本のスペシャルステージでトップタイムを出すなどの快走を見せ、SS6を終えたところでキャリア初のラリーリーダーに。しかし、SS10でコースアウトを喫して勝機を逃しました。一方、チームメイトのエルフィン・エバンスは尻上がりにペースを上げていき、5位でフィニッシュ。Mスポーツ・フォードとしては内容的にはまずまずの一戦となりました。
2000年および2002年にWRCチャンピオンに輝いたマーカス・グロンホルムがトヨタ・ヤリス WRCを駆って今大会に登場。実に9年ぶりのWRC出場で、何度もスピンやコースアウトを喫して総合38位でのフィニッシュに終わりましたが、2台同時スタートのSS1では一緒に走行したかつてのライバルのセバスチャン・ローブを下すなど、健在ぶりは随所で披露しました。
温暖な気候に見舞われたため、かなりの区間において、路面を覆う雪や氷が溶けてグラベルがむき出しになってしまいました。そうなると、パフォーマンスの面でも、スタッドの耐久性の面でも、スタッドタイヤは厳しい試練にさらされることになりますが、MICHELIN X-Ice North 3は重大な問題を出すことなく各クルーの戦いを支え抜きました。