WRC 2019 ROUND 3
MEXICO
■3月7日〜10日
■開催国:メキシコ
■ステージ路面:グラベル
ミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6が活躍
オジエがライバルたちを寄せ付けず今季2勝目をマーク
今シーズンのWRCで初のグラベルイベントとして開催されたラリー・メキシコは、気温は30℃、路面温度は40℃を超える状況が多々発生する過酷なコンディションのもとで開催されました。この一戦にミシュランは、ハードコンパウンドのMICHELIN LTX Force H4と、昨年8月のラリー・フィンランドでデビューさせたミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6を用意。このM6が各コースの2度目の走行において効果的に機能し、ミシュランタイヤを使用するワールドラリーカー各車の戦いを力強く支えました。ラリーは、シトロエンのセバスチャン・オジエが序盤のうちに首位に立ち、ライバルたちを寄せ付けずに圧勝。今季2勝目を挙げました。
ハイライト
Highlights - 2019 Rally Mexico - Michelin Motorsport
Highlights
Leg 1 - Top Moment - 2019 WRC Rally Mexico - Michelin Motorsport
Leg 1
Leg 2 - Top Moment - 2019 WRC Rally Mexico - Michelin Motorsport
Leg 2
Shakedown - 2019 WRC Rally Mexico - Michelin Motorsport
Shakedown
ギャラリー
ラリー・メキシコ総合優勝
セバスチャン・オジエ(シトロエン C3 WRC)
シトロエン C3 WRCでグラベルラリーに臨むのはこれが初めてであったオジエでしたが、全部で21本行われたスペシャルステージのうち6本でトップタイムを奪い、SS5以降は終始首位を快走。上位5名にはボーナスポイントが加算される最終ステージも制して優勝を飾り、マキシマムの30ポイントを獲得。前戦ラリー・スウェーデンではコースアウトによりノーポイントに終わったミスをすかさず取り返しました。
首都メキシコシティから北西へ約400km行ったところにあるレオンがホストタウンを務めるラリー・メキシコですが、そのセレモニアルスタートは隣町である古都グアナファトで開催されました。スタート後、各車はユネスコ世界遺産に認定されている銀鉱山跡の地下トンネルを使った1.14kmのスーパースペシャルステージに挑む、という趣向でした。
ラリー・メキシコの特徴のひとつは開催地の標高の高さで、スペシャルステージの標高は軒並み2000m以上。気圧が低いため空気が薄く、エンジン出力や冷却効率の低下という問題への対応が強く求められる一戦です。その中でもとりわけ標高が高く、最高地点では2737mに達するSS2を制してラリーリーダーとなったのはヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンでした。彼はSS4終了時まで首位を走り続けましたが、SS5でサスペンションを破損させてリタイアとなりました。
ラリー・メキシコで通算5度目となる勝利を飾ったオジエ(写真右)とコ・ドライバーのジュリアン・イングラシア。SS5でのミケルセンのリタイアにより首位に繰り上がった彼らでしたが、その後もアグレッシブに攻めていった結果、パンクを喫する場面もありました。しかし、幸運にも恵まれて決定的な遅れを抱えることなく切り抜け、ラリー後半は独走状態をキープして快勝を収め、ポイントランキング2位に再浮上しました。
トヨタのオィット・タナックはポイントリーダーとして今大会を迎え、規則によりデイ1とデイ2を1番手で走行。グラベルラリーで付き物の路面掃除役のハンディを抱えましたが、路面の砂利が掃けた各コース2度目の走行ではすかさず逆襲。計6本のスペシャルステージでトップタイムを叩き出し、状況からすると最良の結果といえる2位をもぎ取ってポイントランキング首位を堅守しました。
フォード・フィエスタ WRCを駆るエルフィン・エバンスは、果敢に攻めながらも破綻を来さないドライビングを貫き、ラリーを通じて上位タイムをコンスタントに並べ続けたすえに3位でフィニッシュ。Mスポーツ・フォードに今季初の表彰台をもたらしました。
タイヤへの攻撃性が高く、そのうえ路面温度も高いラリー・メキシコにミシュランはハードコンパウンドのMICHELIN LTX Force H4とミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6を投入。多用されたのはH4でしたが、各クルーが勝負どころと見た場面で使われたのはM6でした。いずれのタイヤも、高い耐摩耗性を備えながら幅広い温度レンジで高いパフォーマンスを発揮し、ミシュランパートナー各チームの期待に応えました。