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WRC 2019  ROUND 8
ITALIA

■6月13日〜16日
■開催国:イタリア
■ステージ路面:グラベル

首位独走のトヨタのタナックに最終ステージでトラブル
ヒュンダイのダニエル・ソルドがWRC通算2勝目を手に

2019年WRC第8戦ラリー・イタリア・サルディニアが開催され、中盤以降は首位を突っ走ったトヨタのオィット・タナックが最終ステージでステアリング系のトラブルに襲われ、スピンを喫して大きくタイムロス。今大会を終始好調に戦ったヒュンダイのダニエル・ソルドが逆転で約6年ぶりとなる優勝を飾り、WRC通算2勝目を挙げました。2位にはMスポーツ・フォードのティーム・スンニネンが入ってWRC自己ベストリザルトを更新しました。

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ギャラリー

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ラリー・イタリア・サルディニア総合優勝
ダニエル・ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)

今季5戦目のWRC出場であったソルドは、有利な路面条件で走ることができたこともあって序盤から上位を走行。デイ2半ばのSS6を終えたところで首位に立ちました。その後、トヨタのオィット・タナックの追い上げに遭って2位に後退しましたが、好調な走りは持続。するとタナックがトラブルに襲われたことにより最終ステージでの逆転に成功し、2013年ラリー・ドイツで挙げた初勝利以来となるWRCでの優勝を手にしました。

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WRCのイタリア大会は今年も地中海に浮かぶイタリア領サルディニア島が舞台。スペシャルステージは柔らかな土や砂利が堆積したグラベルロードに設けられ、ヨーロッパ屈指のリゾートアイランドの風光明媚な光景とは裏腹の、砂埃や土埃にまみれた一戦に。強い日差しに照らされたラリーカーの車内の温度はどうしても高くなるため、クルーにとってはタフな戦いが待ち受けていました。

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ポイントリーダーとして今大会を迎え、デイ1とデイ2は路面掃除役の大きなハンディを負ったシトロエンのセバスチャン・オジエ。やはり苦戦を強いられ、9位で迎えたSS5では岩でサスペンションを破損。デイリタイアを余儀なくされ、最終成績は総合41位で終わりました。ただし、ボーナスポイントが与えられる最終ステージでは2番手タイムをマークし、貴重な4ポイントを獲得しました。

 

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トヨタのタナックはデイ3に行われた6本のステージすべてでトップタイムを叩き出すという素晴らしいスピードを見せ、SS12を終えたところで首位に立ちました。その後もハイペースで走って独走状態としましたが、最終ステージでステアリング系のトラブルに見舞われ、そのためにスピンを喫して大きくタイムロス。手にしかけていた勝利を逃して5位でのフィニッシュとなりました。

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タナックの不運という後押しがあったとはいえ、ソルドはミスを犯すことなく好調に今回のラリーを戦い抜いたからこそ勝利を引き寄せました。そして表彰式の後は、このラリー・サルディニアでは恒例となっている港の海へのダイブを決め、約6年ぶりとなった勝利の喜びを爆発させました。

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2位に入ったのはMスポーツ・フォードのティーム・スンニネンでした。ワールドラリーカーでシリーズ参戦するのは2年目であるこの25歳のフィンランド人ドライバーは今大会からコ・ドライバーを変更し、ミッコ・ヒルボネンの相棒として知られたヤルモ・レーティネンとのコンビに。ベテランのナビゲートの効果は早速表れ、自己ベストリザルトの更新に成功しました。

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今回が今季6戦目のWRC出場であったヒュンダイのアンドレアス・ミケルセン。ラリー最終日の4本のステージではそれらすべてでトップタイムを叩き出してみせ、競り合っていたライバルを0.9秒差でかわすことに成功します。さらに、タナックの後退があったことでポジションは最後の最後で3位に上がり、第5戦ラリー・アルゼンチンでの2位に続く今季2度目の表彰台に上りました。

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Mスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスはヒュンダイのミケルセンと秒差を争うバトルを延々と繰り広げました。最終日にスパートしてきたミケルセンにはわずかに及ばない結果となりましたが、タナックの最終ステージでの後退でひとつ順位が繰り上がって4位でフィニッシュし、ポイントランキング4位を堅守しました。

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主にグループR5カテゴリーのラリーカーに乗るクルーで争われるWRC2選手権には、自動車メーカー直系チームから出場のクルーを対象としたWRC2プロクラスが今年から設けられました。そして今大会の同クラスを制したのはシュコダワークスから出場の18歳のカッレ・ロバンペラ。チームメイトであるベテランのヤン・コペツキーを下して同クラス3連勝を飾りました。

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ミシュランはグラベルラリー用WRC公式タイヤ MICHELIN LTX ForceのH4(ハードコンパウンド)とM6(ミディアムコンパウンド)をワールドラリーカー用に持ち込みました。各クルーは車両装着4本+スペア1〜2本のタイヤで各スペシャルステージを走りますが、このH4とM6という2種類のタイヤをどういう割合にして臨むかの判断が難しかったところで、特に各コース1回目の走行ではグリップの高いM6をうまく使うことがカギを握っていました。

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