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WRC 2019  ROUND 9
FINLAND

■8月1日〜4日
■開催国:フィンランド
■ステージ路面:グラベル(一部アスファルト)

トヨタのタナックがフィンランドで2年連続優勝
今季4勝目を挙げて選手権リードを拡大

2019年のWRCでは6戦目のグラベルイベントであったシリーズ第9戦ラリー・フィンランドが開催され、トヨタのオィット・タナックが見事な速さと強さを披露して勝利。今季4勝目をマークし、ドライバー選手権におけるリードを大きく広げることに成功しました。なお、今年のラリー・フィンランドは気温/路面温度が例年より低いコンディションのもとでの開催となり、ミディアムコンパウンドのグラベル用WRC公式タイヤ MICHELIN LTX Force M6がその能力を大いに発揮した一戦となりました。

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ハイライト

ギャラリー

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ラリー・フィンランド総合優勝
オィット・タナック(トヨタ・ヤリス WRC)

タナックの出身はフィンランドの隣国エストニア。比較的スムーズな路面のグラベルロードは彼の国にも多く、そうした道を走り込んで腕を磨いてきたタナックにすれば、このラリー・フィンランドの走行環境は慣れ親しんだものと言えます。そして今大会においてもタナックは、林道ステージ2日目のデイ3に入って出走順のハンディから解放されるや早々にラリーリーダーとなり、上位タイムを安定的に並べて首位を快走。自身にとってもトヨタにとっても2年連続となるラリー・フィンランド制覇を成し遂げました。

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ラリー・フィンランドはWRC随一のハイスピードイベントとして知られ、針葉樹の森に切り拓かれた未舗装のグラベルロードにおいてトップカテゴリーのワールドラリーカーはところによって200km/hを超える速度を出しながら疾走します。それだけに、タイヤから正確なインフォメーションを得られることがひときわ強く求められるラリーでもあります。

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今年のラリー・フィンランドは例年より気温/路面温度が低く、日中の最高気温は20℃に達せず、朝一番の気温が最も低かったときの温度はわずか6℃というコンディションのもとでの開催でした。そのため、ワールドラリーカーで戦うミシュランユーザーのメインチョイスは必然的に柔らかめの選択肢であるミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6となりました。

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林道ステージ1日目のデイ2で大いに気を吐いたのはトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラでした。ランキング10位で今大会を迎えたため出走順に恵まれたことも手伝って、ラトバラはデイ2に行われた10本のスペシャルステージのうち6本でトップタイムをマークしてラリーをリード。それでもこの日を終えた時点での彼の後続に対するリードは1.2秒でしかなく、上位4名がわずか2.6秒差の中にひしめくという激戦模様でした。

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デイ3に入ると路面掃除役のハンディから解放されたトヨタのタナックがペースを上げ、それに反応した他のドライバーたちもペースアップ。すると、タナックと競り合っていたチームメイトのふたりがこの日3本目のステージであったSS14で相次いでミスを犯し、クリス・ミークは左リアサスペンションを岩にぶつけて破損させデイリタイアに、ラトバラもミークと同じ岩にヒットしてタイヤのエアを失ってタイムロス。これで一躍タナックの独走状態となりました。

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SS14を終えたところで単独の首位に立った後も、タナックはずば抜けた速さと安定性を高次元で両立させたドライビングを続けてリードを拡大。ボーナスポイントが加算される最終ステージでも最速タイムを叩き出し、今大会のマキシマムポイント25点を獲得。ドライバー選手権で2位に続くシトロエンのセバスチャン・オジエとの差を一気に22ポイントにまで広げ、シーズン後半におけるチャンピオン争いの主導権を握りました。

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今年からシトロエンで戦っているエサペッカ・ラッピですが、過去5戦のグラベルイベントにおける内容は自他ともに満足できるものではありませんでした。しかし、母国イベントである今大会での彼はまさに水を得た魚のように意欲的なドライビングを展開。愛機シトロエン C3 WRCもよく応え、ラリー後半におけるトヨタのラトバラとのバトルを制して2位でフィニッシュしてみせました。

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SS14でミスを犯して勝利の可能性を失ったラトバラでしたが、気持ちを立て直してラリー後半をステディに戦いました。最後はラッピとのバトルとなり、同胞の後輩ドライバーには負けたくない心理を覗かせもしましたが、ラトバラはそれを抑え込んで確実にフィニッシュする走りに専念。結果、今季10戦目にしてシーズン初となる表彰台を獲得し、トヨタの1-3フィニッシュに貢献しました。

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今季7戦目のWRC出場となったヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンは、今大会の優勝争いに絡むことはありませんでしたが、3本のステージで最速タイムを記録するなど存在感を発揮。3台が出場したヒュンダイ勢で最上位となる4位でフィニッシュし、ポイントランキングでも5位にまで浮上してきました。

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それまではソフトとハードの2本立てであったグラベル用WRC公式タイヤ MICHELIN LTX Forceに中間のミディアムコンパウンドであるM6をミシュランが新たに設定して投入したのが2018年のラリー・フィンランドでした。デビューから1年が経ち、今回、再びフィンランドを走ったM6は、朝一番の10℃を下回る低さからお昼どきの20℃近くまでの幅広い温度レンジに対応。トレッドブロックが写真のように摩滅した状態になるまでドライバーたちの高度な要求と期待に応え続けました。

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