MOTOGP 2022 ROUND 1
QATAR
■予選:3月5日/決勝:3月6日
■開催地:ロサイル・インターナショナルサーキット(カタール)
■レース周回数:22周(118.36 km)
全車ミシュランタイヤ使用の7シーズン目のMotoGPが開幕
グレシーニ・ドゥカティのバスティアニーニが初優勝
ミシュランが単独の公式タイヤサプライヤーを務める二輪ロードレースの世界最高峰シリーズ、MotoGP世界選手権の2022年シーズン開幕戦カタールGPが開催され、今シーズンからドゥカティのマシンを使用するGresini Racing MotoGPから出場したエネア・バスティアニーニがキャリア初優勝を飾りました。他のライダーたちと等しくMICHELIN Power Slickを履いたこの24歳のイタリア人ライダーは、決勝レースにおける最速ラップタイムと優勝レースタイムの従来記録をともに塗り替え、ワンメイクの条件でもミシュランがMotoGP公式タイヤの開発に励み性能向上を果たし続けていることを鮮やかに示しました。
カタールGP優勝
エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・デスモセディッチGP21)
125ccクラスで2度世界チャンピオンに輝いたチームの創設者ファウスト・グレシーニが新型コロナウイルス感染症のため昨年他界したグレシーニ・レーシングは、今シーズンからマシンをドゥカティにスイッチ。そしてドゥカティの別なサテライトチームから移籍してきたバスティアニーニが、チーム加入後の初戦でMotoGP初優勝を飾りました。それはグレシーニ・レーシングにとってもMotoGPクラスで初めての勝利でした。
MotoGP公式タイヤサプライヤーとなって7シーズン目を迎えたミシュランは、各ライダーに用意するスリックタイヤの総数を前年シーズンまでの30本から28本に削減しました。その内訳は、フロント用が15本、リア用が13本。ただし、各ライダーがレースウィーク中に実際に使用できるのは、フロント用は10本まで、リア用は12本までとなります。
この2022年シーズンに備えての公式テストは2月にマレーシアのセパン・サーキットとインドネシアのマンダリカ・サーキットで行われました。後者は昨年オープンしたばかりの新しいサーキットで、今回のテストはミシュランにとってもコースデータ収集のための非常に貴重な機会でした(写真はマンダリカでの公式テストでのもの)。
コロナ禍の影響を依然として強く受けながらも今シーズンのMotoGPは異なる21カ所のサーキットでレースを開催するスケジュールを予定しています。これを無事遂行するためにミシュランは、MotoGP公式タイヤを製造し、現地へ輸送し、各チームに供給するというミッションを、感染症拡大抑制のための最大級の注意を払いながら行っていきます。
今シーズン唯一のナイトレースとして開催された今大会。日没後の午後6時に開始される予選と決勝レースでは、日中に行われるフリープラクティスに対して路面温度が大幅に下がりますが、こうしたコンディション変化にMICHELIN Power Slickはソフト、ミディアム、ハードの3種類によって存分に対応しました。
予選最速はドゥカティのサテライトチームであるPramac Racingのホルヘ・マルティンでした。これで昨シーズンの第13戦アラゴンGPから7戦連続でドゥカティ勢がポールポジション。また、今回は上位4台のうち3台がドゥカティ勢という予選結果となり、彼らの速さが今シーズンも猛威を振るうであろうことを予感させました。
決勝は前日の予選とは様相が少し異なるものとなり、ホンダのワークスチームであるRepsol Honda Teamの#44 ポル・エスパルガロが1周目でトップに立つとレースを引っ張り続けました。そして、KTM、ホンダ、スズキ、ドゥカティといった様々なマシンに乗るライダーたちが激しいつばぜり合いを繰り広げる展開となりました。
予選で上位を占めたドゥカティ勢は決勝レースでは概して振るわず。例外はバスティアニーニで、7周目に3位、13周目には2位に浮上。17周目に最速ラップを叩き出すと、その翌周にはエスパルガロをかわしてトップに。優れたマネージメントで温存したタイヤ性能を使ってライバルの追撃を寄せ付けず、見事な初優勝を飾りました。
予選は7位だったKTMの#33 ブラッド・ビンダーは、決勝レースでは上位を走り続け、優勝まであと一歩の2位となりました。オフシーズン中に目の手術を受けたホンダの#93 マルク・マルケスは、レースが進むにつれ順位を落としましたがそれでも5位に踏みとどまってフィニッシュし、元王者の完全復活に期待を持たせる戦いを見せました。
2022年シーズンのMotoGPでも初戦から、最速ラップタイムの新記録と、従来記録を10秒以上も短縮した優勝レースタイムの樹立という大きな成果が挙げられました。また、決勝のトップ6には5社もの異なるメーカーのマシンが入っており、ミシュランのMotoGP公式タイヤがどのバイクにおいてもハイパフォーマンスを確実に発揮することが今大会においても示されました。