
MOTOGP 2024 ROUND 11
AUSTRIA
■予選:8月17日/決勝:8月18日
■開催地:レッドブルリンク(オーストリア)
■レース周回数:28周(121.744 km)
高荷重の試練にミシュランタイヤが見事に対応
バニャイアが7勝目を挙げ、重要記録のすべてが更新される
出場全車がミシュランタイヤを使用して行われている二輪ロードレースの最高峰シリーズ MotoGP世界選手権の2024年シーズン第11戦オーストリアGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが土曜日のスプリントレースで独走優勝を決めると、日曜日のグランプリレース(決勝レース)も制覇。今シーズンで7度目となるグランプリレース優勝を飾りました。
今大会が行われたレッドブルリンクはタイヤにかかる荷重が非常に高いサーキットです。そこでミシュランは、ドライコンディション用のMICHELIN Power Slickについては、ソフト、ミディアム、ハードという3種類のフロントタイヤのコンパウンドをすべて通常コース用より硬めとし、リヤタイヤにはこのレッドブルリンク専用に構造を強化したものを用意して臨みました。その結果、当該サーキットにおけるMotoGPマシンでの史上最速ラップタイム(オールタイムラップレコード)と最高速度、グランプリレース中のファステストラップ、そしてレッドブルリンクを28周して行われるグランプリレースの所要時間という重要記録のすべてが更新され、ミシュランの努力は大いに報われる結果となりました。

オーストリアGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
前年大会に続いてオーストリアGPのスプリントレースとグランプリレースの双方を制したバニャイア。14周で行われるスプリントレースでは約2秒、28周で行われるグランプリレースでは約12秒もの所要時間短縮を果たしたほか、グランプリレース中のファステストラップの新記録も樹立。ミシュランタイヤのパフォーマンスと安定性、そして自分自身の速さと強さを存分に見せつけました。

レッドブルリンクは1周のうちに65メートルもの高低差をこなし、激しいブレーキングと加速を繰り返すサーキットです。ミシュランはこのコース専用の構造強化型リヤタイヤを用意しましたが、その安定的なグリップ性能は各ライダーから極めて高く評価されました。

今シーズンのチャンピオン争いの主役である#1 バニャイアと#69 ホルヘ・マルティン。今大会ではスプリントレースでもグランプリレースでもこのふたりが優勝をかけて激突しましたが、どちらのレースにおいても軍配はバニャイアに上がる結果となりました。

グランプリレースの表彰台。写真左から、2位のマルティン、優勝のバニャイア、3位のエネア・バスティアニーニ。ライダー選手権ではバニャイアがマルティンを逆転してランキング首位に再浮上。ただし5点差にすぎず、シーズンはまだ9戦を残しています。

タイヤにひときわ高い荷重がかかるコース特性に対応してミシュランが用意した強化型タイヤは狙いどおりに機能。グランプリレースの優勝タイムやファステストラップの従来記録が更新され、ミシュランが行った仕事にライダーたちから称賛が寄せられました。

今大会では電動バイクレース MotoEの2レースも開催され、第13戦ではAxxis-MSIのオスカー・グエティレスが、第14戦(写真)ではDynavolt Intact GP MotoEの#4 ヘクトール・ガルゾが優勝しました。2大会後のサンマリノGPが今季MotoEの最終決戦となります。

今大会のMotoEでは、昨年大会で記録されたMotoEのコースレコードを上回るペースで各ライダーが走行。フロントタイヤに49%、リヤタイヤに53%もの高い割合でサステナブル材料を使用したミシュランのMotoE公式タイヤの目覚ましい進化が印象づけられました。