
MOTOGP 2020 ROUND 12
TERUEL
■予選:10月24日/決勝:10月25日
■開催地:モーターランド・アラゴン(スペイン)
■レース周回数:23周(116.771 km)
2週連続のアラゴン戦で優勝タイムは先週より約7秒短縮
ペトロナス・ヤマハのモルビデッリが今季2勝目を飾る
先週のアラゴンGPに続いてモーターランド・アラゴンを舞台としたMotoGP第12戦は、サーキットのあるテルエル州の名を冠した大会名で開催され、ペトロナス・ヤマハ SRTのフランコ・モルビデッリが会心の内容のレースを戦って今季2勝目をマークしました。今大会は先週のアラゴンGPよりずっと温暖な天候に恵まれ、モルビデッリは決勝レース中の最速ラップの記録を塗り替えたほか、前戦の優勝タイムより約7秒も速いレースタイムでフィニッシュ。ミシュランのMotoGP公式タイヤ MICHELIN Power Slickがその性能を遺憾なく発揮できた一戦となりました。

テルエルGP
フランコ・モルビデッリ(ヤマハ YZR-M1)
1周目でトップに立つと、その後は一度もポジションを脅かされることなくフィニッシュしてみせたモルビデッリ。第7戦サンマリノGPに続く今季2勝目を飾り、「ミシュランタイヤの反応がとても良くて、今日のコースにおいて素晴らしいフィーリングを得ながら走ることができた」と語りました。

モーターランド・アラゴンは反時計回りのサーキットで、10の左コーナーと7つの右コーナー、そして全長1kmを超えるストレートを持ちます。ミシュランはスリックタイヤ MICHELIN Power Slickに関しては、ソフトとミディアムのフロントタイヤとソフトとハードのリアタイヤは左右対称設計、ハードのフロントタイヤとミディアムのリアタイヤは左側ショルダー部をより硬めにした左右非対称設計として備えていました。

ポールポジションを奪ったのはLCR Honda IDEMITSUの中上貴晶でした。MotoGP唯一の日本人ライダーである中上は、ダイレクト進出を決めたQ2(予選第2セッション)の終盤にトップタイムをマーク。これを更新するライダーは現れず、中上がMotoGPキャリア初のポールポジションを獲得しました。MotoGPクラスでの日本人ライダーのポール獲得は2004年以来16年ぶりのことでした。

ポールポジションからスタートしたNo.30 中上は好ダッシュを決めてホールショットを奪いましたが、その直後の第5コーナーで転倒を喫してしまいました。これで首位にはNo.21 モルビデッリが立ち、スズキのNo.42 アレックス・リンスらが続きましたが、モルビデッリは後続を寄せ付けることなくレースリーダーとして走り続けてMotoGPキャリア通算2勝目をもぎ取りました。

2位にはアレックス・リンス(写真右)、3位にはホアン・ミル(写真左)が入って、スズキ勢が2戦連続でそろって表彰台に上ることに。リンスは、モルビデッリの前には一度も出られませんでしたが、他のライダーに先行されることもなく走り切りました。また、ミルは12番手グリッドから大きく追い上げての3位で、チャンピオン争いにおけるリードを15ポイントに広げました。

前戦では奮わなかったKTM勢ですが、同じサーキットで翌週に続けて行われた今大会では、4位にKTMワークスのポル・エスパルガロ(写真右)、6位にKTM・テック3のミゲール・オリベイラが入るという巻き返しを見せました。また、彼らの間の5位にはドゥカティのサテライトチームから出場のジョアン・ザルコが入り、現在のMotoGPの群雄割拠ぶりを示すような結果となりました。

先週のアラゴンGPは同時期の同地としてはかなり低い気温&路面温度での開催でしたが、今大会はミシュランが想定していたとおりのコンディションで迎え、MICHELIN Power Slickがその性能を存分に発揮。優勝したモルビデッリは決勝レース中の最速ラップの新記録をマークし、そして前戦の優勝タイムより約7秒も速いレースタイムで駆け抜けました。