
MOTOGP 2022 ROUND 13
AUSTRIA
■予選:8月20日/決勝:8月21日
■開催地:レッドブルリンク(オーストリア)
■レース周回数:28周(120.744 km)
ドゥカティのバニャイアが今季5勝目をマーク
電動バイクレースMotoEのシーズンは大詰めに
出場全車がミシュランの公式タイヤを使用して行われているMotoGPの2022年シーズン第13戦オーストリアGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアがスタートから終始トップを走って優勝。第11戦オランダGPからの3連勝を果たすと同時に、今季5勝目を飾りました。また、今大会では電動バイクの世界最高峰レースシリーズであるFIM Enel MotoE World Cupの第9戦と第10戦も開催され、両レースともにLCR E-Teamのエリク・グラナドが優勝。シリーズは、Dynavolt Intact GPのドミニク・エガータがタイトルに王手をかけた状態で、残り1戦となりました。

オーストリアGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP22)
決勝レースのオープニングラップ。スタートでホールショットを奪った#63 バニャイアを先頭に、ポールシッターの#23 エネア・バスティアニーニ、#43 ジャック・ミラー、#89 ホルヘ・マルティン、#20 ファビオ・クアルタラロ、#12 マーベリック・ビニャーレス、少し離れて#10 ルカ・マリーニ。このトップ7のうち6名のライダーのマシンはすべてイタリア製でした。

レッドブルリンクは、わずかに左へターンする程度だった高速の第2コーナーを、クランク状のシケインに改修。安全性が高められました。今大会はその新しいコースレイアウトで初めて行われたMotoGPレースでしたが、FP2では0.9秒のタイム差の中に19名ものライダーがひしめく白熱ぶりとなりました。

FP3でPrima Pramac Racingのジョアン・ザルコがトップタイムとなる1'28.964を記録し、第2コーナー改修後の新レイアウトにおける指標を設定。するとQ2では、今季2勝を飾っているGresini Racing MotoGPバスティアニーニが1'28.772を叩き出し、MotoGPで初めてのポールポジションを獲得しました。

決勝では、出走25名のうち18名がフロントにハードを、5名がソフトを選択。リアには、やはり18名がミディアムを選びました。そしてトップ6でフィニッシュしたライダーは、フロントタイヤに関してはハードの者とソフトの者が半々となり、どちらのタイヤにも勝てるポテンシャルがあったことが示されました。

スタートでトップに立ったバニャイアは、タイヤをいたわりながらも速いという見事なライディングを終始披露。レース終盤にはヤマハのクアルタラロが追い上げてきましたが、寄せ付けず、今季5勝目を飾りました。クアルタラロも2位に入ったことにより、ポイントリーダーの座を堅守しました。

レッドブルリンクは特にリアタイヤに高い負荷がかかるコースですが、それに見事に対応した同サーキット専用のケーシングによって、今大会においても28周にわたるレースで高性能を安定的に発揮。ミシュランが掲げる「Performance made to last」のポリシーがまたしても実証されました。

フロント33%、リアタイヤに46%のサステナブル材料を使用したミシュランタイヤによって行われているMotoE。その第9戦と第10戦が今大会で併催され、LCR E-Teamの#51 エリク・グラナドが両レースで優勝。第10戦ではチームメイトの#71 ミクエル・ポンスが入って、LCR勢が強さを見せた大会となりました。