
MOTOGP 2021 ROUND 15
AMERICAS
■予選:10月2日/決勝:10月3日
■開催地:サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(アメリカ)
■レース周回数:20周(110.26 km)
タイヤに試練を課す要素満載のアメリカ戦で
マルケスが新記録のレースタイムで今季2勝目を飾る
ミシュランが公式タイヤを供給している二輪ロードレースの世界最高峰シリーズ MotoGPの2021年シーズン第15戦アメリカズGPが開催され、ホンダのワークスチームであるRepsol Honda Teamのマルク・マルケスが優勝、今季2勝目を飾りました。マルケスの優勝レースタイムは従来記録を4秒以上も更新するものでした。今大会が開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズは路面が非常にバンピーで、ライダー、マシン、そしてタイヤには過酷な試練が課されましたが、ミシュランタイヤはどのバイクメーカーのマシンにも偏ることなくハイパフォーマンスを安定的に発揮し続け、決勝レースのトップ4にはすべて異なるマシンに乗ったライダーが入る結果となりました。

アメリカズGP優勝
マルク・マルケス(ホンダ RC213V)
右腕を負傷して以降、本来の強さをなかなか取り戻せずにきていたマルケスでしたが、過去7回出場した中で6回も優勝を飾っているサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)ではライバルたちを圧倒。同サーキットを20周して争われるMotoGP決勝レースにおける従来の最速記録を4.064秒更新するレースタイムで走り切り、2位に4.679秒差をつけて独走優勝を果たしました。

本来のMotoGPのレーススケジュールでは、この週末にはツインリンクもてぎを舞台とする日本GPが行われることになっていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から中止となり、その代わりに催されたのが今回のアメリカズGPでした。MotoGPのアメリカ大会は昨年は行われておらず、2年ぶりの開催となりました。

COTAはコースの部分的な再舗装が2018年に行われましたが、古い舗装のままの区間との路面のグリップレベルの違いが大きく広がった状態でした。そこでミシュランは、MICHELIN Power Slickのリアタイヤを今回は4種類用意。それらは右側ショルダー部により硬いコンパウンドを採用した左右非対称設計仕様として備えました。

予選で3位につけフロントロウを得たマルケスは、決勝レースではスタートでホールショットを奪うとそのまま逃げを打つ彼の定番パターンを久々に展開。バンピーな路面が身体に強い負荷をかけてくるうえに、気温は33℃、路面温度は43℃という高さとなった中でも最後までハイペースで走り続け、会心の勝利を手にしました。

予選で2位を奪ったヤマハのファビオ・クアルタラロは、決勝レースではマルケスにこそ先行を許したものの、他のライバルたちはまったく寄せ付けないスピードで周回。前戦のサンマリノGPに続いて2位に入り、ランキングトップに立ち続けているライダー選手権におけるリードを52ポイントに拡大。残るは3レースとなりました。

予選で3戦連続のポールポジションを獲得したドゥカティワークスの#63 フランチェスコ・バニャイア。決勝では予選ほどの強さを出せず、レース終盤に入っても4位を走行していましたが、前を走っていたプラマック・ドゥカティの#89 ホルヘ・マルティンがミスを犯したところを突いて3位に浮上。3戦連続の表彰台登壇を果たしました。

バンピーな路面や高い路面温度などタイヤを痛めつける要素が多いうえに、路面のグリップレベルが次々に変化するコースを走り続けねばならないという、タイヤにとっては非常に難しいレースでしたが、優勝レースタイムの更新など、ミシュランタイヤの安定的なハイパフォーマンスと懐の深さが示されたアメリカ大会になりました。