
MOTOGP 2021 ROUND 17
ALGARVE
■予選:11月6日/決勝:11月7日
■開催地:アルガルベ・インターナショナル・サーキット(ポルトガル)
■レース周回数:23周(105.616 km)
コースレコード更新のバニャイアが今季3勝目
ドゥカティがコンストラクターズタイトルを手に
二輪ロードレースの世界最高峰シリーズであるMotoGPの2021年シーズン第17戦アルガルベGPが開催され、ドゥカティのワークスチームであるDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアがポールtoフィニッシュで今季3勝目をマークしました。アルガルベ・サーキットでは4月にもMotoGPポルトガルGPが行われており、その際に同サーキットにおけるMotoGPマシンの最速ラップタイム(オールタイム・ラップレコード)の新記録が打ち立てられていましたが、早速それが今大会の予選でバニャイアの手によって更新され、ミシュランの絶え間ない開発によるMotoGP公式タイヤの進化が示されました。また、今大会の結果、ドゥカティが今シーズンのコンストラクターズ(バイク製造者)タイトル獲得を決めました。

アルガルベGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP21)
オールタイム・ラップレコードによって今季6度目のポールポジションを獲得し、決勝レースにおいても5周目に最速ラップタイムを叩き出したバニャイアは、その圧倒的なスピードで今大会を席巻して今季3勝目をマークしました。また、チームメイトのジャック・ミラーが3位に入り、ドゥカティは次戦である最終戦を待たずに通算3度目となるMotoGPコンストラクターズタイトル獲得を確定させました。

アルガルベ・サーキットは「ローラーコースター」と称されるほど起伏に富むのが特徴で、とりわけ第1コーナーは難易度の高いポイント。ストレートエンドで下り勾配が急になりフロントの荷重が抜け気味になったところで、ハイスピードからのハードブレーキングを行ってコーナーに進入していくことに。フロントタイヤへの信頼が重要なところです。

ミシュランは4月のポルトガルGPで得たデータを踏まえ、先のレースでは左右非対称設計としていたハード仕様のフロントタイヤを左右対称設計に変更するなどして今大会に臨みました。結果的に決勝レースではすべてのライダーがフロントには左右対称設計のミディアム仕様を使用。一方、リアタイヤはミディアムとハードで選択が分かれました。

今大会はドゥカティ陣営の活躍が目立った一戦でした。予選では#63 バニャイアと#43 ミラーのドゥカティワークス勢が1位と2位を占め、決勝レースではバニャイアがトップを一度も譲ることなく優勝。3位にミラー、5位にプラマック・ドゥカティの#5 ジョアン・ザルコと続き、トップ10に5名のドゥカティライダーが入賞して強さを示しました。

予選では2位を奪ったミラーですが、決勝レースにおける走行ペースは優勝を狙えるほどのものではありませんでした。それでもLCR Honda CASTROLのアレックス・マルケスとのレース終盤の激しいバトルを制して3位に。ミラーは第7戦カタルニアGP以来となる表彰台に上り、ドゥカティの2年連続でのコンストラクターズタイトル獲得に貢献しました。

昨シーズンのチャンピオンであるTeam SUZUKI ECSTARのジョアン・ミルは、今大会では走り出しから速く、予選では3位を獲得。決勝レースでも、駿足のバニャイアに食い下がることができるスピードをただひとり見せたすえに2位でフィニッシュしました。そして今大会の結果、ミルは今シーズンのライダー選手権ランキング3位を確定させました。

大きな起伏によってタイヤには高い荷重が加わったり抜けたりすることが繰り返されるアルガルベですが、今大会は週末を通じて冷たい風が強く吹き続けたことで、タイヤの温度を適正に保つことが一層難しいコンディションでした。そうした中でミシュランのMotoGP公式タイヤは高性能を安定的に発揮。また、予選でのバニャイアによるオールタイム・ラップレコードの更新によってタイヤ性能そのものの高さも示されました。