
MOTOGP 2021 ROUND 18
VALENCIA
■予選:11月13日/決勝:11月14日
■開催地:サーキット・リカルド・トルモ(スペイン)
■レース周回数:27周(108.135 km)
ドゥカティのバニャイアが新記録レースタイムで今季4勝目
ミシュランは6年目のMotoGP公式タイヤ供給を完遂
出場全車がミシュランタイヤを使用して行われている二輪ロードレースの世界最高峰シリーズ MotoGPの2021年シーズン最終戦バレンシアGPが開催され、ドゥカティのワークスチームであるDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが決勝レース中のファステストラップとバレンシア・サーキットを27周するレースタイムの双方で従来記録を更新して優勝を飾り、今季4勝目を挙げてシーズンを締めくくりました。2016年からMotoGPにおいて唯一の公式タイヤサプライヤーを務めているミシュランは、新型コロナウイルス感染症が依然として様々な形で影響を及ぼした今シーズンにおいても、前年より確実にパフォーマンスを上げたタイヤを出場全車に供給し続け、速さの指標となる記録をいくつも更新。当社が掲げる「Performance made to last」というポリシーを実証しながら、6年目であったMotoGP公式タイヤサプライヤー業務を完遂しました。

前年に続いて新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2021年シーズンのMotoGPは、日本GPをはじめとするアジア・オセアニア地域でのレースが開催されず、全18戦のうち15戦がヨーロッパ圏内での実施になりました。ミシュランのMotoGP公式タイヤは各レースに合わせて専用設計されており、ミシュランの本拠地であるフランスのクレルモン・フェランにあるモータースポーツ用タイヤ製造工場でレースのたびに製造され、ヨーロッパラウンドであればトラックで開催サーキットへと運ばれます。今大会のレースウィークのはじめには、この1年だけで何十万kmという走行をこなしてきたトラックの洗車をミシュランのタイヤフィッターたちが行って、1年の労をねぎらっていました(※実際にはトラックの洗車は各レースで行われています)。

世界グランプリロードレースで通算9回のタイトル獲得を誇るバレンティーノ・ロッシとって、今大会はグランプリライダーとして臨む最後の一戦でした。サーキットには彼の歴代チャンピオンマシンが持ち込まれて引退レースに華を添えました。なお、ロッシの最高峰クラスでの7回のタイトル獲得のうち5回はミシュランタイヤを使用して果たされました。

昨年は無観客で行われたバレンシアGPでしたが、今回は決勝日だけで7万5000人の大観衆が見守る中での開催に。レースは、ポールポジションから出たプラマック・ドゥカティの#89 ホルヘ・マルティンがトップを走り、これにスタートでやや出遅れた#63 バニャイアが追いついていき、さらにスズキの#36 ジョアン・ミルらが続く形で進んでいきました。

16周目にマルティンをかわしてトップに立ったバニャイアは、ライバルを突き放すべくスパートをかけ、17周目には決勝レース中のファステストラップの新記録をマーク。やはり新記録となるレースタイムで走り切ったバニャイアは前戦に続いての2連勝を果たして今季4勝目を飾り、ライダーズランキング2位でMotoGPでの3シーズン目を終えました。

予選で今季4度目のポールポジションを獲得したマルティンは、レースの半分以上の周回でトップを走り、バニャイアにかわされた後も彼に食らいつき続けました。そしてバニャイアと同様に従来記録より5秒近くも速いレースタイムで走り切って2位に。MotoGP参戦1年目をランキング9位で終え、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

バレンティーノ・ロッシは432戦目であったグランプリレースを10位でフィニッシュ。その後方を走り続けた後輩のフランコ・モルビデッリに「バレが最後にさらにペースアップしてきたのには感銘を受けた」と言わしめる、二輪ロードレース史上最強の男たる由縁を見せつけて、26年に及んだグランプリライダーとしてのキャリアに終止符を打ちました。

今大会でも決勝レース中のファステストラップと優勝レースタイムの新記録が樹立され、「Performance made to last」というミシュランのポリシーが結果をもって明快に示されました。これで6年目のMotoGP公式タイヤサプライヤー業務は終わりましたが、今大会の翌週には来シーズンに向けた2日間の公式テストが行われ、ミシュランの歩みも休むことなく続きます。