
MOTOGP 2025 ROUND 3
AMERICAS
■予選:3月29日/決勝:3月30日
■開催地:サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(アメリカ)
■レース周回数:19周(104.747 km)
フランチェスコ・バニャイアが今季初優勝
マルク・マルケスがファステストラップ記録を更新
二輪ロードレースの最高峰 MotoGP世界選手権の2025年シーズン第3戦アメリカズGPの決勝レース(グランプリレース)は、スタート前に断続的な降雨の影響を強く受けることに。出場ライダー22名のうち19名がウェットコンディション用タイヤであるMICHELIN Power Rainを装着してスターティンググリッドに着きましたが、急速に乾いてきた路面状況に対応するため、Power Rainを選んでいた全ライダーがドライコンディション用のMICHELIN Power Slickを履いたスペアマシンにスイッチ。コースを事前に試走するサイティングラップが1周追加して行われ、これを受けてグランプリレースの周回数は当初の予定から1周少ない19周での開催となりました。
非常に目まぐるしい状況でスタートを迎えたグランプリレースを制したのはDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアで、今季初優勝を飾りました。また、彼のチームメイトであるマルク・マルケスは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのグランプリレースにおけるファステストラップ記録を更新。トリッキーな状況のもとでも高いパフォーマンスを安定的に発揮するミシュランタイヤの本領がまたも発揮された一戦となりました。

アメリカズGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
ドゥカティのワークスチームであるDucati Lenovo Teamに今年新たに加入したマルク・マルケスが、過去2戦では予選、スプリントレース、グランプリレースのすべてを制し、今大会においてもポールポジションを獲得。スプリントレースでも優勝を飾ると、グランプリレースでも序盤をリードしました。しかし9周目にスリップダウン。代わってトップに立ったのは同じDucati Lenovo Teamのバニャイアで、2022&2023年のMotoGPチャンピオンが今シーズンに入って初めての勝利を手にしました。

20カ所のコーナーを持つサーキット・オブ・ジ・アメリカズですが、そのうち6カ所が新たに舗装し直された状態で今大会を迎えました。新舗装は路面温度の上昇が早く、タイヤの摩耗を早めるという作用がありますが、ミシュランはこうした条件に対応するために新しいコンパウンドを投入して備えました。

MotoGPでは各レースウィークの木曜日に、注目のライダー4名を招いての共同記者会見が行われます。そして今大会では、Trackhouse MotoGP Teamの小椋 藍が登場。MotoGPルーキーらしからぬ活躍から国際的な関心が高まるばかりのこの日本人ライダーは、今回のグランプリレースを9位でフィニッシュしました。

この週末を通じてサーキット・オブ・ジ・アメリカズは不順な天候に見舞われ、金曜午前のフリープラクティスは冷たい雨の中での開催に。20℃と低めの温度のウェット路面でも高いグリップ性能を安定的に発揮するMICHELIN Power Rainのパフォーマンスが存分に発揮され、各ライダーから高い評価を得ました。

Ducati Lenovo Teamのマルク・マルケスは今大会でも予選とスプリントレースを制し、今シーズンの重要セッション土つかずの記録を伸ばしました。グランプリレースでは首位走行中にスリップダウンを喫してしまいましたが、その前に従来記録を更新するファステストラップをマークしてみせていました。

マルク・マルケスの実弟で、BK8 Gresini Racing MotoGPのアレックス・マルケスは、今大会でもスプリントレースとグランプリレースの双方で2位に。これで開幕3戦すべてのスプリントレースとグランプリレースで2位に入ったこととなり、今回リタイアした兄に替わって、ポイントリーダーの座に立ちました。

フリープラクティスが雨に見舞われたことで、各ライダーはドライ路面でのセットアップを十分に詰め切れずに、予選でのタイムアタック、そしてスプリントとグランプリの各レースを迎えた今大会でしたが、それでもファステストラップの記録更新が果たされるなどして、ミシュランタイヤの高いパフォーマンスとその安定性、タイヤにかかる負荷が高いサーキット・オブ・ジ・アメリカズに対してミシュランが投入した技術仕様の確かさなどが確認されたレースとなりました。