
MOTOGP 2024 ROUND 4
SPAIN
■予選:4月27日/決勝:4月28日
■開催地:サーキット・ド・ヘレス‐アンヘル・ニエト(スペイン)
■レース周回数:25周(110.575 km)
ドゥカティのバニャイアが今季2勝目をマーク
重要記録各種の更新でミシュランタイヤの進化が示される
ミシュランが出場全車にタイヤ供給を行っている二輪ロードレースの世界最高峰シリーズ MotoGPの2024年シーズン第4戦スペインGPが開催され、土曜日のスプリントレースではPrima Pramac Racingのホルヘ・マルティン、日曜日のグランプリレース(決勝レース)ではDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアがそれぞれ優勝を飾りました。今大会は、土曜日までは例年にない低さの路面温度や雨混じりの天候に見舞われ、路面のグリップレベルが安定しませんでした。それでも、舞台となったヘレス・サーキットにおけるMotoGPマシンの史上最速ラップタイム(オールタイムラップレコード)、決勝におけるファステストラップ、そして周回数25周で行われる決勝のレースタイムのすべてで従来記録が更新され、新コンパウンドを採用したミシュランタイヤの性能向上がまたしても大いに示された週末となりました。

スペインGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
過去2戦では不本意な結果に終わっていた2年連続チャンピオンのバニャイアですが、得意とするヘレス・サーキットで持ち前の強さを存分に発揮。6度の世界王者であるマルク・マルケスと一騎打ちを繰り広げると、最後は先輩ライダーを突き放して勝利しました。バニャイアの優勝レースタイムは従来記録を更新するものであり、かつ、25周のレースの23周目にファステストラップの新記録をマーク。ハイペースでの走行をこなし続けてきたすえに最も速いラップタイムを叩き出せるミシュランタイヤの高性能とその持続性能の高さがまたしても大いに示されました。

ヘレスは中・低速コーナーが連続し、タイヤに絶え間なく負荷がかかり続けるコースです。ミシュランはドライ用のMICHELIN Power Slickで、昨シーズンのものより少しハードな新開発コンパウンドを採用したフロントタイヤを投入。増大したグリップ性能は各ライダーに歓迎され、ラップタイム向上を支える材料となりました。

土曜日の午前中は断続的な雨模様となり、2回目のフリープラクティスと予選はウェットコンディションに。路面温度も20℃に達さない低さになりましたが、これらのセッションで全車が履いたウェット用のMICHELIN Power Rainは高いグリップ性能を安定的に発揮。転倒を喫したライダーはほんのわずかでした。

ウェットコンディションの予選を制したのはGresini Racing MotoGPのマルク・マルケスでした。2番手に0.271秒という大きな差をつけ、長年乗ったホンダからドゥカティにスイッチして4戦目にして、通算64回目となるポールポジションを獲得。母国の英雄の活躍に大観衆は沸き立ちました。

土曜日のスプリントレースは、雨が上がり、路面が概ね乾いた中、全車がドライコンディション用タイヤを使用して行われました。ただ、いくつかの重要な地点にウェットパッチが残り、しかも乾いた路面との違いが視認しにくい色であったことから、転倒者が続出。この乱戦を#89 ホルヘ・マルティンが制しました。

日曜日のグランプリレースは完全なドライコンディションのもとで行われ、予選7位のフランチェスコ・バニャイアがスタートで一気に先頭へ躍り出てレースをリード。これにマルク・マルケスが追いついて勝負を挑んできましたが、バニャイアは元王者を突き放して勝利。2位となったマルケスは、レース後に勝者を称えました。

バニャイアは金曜日のプラクティスでオールタイムラップレコードの新記録を樹立し、日曜日のグランプリレースでは優勝レースタイムとファステストラップの従来記録を更新。フロントタイヤに新開発コンパウンドを採用したミシュランのMotoGP公式タイヤの高性能が、スペインの大観衆の前で存分に披露された一戦となりました。