
MOTOGP 2025 ROUND 5
SPAIN
■予選:4月26日/決勝:4月27日
■開催地:ヘレス・サーキット(スペイン)
■レース周回数:25周(110.575 km)
アレックス・マルケスが母国グランプリでMotoGP初優勝
記録的な観客動員のもと重要タイム記録すべてが更新される
二輪ロードレースの世界最高峰シリーズであるMotoGPの2025年シーズン第5戦スペインGPが開催されました。ヘレス・サーキットを12周して行われた土曜日のスプリントレースではDucati Lenovo Teamのマルク・マルケスが優勝。そして彼の弟であるBK8 Gresini Racing MotoGPのアレックス・マルケスが、日曜日に25周で行われたグランプリレース(決勝レース)を制し、念願のMotoGP初優勝を母国グランプリで飾りました。
今大会は、週末全体で22万4420人、日曜日だけでも10万1000人という、記録破りの数の観客がサーキットを訪れました。そうした中、予選ではMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロが丸3年ぶりにポールポジションを獲得。久しぶりに最速レベルの速さを見せたヤマハ YZR-M1が、ヘレス・サーキットにおける新たなオールタイムラップレコード(当該サーキットにおけるMotoGPマシンでの史上最速ラップタイム)を叩き出しました。そしてグランプリレースでは、路面温度がスタート時で43℃という高さの中で、アレックス・マルケスの駆るドゥカティ・デスモセディッチGPによってファステストラップと優勝レースタイムの従来記録が塗り替えられ、MotoGP出場全車が使用するミシュランタイヤの卓越したパフォーマンスがまたしても示された週末となりました。

スペインGP優勝
アレックス・マルケス(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
MotoGP参戦も6年目となったアレックス・マルケスですが、今シーズンは今大会を含めた開幕5戦すべてのスプリントレースを2位でフィニッシュし、グランプリレースでも2位に入ること3回。そして今回のグランプリレースでは、ファステストラップの新記録をマークしながら快走し、最高峰クラスでの初めての勝利をついに獲得。日曜日だけでも10万人を超えた大観衆からの歓声に、感無量の様子で応えていました。

今大会では走り出しから速さを見せていたヤマハのクアルタラロ。路面温度33℃という良好なコンディションのもとでのQ2(予選第2セッション)の終盤に、従来記録を0.415秒も短縮するオールタイムラップレコードを叩き出しました。

日曜日のグランプリレースは、路面温度が43℃にまで上がった中で行われ、全ライダーが前後ともにMICHELIN Power Slickのミディアム仕様を選択。アレックス・マルケスが従来の最速記録を2秒近く縮めるレースタイムで優勝しました。

ポールポジションを獲得したクアルタラロは、スプリントレースでは転倒を喫しましたが、グランプリレースでは上位をひた走り、フランチェスコ・バニャイアからの強力なチャージを振り切って2位に。1年8カ月ぶりの表彰台を獲得しました。

マルク・マルケスは、スプリントレースでは今シーズン敗けなしの記録を今大会でも更新しました。しかしグランプリレースでは転倒。再スタートして12位に入りましたが、ポイントリーダーの座を1点差ですが弟に明け渡しました。

Trackhouse MotoGP Teamの小椋 藍は、予選では15位に留まったものの、スプリントレースでは良いフィーリングをつかんで12位に挽回。そしてグランプリレースではさらに追い上げて8位に。選手権でルーキー首位につけ続けています。

中・低速コーナーが連続し、タイヤに負荷がかかり続けるヘレス・サーキットにおいて、ミシュランのMotoGP公式タイヤは完璧なパフォーマンスを発揮。記録破りの観客数と熱狂的な雰囲気のもとで、ベンチマークタイムのすべてが短縮されました。