
MOTOGP 2024 ROUND 7
ITALY
■予選:6月1日/決勝:6月2日
■開催地:ムジェロ・インターナショナルサーキット(イタリア)
■レース周回数:23周(120.635 km)
イタリア人がMotoGPとMotoEを制したイタリアGP
大幅記録更新でミシュランタイヤの進化が明白に
二輪ロードレースの世界最高峰シリーズであるMotoGP世界選手権の第7戦イタリアGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが、土曜日に行われたスプリントレース、日曜日に行われたグランプリレース(決勝レース)の双方で優勝を飾りました。また、電動バイクによるMotoE世界選手権の2レースも開催され、第7戦ではLCR E-Teamのマッティア・カサディが、第8戦ではOpenbank Aspar Teamのケビン・ザンノーニが優勝。彼らはいずれもイタリア人ライダーであり、母国ファンにとっては最高の週末となりました。
なお、MotoGPの予選ではPrima Pramac Racingのホルヘ・マルティンによって新しいオールタイムラップレコードが樹立されたほか、グランプリレースを制したバニャイアによってレース中のファステストラップとレースタイムの最速記録がともに更新されました。特に優勝レースタイムは、昨年大会でバニャイア自身が記録したものより25秒以上も速く、MotoGP全ライダーが使用するミシュランタイヤの進化が明白となるパフォーマンスでした。

イタリアGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
イタリアのバイクメーカーであるドゥカティ。そのワークスチームであるDucati Lenovo Teamは、母国で開催された今回のグランプリレースに、イタリアのナショナルチームがスポーツ大会でまとう色であるライトブルーの特別カラーリングで出場しました。そして、バニャイアが昨年大会に続いて優勝を飾り、チームメイトのエネア・バスティアニーニが2位に入って、1-2フィニッシュを達成。ドゥカティ勢が4位までを占める結果となりました。

今大会の舞台であるムジェロ・サーキットは、長さが1kmを超えるロングストレートを持ちつつ、低速コーナーもあれば高速コーナーもあり、ハードなブレーキングゾーンもあります。タイヤの総合力が試されるコースで、重要記録が続々と更新された週末になりました。

予選ではホルヘ・マルティンが新しいオールタイムラップレコードでポールポジションを獲得。続いて行われたスプリントレースでは、好スタートを決めた#1 バニャイアが一度も首位の座を譲ることなく走り切って、彼にとっては今季初となるスプリント優勝を奪いました。

日曜日限定の特別カラーリングに衣替えして臨んだグランプリレースでもバニャイアは全周回で首位を走って優勝。2位には、最終ラップの最終コーナーでマルティンをかわしたバスティアニーニが入り、ドゥカティワークスが母国グランプリで1-2フィニッシュを飾りました。

今大会では、スプリントレースとグランプリレースの双方で、ほぼすべてのライダーが同じタイヤ選択に。そして、グランプリレース中のファステストラップと、ムジェロを23周するレースタイムの双方が更新されました。特に、バニャイアの優勝レースタイムは、彼が昨年大会で作った記録を25.478秒も更新するもの。1周につき1.1秒も速いペースでした。

17台が出場するMotoEですが、今大会で開催された第7戦では昨シーズンのチャンピオンであるマッティア・カサディが、第8戦では先週のカタルニア大会でも優勝を飾っていた#21 ケビン・ザンノーニが勝利。彼らはともにイタリア人ライダーで、MotoGP勝者のバニャイアもイタリアン。まさに、イタリア人によるイタリア人のためのイタリアGPとなりました。

ミシュランがMotoE出場全車に供給している公式タイヤは、2017年発表の『VISION CONCEPT』を彷彿させるグラフィックでトレッド面をデザイン。数周も走れば消え去るこのグラフィックに包まれたタイヤは、フロント用には49%、リア用には53%ものサステナブル材料を使用した、ミシュランが志す持続可能な開発を象徴する製品です。