ミシュランが供給する公式タイヤを出場全車が使用して行われているMotoGP世界選手権。その2024年シーズンの第8戦オランダGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが、予選、スプリントレース、グランプリレース（決勝レース）のすべてを制する完全優勝を果たしました。過去2年連続のMotoGPチャンピオンであるバニャイアは、予選では新しいオールタイムラップレコード（当該サーキットにおけるMotoGPマシンでの史上最速ラップタイム）を叩き出すと、決勝ではレース中のファステストラップの従来記録を更新。さらには26周のレースタイムの最短記録を約18秒も短縮してみせました。また、グランプリレースの上位7名のライダーが従来記録を上回るレースタイムで走り切り、それを支えた最新ミシュランMotoGPタイヤのハイパフォーマンスが存分に示されました。
前戦から1カ月近くのブレイクを挟みながら、バニャイアは2大会連続でスプリントレースとグランプリレースの双方を制覇。第1フリープラクティスを皮切りに、出走した走行セッションのすべてで最速のラップタイムを叩き出すという圧倒的なパフォーマンスを見せました。そして、一時は44ポイントにまで広がっていたポイントリーダーとの差を、今大会終了時には10ポイントにまで縮めました。
予選とスプリントレースが開催された土曜日は晴天で、路面温度は49℃にまで上昇。日曜日は一転して曇り空が広がり、グランプリレース開始時の路面温度は38℃に留まりました。ミシュランのMotoGP公式タイヤは、様々な温度レンジの中でも高いパフォーマンスを安定して発揮し、ユーザーであるMotoGPライダーたちの攻撃的なライディングに応えました。
バニャイアは、第1フリープラクティス、プラクティス、第2フリープラクティスのすべてでトップタイム。迎えた予選では、従来記録を0.9秒も更新する新オールタイムラップレコードをマークしました。また、予選では10名ものライダーが従来レコードを上回り、マシンやライディングスタイルを問わず高性能を発揮するミシュランタイヤの懐の深さが示されました。
バニャイアのポールポジション獲得は、実は今シーズンでは初めてのことでしたが、その好調ぶりはスプリントレースとグランプリレースのどちらでも発揮されました。双方のレースで、彼はすべての周回を首位で走り、独走状態を築いてゴール。スプリントレースでは約11秒、グランプリレースでは約18秒ものレースタイム最短記録の短縮を果たしました。
ポイントランキングで首位を走り続けるPrima Pramac Racingのホルヘ・マルティンですが、無双状態となったバニャイアに今回はかなわず。それでも、スプリントレースとグランプリレースのどちらでも2位に入りました。また、グランプリレースの上位7名のライダーが、従来の最短記録を上回るレースタイムでフィニッシュしました。
今大会が行われたTTサーキット・アッセンは、ハイスピードなうえにテクニカルで、前輪には特に高い負荷がかかります。そこでミシュランは、新たに見直しを図ったハードコンパウンドのフロント用スリックタイヤを用意。スプリントレースでもグランプリレースでも、大半のライダーがそれを使用し、ミシュランが行った仕事の方向性が正しかったことが証明されました。
フロント用には49％、リア用には53％ものサステナブル材料を使用した公式タイヤをミシュランが供給している電動バイクレース MotoEの2戦も今大会では行われ、どちらのレースでも激しいバトルが演じられました。そして、第9戦ではDynavolt Intact GP MotoEのヘクトール・ガルゾがMotoE通算2勝目を、第10戦（写真）ではTech3 E-racingのNo.61 アレッサンドロ・ザッコーネが通算3勝目をそれぞれ飾りました。
