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SUPER GT 2018 ROUND 6
SUGO

■予選:9月15日/決勝:9月16日
■開催地:スポーツランドSUGO(宮城県)
■レース距離:300km(81周×3.7375km)

ミシュラン勢 2台ともに予選から
大幅に順位を上げポイント獲得を果たす

SUPER GT第6戦がスポーツランドSUGOで開催され、ミシュランタイヤを履く2台の日産 GT-R NISMO GT500は予選では苦戦し、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が12位、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)が13位にとどまりましたが、決勝レースではともに大幅なポジションアップを果たし、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが7位、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが8位でフィニッシュ。想定よりも高めとなった路面温度のもとでミシュランタイヤは上々のパフォーマンスを安定的に発揮し、装着車2台はそろって貴重なシリーズポイントを獲得しました。

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SUPER GT第6戦菅生
MOTUL AUTECH GT-R

ミシュランは、前戦の第5戦富士における想定より早いタイヤの性能低下を踏まえ、早急に問題点を洗い出し対策する作業に努めました。その結果、今大会の決勝レースではNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがともに上位陣と伍すラップタイムを安定的に刻み続け、一定の成果を得ました。

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今大会の舞台となったスポーツランドSUGOはコース幅が狭く、オーバーテイクが難しいサーキットです。また、ピットも狭く、マシンの左右のドアを完全に開けることはできません。それでも各チームはそれぞれ工夫し、いつもと変わらぬ高い水準の作業を遂行しました。

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予選日の午前に行われた公式練習はドライコンディションで始まりましたが、途中から雨が降り出してウェットコンディションに。その中ではNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rがトップタイムを刻みました。しかし、やがて雨は上がり、午後の予選はドライコンディションのもとで行われました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの宮田雅史エンジニアと話す同車ドライバーの本山 哲と千代勝正。No.3 GT-Rは公式練習を走り出した途端にギアボックストラブルに見舞われ、セットアップの確認を行えないまま、ぶっつけで予選に臨むことに。

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決勝日は朝から晴天に恵まれました。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、前日は10周も走れていませんでしたが、決勝前のウォームアップ走行では4番手のタイムを記録。トラブルの不安は除かれましたが、セッティングは十分とは言えず、レースでどれほどやれるかは未知数でした。

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今回、スタートドライバーを久々に務めることになったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生。目視すること、そして実際に手で触れてみることで、タイヤの状態を自ら確認していました。

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医師が乗車し、アクシデント発生時には真っ先に現場へ急行するFRO(First Rescue Operation)車両のポルシェ・マカン ターボ。その足元を支えているのも実はミシュランタイヤです。

今大会はSUPER GTの標準である300kmのレース距離での一戦。No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の今大会におけるウェイトハンディは70kgで、実際には燃料流量リストリクターが2段階目の制限レベルのものとなり、そのうえで3kgのウェイト(重り)を実装。一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)は18kgのウェイトを搭載して出走しました。

なお、SUPER GTではシーズンを通して使用できるエンジンの数は各車2基までと制限されています。そこでGT500クラスの車両を開発する自動車メーカー各社は、シーズン途中に投入する2基目のエンジンは一層の改良を施したものとしています。その改良仕様である2基目のエンジンを、日産陣営は今大会から投入。No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの車両側でのパフォーマンスアップが期待されました。

予選日であった9月15日(土)のスポーツランドSUGOは雨が降ったり止んだりの天候でしたが、午後2時に公式予選が開始される頃にはコースは基本的にはドライコンディションに。各車はスリックタイヤを使用しての予選アタックとなりました。

午前中の公式練習は途中から雨となっていて、ウェットコンディションの中でのタイムではNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが最速でした。しかし、ドライコンディションになると同車は強いアンダーステアに悩まされ、それを十分に解消できぬままでの予選出走となっていました。また、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは公式練習を走り出してすぐにギアシフトができないトラブルに見舞われ、ギアボックス交換のためピットに張り付くことに。そのため同車は公式練習でまともに走行できず、セットアップの調整や確認を行えないままに予選と決勝を走らなければならない状況でした。

果たして、2台のミシュラン勢の予選結果はそれぞれに問題を抱えていたなりのものとなり、松田次生がQ1(予選第1セッション)でのタイムアタックを担当したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは予選12位、同セッションを千代勝正がドライブしたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは予選13位にとどまりました。

明くる9月16日(日)の決勝日はすっきりとした晴天で、午後2時の決勝レーススタート時の路面温度は37℃と、前日の予選より10℃以上も高いコンディションとなりました。

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは松田が久しぶりにスタートドライバーを務め、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは本山 哲が前半スティントを担当。ともに、やや柔らかめのタイヤを履いていたことから、ふたりのベテランは5〜6台による接近戦の中でタイヤを労りながらのドライビングに努めました。

しかし、彼らが履いたミシュランタイヤは、想定より高めとなった実際の路面温度のもとでもグリップダウンが少なく、上々のパフォーマンスを発揮し続けます。それに後押しされ、松田と本山はスティントの中盤からより積極的なドライビングをそれぞれ展開し、そろってオーバーテイクを繰り返してポジションを上げていきました。

ルーティンのピットストップは、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは34周目終了時に、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは36周目終了時にそれぞれ実施。No.3 GT-Rには千代、No.23 GT-Rにはロニー・クインタレッリが新たに乗り込みました。

クインタレッリのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、42周目の最終コーナーでNo.19 レクサス LC500をかわして7位に浮上。レース終盤にはNo.24 日産 GT-Rの背後に迫り、オーバーテイクのチャンスをうかがいました。ただ、レースの最終盤になるとコースアウト車両の続出によって追い越し禁止の区間が連続する状態になったことから、No.24 GT-Rを抜き去ることはかなわず。それでもNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは予選から5つポジションを上げ、7位でのフィニッシュを果たしました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rも後半スティントを好調に戦いました。同車のステアリングを握った千代は、50周目にはNo.17 ホンダ NSX-GT、51周目にはNo.6 レクサス LC500、55周目にはNo.36 レクサス、そして59周目にはNo.19 レクサスと、コース幅が狭いスポーツランドSUGOながらも果敢にオーバーテイクを繰り返していきました。そしてNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-RはNo.23 GT-Rと同じく予選から5つポジションアップを果たした8位に入って今大会を終えました。

■日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

 「前戦の富士で我々はデグラデーション(※想定よりも早くタイヤの性能が落ちてしまうこと)の問題に直面しました。そこで我々は開発を見直し、いくつかの変更を行いました。ただし、今回持ち込んだドライ用のスリックタイヤに関しては、この週末のコンディションにおいてはあまりアドバンテージがなく、ラップタイムも良かったとは言い難いものでした。しかし、前戦で問題になったデグラデーションを解決できたことはラップタイムの推移から確認できました。レースを通じて我々のタイヤは安定したパフォーマンスを発揮しましたので、そのことについてはとても良かったと思っています」

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2018
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SUPER GT第6戦菅生
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

路面温度は想定より高いものになりましたが、ミシュランタイヤは上々のパフォーマンスを安定的に発揮。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはコース上で幾度となくオーバーテイクを繰り返し、予選から5つポジションを上げてみせました。

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スタート前、出場マシンが並んだコース上もその脇のグランドスタンドも埋め尽くされた状態に。この週末の2日間での来場者は4万1400人を数えました。

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おふたりのレースクイーンとのスリーショットに収まるミシュランマン。彼のいつも笑顔がひときわ輝いて見えるのは気のせい?

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レース序盤、No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはタイヤを労る走りに努めましたが、タイヤのグリップダウンが小さいことが確認できると、やがて攻めの走りに転じていきました。

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No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、レース終盤には追い越し禁止区間が連続する状況になったことで、先行するNo.24 GT-Rにはわずか0.391秒届かず7位でのフィニッシュに。松田とクインタレッリのコンビはドライバーズポイント4点を獲得し、首位と22ポイント差のランキング6位につけて、残るは2戦ということに。

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今大会から投入された改良型エンジンのアシストもあって、後半スティントだけで4台をコース上で抜き去る走りを見せたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。不運なレースが続いていた本山と千代のコンビですが、第3戦鈴鹿以来となるポイント獲得を果たしました。

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決勝レースは想定より高い路面温度のものでの開催となりましたが、ミシュランタイヤは上々のパフォーマンスを安定的に発揮。1カ月後に九州のオートポリスで開催される次戦には、一層の性能向上を狙ったタイヤを投入し巻き返しを図ることを目指します。

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