supergt2018 r7 00a

SUPER GT 2018 ROUND 7
AUTOPOLIS

■予選:10月20日/決勝:10月21日
■開催地:オートポリス(大分県)
■レース距離:300km(65周×4.674km)

ミシュラン勢、結果は奮わずも
攻めの姿勢を貫く

SUPER GTでは唯一の九州開催ラウンドが大分県のオートポリスで開催されました。今大会における日産GT-R GT500勢はいずれも戦闘力不足に苦しみましたが、その中で、ミシュランタイヤを履く2台はあくまで勝利を狙い、そのためのタイヤ選択を行いました。しかしながら、決勝レースにおけるコンディションはミシュランが望んでいたようにはならず、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)は13位、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は他車との接触によるドライブスルーペナルティを受けたこともあって15位に終わりました。

supergt2018 r7 01

SUPER GT第7戦オートポリス
MOTUL AUTECH GT-R

ライバル車両の攻勢に遭って相対的な戦闘力が低下した状態となった今大会の日産 GT-R勢。その予選最上位は12号車の11位で、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは14位にとどまりました。

supergt2018 r7 02

苦しい状況は承知しつつ、狙うのはあくまで勝利。マシンの状態を高め、ピットワークをいつもどおり万全にする準備をチームは怠りませんでした。

supergt2018 r7 03

九州で開催される唯一のSUPER GT戦であるオートポリス大会。このサーキットでSUPER GTが秋に開催されたのは3年ぶりのことでした。

supergt2018 r7 04

8月に行われた事前テストでは良好な手応えを得ていたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rですが、レースウィーク最初の走行セッションである土曜朝の公式練習は路面温度がかなり低いコンディションで、走り出してみると全体的にマシンのバランスが悪く、苦労することになりました。

supergt2018 r7 05

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rの予選は14位。まったく不本意な結果に、松田次生にもロニー・クインタレッリにも笑顔はありませんでした。

supergt2018 r7 06

Q1(予選第1セッション)を前にNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのコクピットに乗り込んだ千代勝正。チームは、コンディションがマッチすれば決勝レースでより高いパフォーマンスが期待できるミディアムハードタイヤを選択。それが予選ではいくらか不利に働くことは承知の上での判断でした。

supergt2018 r7 07

最終的にNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは予選15位に。タイヤをロックさせるというミスがあったがためのこの順位でしたが、それがなくともQ2進出は難しかったであろうという状況でした。

このシリーズ独自のウェイトハンディ制度により、SUPER GTに出場する各車両は第2戦以降のレースをドライバー部門の獲得ポイント1点につき2kgのウェイトハンディを負って戦ってきました。それが、シリーズ最終戦のひとつ前のレースである今大会では、獲得ポイント1点につき1kgという計算による数値のハンディに変わります。そのため、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは39kg、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは12kgのウェイトを積んで今大会に出場しました。

SUPER GTでは、予選で使用したタイヤで決勝レースの最初のスティントも走らなければならないことになっています。そこでミシュランタイヤ装着車2台はともに、決勝で優勝を狙っていくためのタイヤとして、今大会における中間よりやや固めの仕様であるミディアムハードタイヤを予選において選択。その影響もあって、2台のミシュラン勢のタイムアタックはタフなものとなり、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリの全力走行をもってしても14位、千代勝正がQ1(予選第1セッション)を担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは一度タイヤをロックさせてしまったこともあって15位という結果にとどまりました。

明くる決勝日。オートポリスは晴天に恵まれました。決勝レースは午後2時に開始され、オープニングラップではNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがそろってひとつポジションを上げるという上々の滑り出しとなりました。

クインタレッリが前半スティントを担当したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、9周目にNo.64 ホンダ NSX-GTをかわすなどしてポジションを上げていき、18周目には10位を走行するまでになりました。ただし、同車のペースそのものは、NISMOチームとミシュランがそもそも期待していたレベルには及ばぬものであったことも事実でした。

そして、30周目終了時にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはピットロードへ。このとき、同車の前を走っていたNo.12 日産 GT-Rも同じタイミングでピットへ向かいました。両チームのピットワーク競争となりましたが、これを制したのはNISMOチームで、No.23 GT-RがNo.12 GT-Rの前に出ることに成功しました。

松田次生が後半スティントで乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、今度は5台のマシンによる熾烈なバトルを繰り広げました。「とにかく前へ」という強い思いを抱きながらのドライビングであった松田は、47周目の第1コーナーでNo.24 GT-Rを抜き去ります。さらに、同じ周回の第2ヘアピンでは今度はNo.6 レクサス LC500のインを狙っていきました。しかし、レイトブレーキングが過ぎ、No.23 GT-RはNo.6 レクサスのさらに前にいたNo.8 ホンダ NSX-GTに突っ込む形となってしまいました。

これでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはタイヤを傷めてしまったことから、タイヤ交換のために緊急のピットストップを余儀なくされました。さらにNo.23 GT-Rは、No.8 ホンダとの接触に対するペナルティを受けることになり、イレギュラーのタイヤ交換後にもう一度ピットロードへと向かってドライブスルーペナルティを消化。これによりNo.23 GT-Rは周回遅れの15位でレースを終えることになりました。

一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rも苦しいレースを戦い抜きました。同車の前半スティントを担当したのは本山 哲でしたが、GT-R+ミシュランタイヤの同じパッケージであるNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rほどのスピードを得られず、13位にまで順位を上げたところからは膠着状態となりました。

しかし、21周目からセーフティカーが入ったことで前走車たちとの差が詰まりました。そして、そのセーフティカーが24周目終了時点でコースから退去。レース再開となったところで、本山はポジションアップを狙って混戦の集団バトルの中で勝負を挑みます。しかしながら、その中でNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは軽くコースアウトを喫することになり、順位を上げることはかないませんでした。

こうしたことから、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを走らせるNDDP RACING with B-MAXチームは、ピットストップのタイミングを早めることで状況の打開を図ろうとしました。そしてNo.3 GT-Rは26周目終了時にピットへ。本山から千代に交替して戦列に復帰しました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの後半スティントは39周(182.286km)という長さのものになり、これを担当した千代は燃費とタイヤのマネージメントを心がけた走りを求められました。それでもペースは悪いものではありませんでしたが、スティントの終盤は特に燃料消費をセーブした走りが必要な状況となったことから攻めた走りはできず、13位での完走にとどまりました。

■日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

 「今回のオートポリスに我々が持ち込んだスリックタイヤは今大会におけるミディアムとミディアムハードの2種類で、23号車も3号車も、予選・決勝ともにミディアムハードを使用しました。ただ、我々が持ち込んだタイヤにとって望ましいところまで路面温度が上がることはなく、この週末は我々にとって難しいものとなりました。レース中のタイヤの性能の安定性については良かったのですが、パフォーマンスそのものが総じて不十分でした。ただし、予選と決勝においてミディアムハードタイヤを使ったのは、あくまで今回のレースを勝ちに行くための選択であって、結果的にそのタイヤにマッチするコンディションとはならなかったわけですが、我々に悔いはありません。次戦はツインリンクもてぎでのシリーズ最終戦となります。良いパフォーマンスをお見せするために全力を尽くします」

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2018
supergt2018 r7 08

SUPER GT第7戦オートポリス
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

後半は約40周というロングスティントとなったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。ドライバーには燃費とタイヤの高度なマネージメントが要求されましたが、千代勝正はそれをしっかりとやり遂げてみせました。

supergt2018 r7 09

決勝日はまさに秋晴れの好天に恵まれました。ただし、ミシュラン勢は8月における事前テストでの良好な感触を取り戻せないまま決勝レースを迎えることになりました。

supergt2018 r7 10

グランドスタンドを埋めた大勢の観客が見守る中で決勝レースがスタート。今大会は予選・決勝日の2日間を通じて30,930人の来場を数えました。

supergt2018 r7 11

No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-RはオープニングラップにそろってNo.24 GT-Rをパス。その後しばらくは、2台のミシュランタイヤ装着車のランデブー走行が続きました。

supergt2018 r7 12

レース後半、5台のマシンによる6位争いの混戦の中に食い込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-R、結果的に他車に追突しドライブスルーペナルティを受けることになりましたが、この後半スティントを担当した松田次生の積極果敢なドライビングは観戦していたファンを大いに沸かせました。

supergt2018 r7 13

約40周というロングスティントとなったレース後半のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rでしたが、燃料さえ許せばまだまだペースを上げて追い上げていけるパフォーマンスを見せていました。

supergt2018 r7 14

今回も苦い内容に終わったミシュラン勢。しかし、そうなった理由や問題点は明確に把握できており、今後の技術開発にとってまた実りのある一戦になりました。

supergt2018 r7 result
You are using an unsupported web browser
本ウェブサイトではサポートされていないウェブブラウザをお使いのようです。一部の機能が正常に作動しない場合があります。閲覧中に動作が不安定になる場合があります。このウェブサイトを最大限活用していただくため、以下のブラウザのいずれかを使用していただくか、アップグレードまたはインストールしてください