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SUPER GT 2018 ROUND 8
MOTEGI

■予選:11月10日/決勝:11月11日
■開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)
■レース距離:250km(53周×4.801km)

ミシュラン装着車2台がGT-R勢のトップ2でフィニッシュ
松田/クインタレッリ組がGT-R勢最上位ランキングに

2018年のSUPER GTシリーズ最終戦が開催され、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は7位、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)は9位でフィニッシュしました。これら2台のミシュラン装着車は、GT500クラスに4台出場した日産 GT-R勢のトップ2のポジションを予選と決勝の双方において占め、ミシュランタイヤのパフォーマンスの高さを示しました。また、松田とクインタレッリのコンビはドライバーズランキング8位となり、こちらもGT-R勢では最上位の結果となりました。

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SUPER GT最終戦もてぎ
MOTUL AUTECH GT-R

11月10日(土)朝の公式練習は、晴天ながらもコースはまだウェットの状態でスタート。路面がまだ濡れたコンディションのもとではミシュランタイヤ装着車2台がトップ2を占めるタイムを刻み、バランスの良さを示していました。

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シリーズ最終戦である今大会にはGT500クラスの全車がウェイトハンディなしの状態で出走。シーズンを通じて磨きをかけてきた各車本来の速さが競い合われる一戦として注目されました。

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GT500クラスのQ1(予選第1セッション)が始まった時点での気温は23℃と、この時期のツインリンクもてぎらしからぬ暖かさとなりました。日産 GT-R勢は総じて苦しい予選を戦うことになりましたが、松田次生がQ1を担当したNo.23 MOTUL AUTECH GT-RはQ2進出まであと一歩のタイムを刻んで予選9位となりました。

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公式練習を終え、ディスカッションを行うNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの面々。写真右から、長谷見昌弘監督、ドライバーの本山 哲、千代勝正。まもなく始まる予選に対して、決して楽観的ではありませんでした。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは日産 GT-R勢では唯一となるQ1突破を果たしました。ただし、Q2でさらにタイムを伸ばしていくことはかなわず、予選8位となりました。

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11月10日(土)のピットウォークの様子。予選日でも2万1000人、決勝日には3万7000人のお客様がツインリンクもてぎを訪れ、SUPER GTの華やかな世界を楽しまれました。

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写真右から、ミシュラン・モータースポーツダイレクターであるマチュー・ボナデル、ミシュランのモビリティエクスペリエンスダイレクターおよびモータースポーツスーパーバイザーであるパスカル・クワノン、そして日本ミシュランタイヤのモータースポーツダイレクターである小田島広明。ミシュランはSUPER GTをFIA世界選手権シリーズに並ぶ重要度で捉えており、フランス本社のミシュラン・モータースポーツの首脳がSUPER GTの最終戦の現場を訪れるのはほぼ毎年のことになっています。

独自のウェイトハンディ制を採用しているSUPER GTシリーズですが、開幕戦以降の7戦すべてに出場した車両は8戦目にはウェイトをすべて下ろすことが認められています。そして、GT500クラスでは出場全車がその条件を満たしていることから、シリーズ第8戦である今回のレースには全車がノーハンディの状態で出場しました。

GT500クラスのQ1(予選第1セッション)は11月10日(土)の午後2時20分から行われ、ミシュラン勢では、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは松田次生、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは千代勝正がそれぞれステアリングを握ってこのセッションに出走。同クラスに4台が出場した日産 GT-R勢の中でNo.3 GT-Rだけがタイムを1分36秒台に入れてQ1突破を果たしました。一方、No.23 GT-Rはアタックラップの最終セクターでわずかに遅れたぶんQ2進出に及ばず、予選9位となりました。

Q2(予選第2セッション)に進んだNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rには本山 哲が乗り込みました。同車は、8台が出走したこのセッションで真っ先にコースインし、そして最後の最後までアタックを続けました。それでもラップタイムは伸びず、予選8位となりました。

前戦に続いて日産 GT-R NISMO GT500がホンダ NSX-GTやレクサス LC500といったライバル車両に対して競争力で劣る状況にあることは明らかでした。しかし、もはや決勝レースを残すのみとなった段階では、現状のポテンシャルの中でベストを尽くす以外ありませんでした。

今大会のレース距離は通常よりやや短い250km。ツインリンクもてぎを53周して争う決勝レースは秋晴れに恵まれた11月11日(日)の午後1時37分にスタートが切られました。

4列目の8番手グリッドから出たNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはポジションをキープしながら前半スティントを走行。ステアリングを握ったのは千代で、彼のペースは前を行くライバルと互角かそれ以上のものでした。しかし、ツインリンクもてぎは抜きどころが少なく、それでも前に出ていけるだけのスピード差はなかったことから、No.3 GT-Rはポジションを上げられないまま8位を走り続けることになりました。

そしてレースが3分の1を消化すると、早めにピットストップを行う車両が出てきました。性能が落ちてきたタイヤで走り続けているライバルたちを、新たに履いたニュータイヤの速さによって追い落とすことを狙った動きでした。他方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは良いレベルでラップタイムが安定していたことから、レースが折り返しを迎える26周目終了時までルーティンのピットストップを引っ張りました。

しかしながら、この戦略は結果的には裏目に出ることになりました。ニュータイヤに履き替え、本山に交替して戦線に復帰したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rでしたが、先にピットストップを行ってすでにタイヤが十分に温まった状態となったライバル車両4台に立て続けに先行されることになったのです。これによりNo.3 GT-Rは12位にまで転落し、そのポジションで後半スティントを戦い始めることになりました。

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの後半スティントにおけるペースは前半スティントと同様に悪いものではありませんでしたが、やはり前走車をかわして前に出ていくことは難しい状況でした。ただし、レースも残り5周となったところで前を行くライバル2台が接触によって後退したことから、No.3 GT-Rは10位に浮上します。さらに最終ラップには、ガス欠症状に見舞われてスピードが一気に落ちたNo.24 GT-Rをパス。そして、前を走るNo.39 レクサス LC500にはわずか0.072秒届かなかっただけの9位でシリーズ最終戦を終えました。

5列目・9番手グリッドにつけたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、ロニー・クインタレッリのドライブでレースを開始しました。そのオープニングラップではタイヤの温まりがより早かった2台に先行を許しましたが、やがてペースを上げて1台をかわし10位に浮上。その後は、3台による8位争いを激しく演じたものの、その中でポジションを上げていくことは難しい状況でした。

そこでNISMOチームは、レースの3分の1にあたる18周をこなしたところでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをピットインさせ、状況の打開を狙いました。果たして、No.23 GT-Rはこのピットストップの間にひとつポジションを上げることに成功。新たに松田が乗り込んだ同車は9位で後半スティントを戦い始めました。

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rの後半スティントは35周という長いものになりましたが、同車のペースは良好でした。48周目には前方で2台の車両が接触し、その煽りを受けたNo.23 GT-Rは最大のライバルであるNo.12 GT-Rに前へ出られてしまいましたが、松田が駆るNo.23 GT-Rは2周後にはNo.12 GT-Rを抜き返してみせました。そして、前走車がコースアウトを喫して自ら後退していったこともあって、No.23 GT-Rはレース終盤には7位を走行。そのポジションをキープしてフィニッシュを迎えました。

この結果、ミシュランタイヤを使用するNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、今大会のGT500クラスに出場した4台の日産 GT-Rのトップ2の順位を得ることになりました。また、No.23 GT-Rの松田とクインタレッリのコンビはドライバーズランキング8位となり、こちらもGT-R勢では最上位の結果に。同じマシンで競合他社のタイヤを履くライバルたちを上回るという、SUPER GTにおいてミシュランが最も重要視しているミッションは今年も果たされました。

■日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

 「この週末に我々が持ち込んだスリックタイヤは、今大会用のミディアムとソフトの2種類でした。そして、23号車と3号車のどちらも、予選と決勝のすべての走行においてミディアムを使用しました。タイヤはよく機能し、問題は何もありませんでした。事前テストで確認していた良いパフォーマンスをこの週末においても発揮できていたと評価しています。
今シーズンのGT500クラスで我々のタイヤを履いたのは日産 GT-Rの1車種のみでした。そこで我々ミシュランが最大の目標としたことは、我々のタイヤを履いたマシンがGT-R勢のトップの成績を収めるようにすることでした。その点に関して今大会では、予選で3号車がGT-R勢で唯一のQ2進出を果たし、決勝レースでも23号車と3号車がGT-R勢のトップ2を占める結果を出しました。タイヤメーカーの責任はきちんと果たすことができたと私は考えています。
来シーズンに向けたタイヤの開発はもう始まっています。来る2019年こそは良い結果を得たいと望んでいます」

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2018
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SUPER GT最終戦もてぎ
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R

レース後半、傾き始めた日差しを浴びながら懸命に走り続けたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。最後まで諦めなかった本山 哲のドライビングは、レース終盤にふたつポジションアップを果たすという形で実りました。

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11月11日(日)、シリーズ最終戦の決勝日。ツインリンクもてぎの上には雲ひとつない青空が朝から広がっていました。

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スタート後もポジションをキープしたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(写真右端)に対して、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(写真左から4番目)は2つ順位を下げましたが、ほどなくして挽回。ただし、抜きどころが少ないコースで前走車をかわしていくほどのスピードはなく、No.23 GT-Rのレース前半は我慢の展開となりました。

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コース上で戦況を変えることは難しいと判断したNISMOチームは、最も早いタイミングでピットストップを行うことを選択。そのぶん後半スティントは長いものになりましたが、ここでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのステアリングを託された松田次生はタイヤをうまくマネージメントしながら良好なペースで周回を続け、最後は前を行くNo.6 レクサス LC500に0.47秒差にまで迫ったところでフィニッシュを迎えました。

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No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、GT500クラスの中では遅いタイミングでのピットストップを選択しましたが、今回のレースではその戦略は奏功しませんでした。いずれにせよ今大会における日産 GT-Rはライバルのホンダ NSX-GTやレクサス LC500に対して劣勢で、No.3 GT-Rは9位でレースを終えるのが精一杯でした。

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レースとその表彰式が終わると全出場ドライバーがグランドスタンドに向かって立ち並び、ファンのみなさんからのこの一年の声援に対する感謝の気持ちが表されました。

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2018年は、ミシュランにとっては2009年にGT500クラスに復帰してから10年目のシーズンでした。残された最終成績は満足のゆくものではありませんでしたが、3つの異なるメーカーのタイヤを履き分けている4台の日産 GT-Rの最上位ランキングをミシュランタイヤ装着車が得るという最大の目標は今年も達成することができました。

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