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SUPER GT 2018 ROUND 2
FUJI

■予選:5月3日/決勝:5月4日
■開催地:富士スピードウェイ(静岡県)
■レース距離:500km(110周×4.563km)

MOTUL AUTECH GT-R&ミシュランタイヤ
ゴールデンウィーク富士決戦を制す

2018年SUPER GT第2戦がゴールデンウィーク真っ只中の富士スピードウェイにおいて開催され、ミシュランタイヤを使用するNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が力強い走りと卓越したピットワークによって見事に今季初優勝を飾りました。同車およびミシュランにとっては昨年のシリーズ最終戦もてぎに続く勝利。そして同車のドライバーである松田次生はSUPER GT GT500クラス最多勝記録を更新する通算20勝目をマークしました。なお、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)は今大会を10位でフィニッシュしました。

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SUPER GT第2戦富士 GT500クラス優勝
No.23 MOTUL AUTECH GT-R

レース時間が2時間52分に及び、途中で2回のピットストップをはさんだ長丁場の一戦。その終盤、傾いた太陽からのオレンジ色の陽光を浴びながら、1分30秒台に入れる好タイムをただひとり連発してリードを広げていったクインタレッリ。その力強いドライビングの背景には、路面温度が低下していった中でも安定して高いパフォーマンスを発揮し続けたミシュランタイヤの存在がありました。

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ゴールデンウィーク開催レースにおけるNISMOチームはマシンのリアウイングの翼端板に鯉のぼりを描くのが恒例です。そして今年はNISMOベアが鯉のぼりの着ぐるみをまとった絵柄に。

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予選日の明け方は暴風雨。それが収まった後は、ピット側からコースやグランドスタンドが見えなくなるほどの濃い霧にサーキットは包まれ続け、午前中の走行セッションはすべてキャンセルされました。

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濃霧の影響でイベントスケジュールは大幅な変更を余儀なくされ、公式予選は20分間のセッションを一度行うのみとされました。その予選を前にミーティングを行うNISMOチームの面々。写真左から、ロニー・クインタレッリ、田中利和 日産系チーム総監督、松田次生、中島 健 No.23 MOTUL AUTECH GT-R担当トラックエンジニア、鈴木 豊 NISMOチーム監督。

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山頂付近に雪をいただいた富士山を背景にしたこのシーンは5月のSUPER GT富士ラウンドならではのもの。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはクインタレッリのアグレッシブなドライビングにより上々の予選3位を獲得しました。

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GT500クラス2戦目に臨んだNDDP RACING with B-MAXチーム。予選では、今大会にミシュランが持ち込んだタイヤの中では最も柔らかなミディアムソフトを選択。千代勝正がアタックし、7番手のタイムを記録しました。

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決勝日は掛け値なしの快晴に恵まれ、5万5000人を超える大観衆の来場がありました。富士スピードウェイのピットロードは決して狭くはありませんが、それでもピットウォークのときはご覧のとおりのすし詰め状態に。

予選開催日である5月3日(木)の富士スピードウェイは荒れ模様の天候の影響を大きく受けました。予定では午前8時40分であった公式練習の開始時刻は、濃い霧のために12時50分へと後ろ倒しとなり、そのセッションの実施時間も30分間へと大幅に短縮。また、通常はQ1(予選第1セッション)→Q2(予選第2セッション)と進むノックアウト方式で行われる公式予選も、今大会では20分間のセッションを一度行うのみとされました。

天候とコースコンディションはお昼までには回復し、30分間の公式練習はドライ路面のもとで行われました。各チームは短いセッションの中で予選や決勝レースに向けたマシンやタイヤの最低限の確認を慌ただしく進めましたが、その中でトップタイムをマークしたのはミシュランタイヤを履くNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rでした。

午後3時15分から行われた20分間の公式予選もドライコンディション。各車両でこのセッションに出走するドライバーは1名のみで、タイヤは2セット使用可能という設定でした。GT500クラスに参戦するミシュラン・パートナーチームの2台で今回予選アタックを担当したのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rがロニー・クインタレッリ、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが千代勝正でした。

20分間の予選セッションを各車は前半と後半の2パートに分けて取り組み、どの車両も2セットのタイヤをフルに使ってタイムアタックを行いました。そしてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが1分28秒147という上々のタイムを叩き出して予選3位を獲得。ただしクインタレッリは、「ポールポジションを獲れるポテンシャルがあったのに」と悔しがりました。一方のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは予選7位につけました。

明くる5月4日(金)の決勝レース日は朝から快晴に恵まれ、ゴールデンウィークの真っ只中とあってサーキットにはこの日だけで5万5000人を超える大観衆が集まりました。

今大会はシリーズで2番目に長い500kmのレース距離での開催でした。優勝車両が110周を走り切ったところでチェッカーフラッグが振られ、レース時間は3時間近くになります。そのため、各車両はピットストップおよびドライバー交替を2度行うことが義務づけられていました。つまり、各チームはレースを3つのスティントに分けて組み立て、第1スティントを担当したドライバーが第3スティントで再びドライブする形になるレースでした。

午後2時47分に切られた決勝レースのスタートでは、ロニー・クインタレッリが乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rがひときわ見事なダッシュを見せました。予選2位のNo.6 レクサス LC500を第1コーナーまでにかわして2位に浮上。そのままの勢いでクインタレッリは首位を行くNo.38 レクサス LC500の背後に迫り、コース後半区間で同車を抜き去りました。他メーカーのタイヤを上回るミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さを生かし、No.23 GT-Rは一躍トップに立ってオープニングラップを終えてみせました。

その後、クインタレッリは快調に飛ばして後続との差を少しずつ広げていきました。しかし、GT300クラスの車両による大量の周回遅れが発生する状況を迎えるとペースがやや鈍化。ここで、後方からNo.39 レクサス LC500が迫ってくることになりました。勢いに乗るNo.39 レクサスは23周目にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをパス。もっとも、クインタレッリのNo.23 GT-Rはそのまま追い下がるわけでなく、No.39 レクサスを目前に捉えた状態で周回を重ねていきました。

37周目を終えたところでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは1回目のピットストップを迎えました。松田に交替し、首位を行くNo.39 レクサスとは2秒強の差の2位で第2スティントを戦い始めます。ところが、黄旗提示により追い越し禁止とされていた区間でGT300車両に引っかかるという不運があり、格段に遅いペースにしばらく付き合わされたことで、No.39 レクサスとの差が一気に6秒強へと広がってしまいました。

昨今のSUPER GTでは500kmの長丁場のレースであっても毎周の0.1秒の差が結果を左右するレベルの接戦が展開されており、1秒の差を詰めるのは非常に大変で難しいことになっています。そうした戦いの中で、第2スティントを受け持った松田はその非常に大変で難しい仕事に取り組み、No.39 レクサスににじり寄っていきました。そして、74周目を終えたところでNo.39 レクサスがピットロードへと向かうと、それに対応してNISMOチームは翌周にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの2度目のピットストップを行うことを決定。直接のライバルがピットにとどまっている間にできるだけギャップを縮めておくため、松田はスティントの最終盤を迎えたミシュランタイヤの残存パフォーマンスを最大限に引き出すドライビングで猛然とプッシュ。そうして渾身の1周を終えると、ピットロードに駆け込みました。

すると今度はチームが頑張る番でした。NISMOチームは、燃料補給、全輪のタイヤ交換、そしてドライバー交替を45.3秒という素晴らしい速さでやり遂げてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをピットアウトさせます。その結果、同車はピット作業でNo.39 レクサスをかわすことに成功。首位奪還を果たしました。

次は第3スティントを任されたクインタレッリとミシュランの番でした。ミシュランタイヤはウォームアップ性能の高さを再びアドバンテージとし、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはピットアウトした周回で2位No.39 レクサスを突き放します。その後もクインタレッリは力強いドライビングでプッシュし続け、レーシングラインの外側にはタイヤかすなどが散らばったレース終盤のコース状況にありながら、80周目には今大会の出場全車の中で最速となるラップタイムをマーク。ピットアウトから15周ほどで2位No.39 レクサスに対するリードを10秒近くに広げました。

やがて時刻は午後5時を過ぎ、レーススタート時には36℃あった路面温度はとうに30℃を切るレベルへと低下してきていました。他メーカータイヤ勢にはコンディションに対するタイヤのマッチングの悪化に苦しむ車両が何台も見受けられるようになってきた中、ミシュランタイヤは良好なパフォーマンスを発揮し続けました。そして、残る20周ほどの周回もクインタレッリは手を緩めることなくプッシュし続け、No.23 MOTUL AUTECH GT-R&ミシュランタイヤは結果的には独走の形で今季初優勝をマーク。松田にとってはSUPER GT GT500クラス最多勝記録を更新する通算20勝目、クインタレッリにとっては通算14勝目、そしてミシュランにとってはGT500クラス通算19勝目となりました。また、ミシュランタイヤ装着車による日産 GT-R NISMO GT500勢最上位の獲得はこれで11戦連続で果たされる結果となりました。

もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、今大会のコンディションに対するマシンやタイヤのマッチングがNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rと同等とはならず、千代が担当した第1スティントで伸び悩むことになりました。しかし、本山が乗り込んだ第2スティントからNo.23 GT-Rと同じミディアムタイヤにスイッチするとペースを取り戻し、やはりミディアムタイヤを履いた第3スティントでは再びステアリングを握った千代が今大会4位となるベストラップを記録。最終結果は優勝車両から1周遅れの10位にとどまりましたが、次戦以降につながる内容で今大会を終えました。

■日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

 「今回のレースに我々は、ドライコンディション用のスリックタイヤに関しては、ミディアムソフト、ミディアム、ミディアムハードという3種類のタイヤを持ち込みました。そして23号車は、予選と決勝レースにおける3つのスティントすべてでミディアムを使用しました。一方の3号車は、予選でミディアムソフトを選び、決勝の最初のスティントは自ずとそのタイヤを使いましたが、第2スティントでミディアムにスイッチし、最後の第3スティントでもミディアムを履きました。
 不順な天候の影響で予選日のスケジュールが大幅に変わり、走行時間がかなり短くなってしまいました。我々ミシュランは、30分に短縮された練習走行と20分の予選でもタイヤのパフォーマンスを確認することができましたが、チーム側にとってはマシンの状態を確認しセットアップを合わせていくには時間が不十分でした。もちろん、そうした条件はどのチームにとっても同じなのですが、今回は特に3号車には厳しい条件に響いてしまった格好です。一方、23号車はセットアップをうまく合わせ込むことができ、我々が今回持ち込んだタイヤのパフォーマンスを存分に引き出して勝ってくれたのは幸いでした」

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明 2018
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SUPER GT第2戦富士 GT500クラス優勝
No.23 MOTUL AUTECH GT-R

2度目のピットストップの直前のインラップで松田次生が鬼気迫る走りを見せてタイムを詰め、それを受けてNISMOチームのピットクルーが見事なピットワークをやってのけてポジションをひっくり返し、首位に浮上。その後は、今大会で2度目のスティントを任されたクインタレッリが好タイムを連発してリードを広げるという素晴らしい内容で今季初のファーストチェッカーを受けました。

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3番手グリッドからレースに臨んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rですが、クインタレッリが抜群のダッシュを決め、第1コーナーには2位で進入。勢いそのままにクインタレッリは、今度は目の前を行くNo.38 レクサス LC500に照準を定めました。

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他メーカーのタイヤを上回るミシュランタイヤのウォームアップ性能の高さに後押しされ、クインタレッリはオープニングラップの後半に入ったところでNo.38 レクサス LC500を仕留めてトップに浮上。2015〜2016年にこの5月開催のSUPER GT富士ラウンドを2年連続で制したMOTUL AUTECH GT-R&NISMO&ミシュランタイヤの強さの復活が印象づけられたレース序盤のパフォーマンスでした。

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レース終了後、マシンを所定の位置へと運ぶパートナーのクインタレッリに喜びの声をかける松田。今年でSUPER GT参戦19年目になるこの日本人ドライバーはGT500クラスの最多勝記録をまた更新、ついに20勝目の大台に乗せました。

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これで通算3度目の富士500kmレース優勝を果たした松田/クインタレッリのコンビ。今大会を終えたところで、2位に10ポイントと比較的大きな差をつけながらのランキングトップに浮上しました。

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予選で使用したミディアムソフトを自動的に履くことになった第1スティントでは苦戦したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rですが、ミディアムタイヤにスイッチしてからはペースアップ。次戦の鈴鹿が期待されます。

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今大会におけるミシュランタイヤは他メーカーのタイヤを上回るウォームアップ性能や路面温度の変化に対する安定性を発揮。そしてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの勝利により、日産 GT-R NISMO GT500勢の最上位を得るというミシュランにとって一番の目標は文句なしの形でまた達成されました。

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