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雨の時期は特に重要!

タイヤの空気圧次第で燃費が改善?
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本格的な雨シーズンを迎えた日本列島、みなさまタイヤの準備は万全でしょうか?
前回はタイヤの健康状態(摩耗)についてお伝えしました。今号では、より安全安心なカーライフを送るのに欠かせない“タイヤの空気圧“についてお話ししていきましょう。

多くの方が自転車に乗った経験があるかと思いますので、タイヤの中に空気が入っていることは知られていると思います。自転車のタイヤに空気がしっかりと入っている時は楽しく快適に走れますよね。しかし、いつの間にかタイヤの空気が少なくなっていて思い通りに走れない、といった思いをしたことはありませんか?実はクルマも自転車同様にタイヤに充填された空気は時間の経過と共に自然に少しずつ抜けてしまいます。使用条件によって違いこそありますが、1カ月で5%程度低下します。さらに空気は水分を含んでいるため、気温の寒暖差によっても大きく膨張や収縮してしまいます。特に寒い日は空気圧不足に陥りやすいので要注意です。タイヤの空気圧は想像よりも変動してしまうので空気圧チェックを定期的に行う必要があります。

みなさんは最後にクルマのタイヤ空気圧を計ったのはいつでしょうか。タイヤを新しく買い替えた時、スタッドレスタイヤから夏タイヤに交換した時、ガソリンスタンドやカーディーラーで店員さんにチェックしてもらう時など、様々なシーンでチェックする機会があるかと思います。しかし、ガソリンスタンドのセルフ化が進んでいることや、クルマ自体の故障が減ってきたこともありディーラーに行く機会が減ったことで”誰かにチェックをしてもらう“機会が少なくなってきています。
事実として、日本自動車タイヤ協会*によると、点検を行った乗用車121台のうち59台に空気圧不足が確認されています。2台に1台が空気圧不足に陥っている状態という驚きの結果でした。

タイヤの整備不良の項目別内訳

* 一般社団法人日本自動車タイヤ協会による東名高速道路浜名湖SAにおけるタイヤ点検結果(2019年)よりタイヤ整備不良の項目別内訳

さらにアンケート結果から自身で空気圧チェックをする人はたったの16%しかいないという事実も分かりました。

エアゲージを使用したタイヤの空気圧点検は主に誰が行っていますか?

* 一般社団法人日本自動車タイヤ協会による東名高速道路浜名湖SAにおけるタイヤ点検・アンケート調査結果(2019年)

その頻度は、どれくらいですか?

* 一般社団法人日本自動車タイヤ協会による東名高速道路浜名湖SAにおけるタイヤ点検・アンケート調査結果(2019年)

この調査によれば、その頻度については月に1回以上の人が13%、つまり87%の人が推奨頻度では空気圧点検を行っていないということでした。
タイヤの空気が自然に1か月で5%も抜けてしまうことを考えると、大変少ない頻度と言えます。

やはり自身でチェックする意識を持つことで「いつの間にか空気圧不足になっていた!」ということを避けられます。いくら性能の高いタイヤを購入したとしても、その性能はタイヤの空気圧がきちんと適性値にあって初めて実現できるのです。

空気圧が正しくないとタイヤの接地面と運転に大きな影響が出ます。空気が足りないことでタイヤはクルマの重さに耐えられず潰れてしまうのです。

空気圧ごとの接地面圧の違い

空気圧ごとの接地面圧の違い

空気圧が適性値であればタイヤの“はがき一枚分ほどの接地面”であっても、面圧が均等になるため、“進む・曲がる・止まる”がしっかりと発揮できます。空気圧が足りないと接地面に偏りが発生しタイヤ全体がたわんで潰れてしまうのです。タイヤそのものが変形してしまうために、ステアリングが重くなったり、路面にステアリングを取られやすくなったり、クルマがふらつくことにも繋がってしまいます。さらに接地面積が増えるということは転がり抵抗も増えてしまうため、燃費にも大きな影響を与えてしまいます。接地面に偏りが出ると、偏摩耗が発生(前回:「梅雨に向けて要チェック!ご存じですか?あなたのタイヤの健康状態」をご参照ください)するので、タイヤの寿命を大幅に低下させてしまうため、燃費悪化と併せて経済的にも良いことがありません。特に扁平が低いタイヤは見た目上はタイヤのたわみが分かりにくいので注意が必要です。

雨の日の走行シーン

雨の日はさらに影響が出てきます。タイヤのトレッドパターンには水を掻き出す排水性能を持たせていますが、空気圧不足だと水を掻き出せずに水の上に乗ってしまうため安全性が大きく低下してしまうことに繋がります。安全安心を求めて性能の高いタイヤを購入していても、空気圧が不足している状態ではタイヤの性能を大きく低下させてしまうため、燃費やタイヤの寿命の低下という家計への負担や、大切な家族を巻き込んでしまう危険な事故へと繋がる可能性が高くなってしまいます。そういったリスクを避けるためにも、タイヤの性能を最大限発揮するためにも、少なくとも月に一度はみなさん自身でクルマやタイヤサイズに合った適性空気圧に合わせることが大切なのです。
タイヤの空気圧はクルマごと、タイヤサイズや乗車人数によって適性値が定められているのをご存じでしょうか。多くはクルマの運転席ドアを開けたところに適性空気圧が表記され、クルマのグレードによるタイヤサイズの違いと同じく、タイヤの空気圧もそれぞれのサイズによって適性値が決められています。

タイヤ空気圧の適正値

エアーチェックをする際のポイントは、旅行やドライブ前や、朝方などのタイヤが冷えている状態で点検することです。タイヤは走れば走るほど熱を発生しタイヤ内の空気が熱膨張します。温まっている状態で適性値に合わせてしまうと、いざタイヤが冷えてしまったときには収縮してしまうため、空気圧不足になってしまうので点検するタイミングが重要になります。もちろんディーラーやフルサービス式のガソリンスタンドに行く際はタイヤのエアーチェックをお願いすることもお勧めですが、行く機会が少ないお店に任せきりにならないためにも、何かが起きてしまう前にご自身で安全を確認するエアーチェックが大事です。今ではセルフ式のガソリンスタンドに貸し出し用のエアータンクが置いてある店舗も多いため、特別なことと思わずに日常的にエアーチェックを行う意識が一番大切になり、安全に繋がります。

タイヤの適正空気圧の確認の仕方

タイヤの適正空気圧の確認の仕方

日頃からしっかりとした空気圧管理されることで家族や友人との旅行やドライブが初めて安全に楽しい旅となります。ちょっとした「大丈夫だろう」という油断から思わぬアクシデントに繋げないためにも、本格的な梅雨が始まる前にクルマを支えるタイヤを見直ししてみましょう。みなさんのタイヤの状態は本当に安全に走れますか?大切な人の笑顔がいつまでも続くためにも、タイヤに対する日頃の安全意識が重要になります。あなたの素敵なカーライフを支えるのは、ご自身の日常の安全管理があってこそ、です。ミシュランタイヤは“最後まで長く続く性能を目指した製品づくり”により、ドライブの楽しみや安全性をお届けします。

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ライター

番場彬プロフィール画像

番場 彬 / Akira BAMBA

1986年 東京生まれ。2006年世界ラリー選手権で初ラリー参戦(20歳)を果たす。2010~11年にはアジア・パシフィック・ラリー選手権ジュニアカップ2年連続チャンピオンを獲得。2010年より自動車メーカー公認ドライビングインストラクターを務める。現在では2019年よりモータージャーナリスト活動をスタートし活動の場を広げている。

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