tire tips 03 hero bamba01

梅雨に向けて要チェック!ご存知ですか?あなたのタイヤの健康状態

MEM  バナー 「ミシュランニュースレターに登録」

昨今、ニューノーマルが始まり移動手段を見直される方が増えています。電車移動からクルマ移動へと切り替わる方も多くなり、これを機に“より良いカーライフ”へ見直しをする動きが増えてきています。
そんな中、みなさんはタイヤの健康状態(=コンディション)についてしっかり把握されていますか。タイヤのコンディションを最後に確認されたのはいつでしょうか。首都高速道路株式会社によると、雨の日は晴れの日に比べて1時間当たりの交通事故件数が約4倍に増加します。そろそろ雨が多くなってくる季節だからこそ、本格的な梅雨が始まる前に安全と安心に直結するタイヤチェックの重要性についてお話しします。

タイヤ ミシュランフ ライマシー4 溝 フ ラットフォーム インシ ケー

タイヤの性能は時代やテクノロジーが発展していくことで日進月歩しています。一方で、どんなに高性能なタイヤであっても、現代のタイヤの性質上“走った分だけ摩耗する”ことからは絶対に避けられないのも事実です。せっかく購入したタイヤのベストコンディションを長く維持するためには、ドライバーによる適切な管理も必要不可欠になります。
今回は「タイヤの摩耗」についてお伝えしていきましょう。

タイヤはクルマと路面を唯一繋ぐものですが、そのタイヤは1本あたり“はがき一枚ほど”の面積しか路面に接地していません。小さなはがき4枚ほどの面積だけでクルマを進め、曲げ、止めているのですから、タイヤの摩耗状態によっては走行性能だけではなく、安全性能に大きな影響を与えてしまいます。新品タイヤと摩耗したタイヤでは何が大きく変わるのかというと、トレッドの溝の深さに大きな違いが生まれます。新品タイヤのように溝が深い状態であれば、降雨による路面上に水が溜まっている状態でも、深い溝による高い排水性からしっかりとタイヤが地面に接地できるため安全に走ることができます。しかし摩耗したタイヤは溝が浅くなっているため、排水性能が低下し水の上にタイヤが乗って浮いてしまう状態になります。それが雨の日に起きる事故の原因になりやすいハイドロプレーニング現象です。

排水性能の比較 100km hて の走行時

排水性能の比較(100km/hでの走行時)
左:新品タイヤはしっかり排水している。 右:残溝1.6mmのタイヤは排水性が低下し接地面が水に浮いている。

ひとたびハイドロプレーニング現象が起きてしまうとプロドライバーであっても対処が出来ません。ブレーキをかけても、ステアリングを切っても、タイヤが浮いてしまっているせいで大きな効果は得られないのです。特に雨の影響から視界不良になり、リスクが増える中、高速道路などの走行スピードが高くなればなるほどタイヤの排水性能が低下し、タイヤが浮き上がってしまう大きな要因になってしまいます。そして溝が浅くなってしまったタイヤほどその影響力が高くなってしまいます。事故などのトラブルを起こさないように予めタイヤの摩耗状況を確認しておく必要があるのです。

極端に摩耗していない状態であっても溝が浅くなっている場合は排水力が低下するため、運転には注意が必要です。雨天時にブレーキの利きが悪くなったり、カーブでスリップしやすくなったりとトラブルに直結するリスクが高まります。そのリスクを減らすために溝が減ってきているという認識を常に持つことが大事になります。その意識掛けと同時に、路面が濡れているなどのコンディションが悪い状況では普段以上に丁寧な操作を心掛け、普段より速度を落とす意識がとても重要になります。自分のクルマのタイヤの状況をしっかり把握することは、いかなるリスクからも自身や、同乗する大切な人を守ることに繋がる責任なのです。

タイヤ ミシュランクロスクライメートフ ラス 排水

実際、私が活動していたラリーやサーキットの世界でも、いかに速く走るかを追求することと同じく“タイヤの状態”を常に意識して走ることが大切でした。タイヤを無駄に減らさない無理のないドライビングが出来ているかなど、高い速度域でも常にタイヤの状態を意識しているのです。そうした意識を持つことでリスクを低減させ、タイヤの性能をなるべく低下させずにゴールさせることが結果に繋がっていくのです。タイヤに対する意識は“競技だから”という特別なことではなく、実は普段の一般道でも同じことを意識しています。とくに“急”が付く操作は全てタイヤに悪影響を与えてしまうため、常に気持ちに余裕を持ったスマートな運転を心掛けると、タイヤの摩耗を緩やかにさせ、性能を長く維持させることができます。

タイヤはどこまで摩耗しても大丈夫ですか?と、聞かれることがよくあります。
実はどなたでも簡単に判断することが出来るのです。ここでお伝えしたいことは、タイヤの使用限界は法律で明確に「タイヤのトレッド溝の深さの限界は1.6mm」と定められているため、そこが限界になります。
しかし目測で1.6mmを測ることは困難であることから、簡単に測定する方法を2つ紹介します。
ひとつ目はトレッドデプスゲージを使った測定です。ネットショップでも簡単に手に入るデプスゲージは、タイヤのトレッド溝の深さを正確に測ることができるため誰でも簡単に溝の深さを測ることができます。毎日運転される方には必須と言っても良いツールです。
もう一つはタイヤのトレッド溝の中にあるスリップサインになります。スリップサインとはトレッド溝の深さの限界1.6mmを分かりやすく視覚化した段差部分のことです。

部分的摩耗

スリップサインはタイヤ全体にいくつも配置されていますが、その中のどれかひとつでもトレッド表面がスリップサインに達している場合は危険な状態になるため、そのタイヤを使用することは出来ません。もちろん法律で定められた限界の1.6mmに達していることになるので車検を通すこともできません。スリップサインまで達していなくても、スリップサインに近づいている時点でお近くのタイヤ販売店に相談されることを強くおすすめします。どちらの測定方法であってもトレッド面にある溝の全てを点検することが大切です。

外側の方が見やすく、スリップサインに達していないから大丈夫と思っても、実は内側の溝だけスリップサインに達していることがあります。このようにどこか部分的に摩耗している状態を偏摩耗と呼びます。偏摩耗には必ず原因があり、クルマのアライメントの不良だったり、空気圧の過不足だったり、何かしらの要因によって偏摩耗は起きるのです。

摩耗の種類と原因

特に自分でタイヤ交換を行ったとき、走行中に段差や何かにタイヤをぶつけてしまったとき、重たいものを積んで走った時などは注意が必要です。空気圧の過不足やアライメントの不良等が起こりやすく、タイヤに対する環境が変わった時ほど偏摩耗が起きやすくなります。
偏摩耗がもたらす問題は接地面を小さくしてしまうことです。はがき1枚ほどの接地面しかないタイヤが偏摩耗してしまうと、タイヤの性能は大きく低下します。乾いた路面でもタイヤの性能を大きく下げてしまう偏摩耗にいち早く気付くためにも、定期的な点検が有効です。タイヤの空気圧と併せて一ヵ月に一度は点検をすることを推奨します。

春から梅雨に向かって雨が多くなる時期だからこそ、みなさんの安全を担保するタイヤのコンディション、いま一度しっかりと確認しませんか?“安全”は皆さんの行動ひとつで大きく変わるのです。

番場彬もリアルに感じた!

番場彬、バンビ

 ここまで摩耗がもたらすリスクについてお伝えしてきましたが、冒頭でお伝えした通りにタイヤは走れば走るほど摩耗します。
だからこそ性能が長く続くように設計されているミシュランタイヤを選んで頂く事が安心と安全に繋がるのです。
私自身PILOT SPORT 4を愛用している中で特に感じていることは、ミシュランタイヤのトータルバランスの高さです。
 PILOT SPORT 4に履き替えた時の感動は今でも忘れられません。走り出しから静かで滑らかでしなやかな乗り心地の良さ、どんな速度域でも安定して路面をしっかり捉える高いグリップ性能、何よりそれらの高いレベルのバランスを持続させる耐久性はミシュランだからこそ実現できる世界なのです。1年に2万5000キロ以上走る私の愛車には、いま2セット目となるPILOT SPORT 4が装着されています。今までタイヤを新調したときはそれまで履いていた摩耗したタイヤと新しいタイヤとの差を強く感じ、新しいタイヤの印象が良く感じることが当たり前でした。しかし2セット目のPILOT SPORT 4に履き替えた時に、本来であれば当然感じるはずの新品タイヤだからこそ得られる大きな性能差を感じることがなかったのです。それだけ高い性能が長く続いていたのだと、驚きと安心感と頼もしさを同時に得たことを覚えています。ひとつのタイヤで2度も驚きを味わえたのは、最後まで続く性能を目指したミシュランのタイヤづくりの考え方があるからだと実感しました。

ミシュランのサステナブルな取り組み

ミシュランは2050年までにタイヤを100%持続可能にする目標を掲げています。
実際ミシュランタイヤの原材料の28%は既に天然素材かリサイクル素材、持続可能な原材料で作られています。そういった取り組みを進める中で、新たに2021年内にミシュラン初のタイヤリサイクル工場を南米チリにて建設し、使用済みタイヤから持続可能材料に再生させるプロジェクトも進んでいます。さらに現在タイヤを製造するために必要な200種類以上の素材全てを持続可能なものへ切り替える取り組みも発表しました。例えば合成ゴムには重要な石油由来の成分をバイオマス由来のもの代えたり、プラスチックやペットボトルのリサイクル素材を取り入れたり、使用済みタイヤから得たブラックカーボンなどを使用することで、消費していく時代から持続可能なモビリティを作り出す取り組みを進めています。すべてはミシュランの掲げるサステナビリティのひとつである「最後まで続く性能を目指した製品づくり」を実現させるためなのです。

cids

ライター

番場彬プロフィール画像

番場 彬 / Akira BAMBA

1986年 東京生まれ。2006年世界ラリー選手権で初ラリー参戦(20歳)を果たす。2010~11年にはアジア・パシフィック・ラリー選手権ジュニアカップ2年連続チャンピオンを獲得。2010年より自動車メーカー公認ドライビングインストラクターを務める。現在では2019年よりモータージャーナリスト活動をスタートし活動の場を広げている。

MEM バナー 「ミシュラン ニュースレターに登録」
MICHELIN EXPERIENCE MAGAZINE これまでの記事はこちらから
You are using an unsupported web browser
本ウェブサイトではサポートされていないウェブブラウザをお使いのようです。一部の機能が正常に作動しない場合があります。閲覧中に動作が不安定になる場合があります。このウェブサイトを最大限活用していただくため、以下のブラウザのいずれかを使用していただくか、アップグレードまたはインストールしてください