WRC 2019 ROUND 7
PORTUGAL
■5月30日〜6月2日
■開催国:ポルトガル
■ステージ路面:グラベル
トヨタ勢が激しいチームメイトバトルを展開
オィット・タナックが2連勝・今季3勝目をマーク
今シーズンのWRCでは5戦目、ヨーロッパ開催のWRCでは今季初のグラベルイベントとして行われたラリー・ポルトガルは、トヨタ勢が首位の座をかけ激しい攻防を終始展開した一戦となりました。その戦いを制したのはオィット・タナックで、前戦ラリー・チリに続いての勝利により今季3勝目をマークしました。終盤まで僅差でタナックと首位を争ったチームメイトのクリス・ミークは、最後の2本のスペシャルステージで立て続けに手痛いミスを犯して脱落。ヒュンダイのティエリー・ヌービルが繰り上がって2位でフィニッシュしました。
ハイライト
Highlights - 2019 WRC Rally de Portugal - Michelin Motorsport
Highlights
Leg 1 - Top Moments - 2019 WRC Rally de Portugal - Michelin Motorsport
Leg 1
Leg 2 - Top Moments - 2019 WRC Rally de Portugal - Michelin Motorsport
Leg 2
Shakedown - 2019 WRC Rally de Portugal - Michelin Motorsport
Shakedown
ギャラリー
ラリー・ポルトガル総合優勝
オィット・タナック(トヨタ・ヤリス WRC)
ランキング2位で今大会を迎え、デイ1では2番手で各スペシャルステージを走らなければならなかったタナック。路面の掃除役となるハンディがありながらもトップタイムを連発し、SS3を終えたところで首位に立ちました。今大会ではチームメイトのふたりも素晴らしい速さを見せて挑みかかってきたほか、デイ2ではブレーキトラブルとサスペンショントラブルに見舞われて貴重なタイムを失うなどしましたが、それでもタナックは首位の座を守り抜いて価値ある勝利を挙げました。
ラリー・ポルトガルは古くから国際ラリーにおけるメジャーイベントのひとつとして開催されてきた歴史を持つラリーです。今大会の拠点は大西洋に面したポルトガル北部のマトジニョスに置かれ、木曜の夕方には首都リスボンとの間にある古都コインブラでセレモニアルスタートが催されました。
ロウザやアルガニルといったラリー・ポルトガルの伝統的なスペシャルステージが設けられたデイ1。速さを見せたのはトヨタ勢で、タナック、ヤリ‐マティ・ラトバラ、クリス・ミークの3人による1-2-3体制でこの日を終え、特にタナックは17.3秒ものリードを早くも築いていました。
デイ1の最後を締めくくったのはラリー・ポルトガルの名物のひとつであるロウサダのスーパーSS。ラリークロスサーキットを舞台に2台同時スタートで行われるショー的な短いスペシャルステージですが、今年も数万人の観客が押し寄せて迫力の走りを楽しみました。
デイ2に入ると、2位につけていたラトバラがサスペンショントラブルに見舞われたほか、首位を行くタナックも同じトラブルとブレーキトラブルのダブルパンチを受けてタイムロス。一方、ミークは好調にこの日を戦い、タナックに4.3秒差にまで迫って最終日を迎えることになりました。
チームメイト同士による秒差を争うバトルは、最終日にミークが手痛いミスを立て続けに犯して脱落したことにより決着しました。速さとともに強さを示したタナックが2連勝での今季3勝目を挙げ、ドライバー選手権では首位のセバスチャン・オジエと2点差のランキング2位に浮上しました。
前戦ラリー・チリでリタイアを喫したことによる心理的な影響から、今大会の序盤は抑え気味に走ったヒュンダイのティエリー・ヌービルですが、やがてペースを上げて着実にポジションアップ。上々の結果と言える2位で終え、首位と10点差のランキング3位につけてシリーズを折り返しました。
タイムコントロール前での時間調整中、何やら語らうタナック(写真左)とセバスチャン・オジエ(写真右)。ポイントリーダーとして今大会を迎えたオジエは路面の掃除役のハンディが大きく我慢のラリーを強いられましたが、それでも3位に入り、今季5度目の表彰台をもぎ取りました。
若手ドライバーのみの編成で奮闘を続けるMスポーツ・フォード。今大会では写真のティーム・スンニネンがSS5でトップタイムを刻むなどして4位に入賞。エルフィン・エバンスもトラブルによる遅れを喫しながら5位に入り、2台そろっての上位フィニッシュを果たしました。
ミディアムコンパウンドのMICHELIN LTX Force M6が今大会における主力で、ミシュランは同タイヤを28本、そしてハードコンパウンドのH4は16本、計44本をワールドラリーカー各車に用意。その中から各クルーはラリー本番で使用する28本の組み合わせをスタート前に決めて競技に臨みました。