supergt 2022 rd07 00

SUPER GT 2022 ROUND 7
AUTOPOLIS

■予選:10月1日/決勝:10月2日
■開催地:オートポリス(大分県)
■レース距離:300km(65周×4.674km)

CRAFTSPORTS MOTUL Zが7位でフィニッシュ
千代勝正/高星明誠組はランキング首位で最終戦へ

全8戦で争われているSUPER GTシリーズの2022年シーズン第7戦がオートポリスで開催され、GT500クラスのポイントリーダーとして今大会を迎えたミシュランユーザーのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは7位に入賞。同車をシリーズ全戦でドライブする千代勝正と高星明誠のコンビは、ドライバーズランキング首位を堅守して、次戦であるシリーズ最終戦に臨むことになりました。もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、レースの途中でマシンに不具合が発生。その修理のために大きく後れ、14位でフィニッシュしました。

supergt 2022 rd07 result
supergt 2022 rd07 01

SUPER GT第7戦 オートポリス
CRAFTSPORTS MOTUL Z

ランキング首位ということは、サクセスウェイトが最も重いということ。そんなハンディを跳ねのけ、千代勝正と高星明誠がドライブするNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは7位でフィニッシュ。今大会の結果、ミシュランタイヤ装着車が、GT500クラスのポイントリーダーとして最終戦に臨むことになりました。

supergt 2022 rd07 02

この週末のオートポリスは、秋晴れを通り越して、夏を思わせる晴天と暑さに。強い日差しに照らされたコースの路面温度は、決勝のスタート時には41℃にまで上昇していました。

supergt 2022 rd07 03

No.23 MOTUL AUTECH ZはGT500クラスで3番目に重いサクセスウェイトで出場。Q1ではロニー・クインタレッリが全力でアタックしましたが、わずかな差でQ2進出を逃しました。

supergt 2022 rd07 04

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの高星が、Q1でのタイムアタックを前に、集中力を高めていました。表向きには華やかなレーシングドライバーの本当の仕事は、実に孤独な作業なのです。

supergt 2022 rd07 05

No.7 Studie BMW M4は、今大会には荒 聖治と近藤 翼のコンビで出場。第3戦鈴鹿大会以来の登場となった近藤がQ2でアタックをしっかり決め、予選10位のポジションを得ました。

supergt 2022 rd07 06

3号車を走らせるNDDP RACINGのスタッフに、タイヤの運用情報を伝えるミシュランのタイヤテクニシャン。各パートナーチームのタイヤを管理することも、重要な仕事のひとつです。

supergt 2022 rd07 07

決勝の前には、航空自衛隊 新田原基地のF-15戦闘機3機がサーキット上空を通過。レース開催を盛り上げました。オートポリスでこうした歓迎飛行が実施されたのは初めてのことでした。

SUPER GTシリーズでは、サクセスウェイトと呼ばれるハンディを、ドライバー部門のシリーズポイントに応じて各出場車両に課す制度を採用しています。GT500クラスでは、第2戦から第6戦までは、前戦終了時点での獲得ポイントの1点につき2kgの、そして第7戦では1点につき1kgのハンディウェイトを課すルールになっています。

今大会は第7戦であり、各車に課されるハンディは軒並み前戦の半分ほどに。ポイントリーダーとしてこの週末を迎えた千代勝正/高星明誠組のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zのサクセスウェイトは54kgで、実際には、エンジンへの燃料供給量の規制が1段階強められ、その上で37kgの重りを積んだ状態で出走。また、ランキング3位で今大会を迎えた松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH Zは、燃料供給量規制はない状態で、37kgのサクセスウェイトを搭載して走りました。

【今大会のGT500クラス用ミシュランタイヤ】
■ドライコンディション用:スリックタイヤ(ソフト、ハード)

【GT500クラス予選】
今大会は週末を通じて好天に恵まれました。GT500クラスのQ1(予選第1セッション)は、10月1日(土)の午後3時33分に開始。気温は26℃、路面温度は36℃でした。

Q1におけるタイムアタックは、No.23 MOTUL AUTECH Zはロニー・クインタレッリが、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは高星明誠が担当。GT500クラス出場全車の中で3番目に重いサクセスウェイトで出場のNo.23 MOTUL AUTECH Zは、Q1突破までわずか0.05秒ほど届かず9番手に。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、GT500で最も重いサクセスウェイトが響いて、13番手に終わりました。

【GT500クラス決勝】
決勝日の10月2日(日)もオートポリスは晴天に恵まれました。強い日差しが地表を照らし続けたため、午後1時35分のフォーメイションラップ開始時で、気温は28℃、路面温度は41℃と、この時期の同所としてはかなり高めでした。

予選上位車両がドライバーのモラルハザードポイントの累積によってスターティンググリッド4グリッド降格の処分を受けたことから、No.23 MOTUL AUTECH Zは予選順位よりひとつ繰り上がって8番手グリッドからのスタートに。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは予選順位のとおり13番手グリッドから戦いを始めました。

ロニー・クインタレッリが乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH Zは、オープニングラップで2つ順位を落として10番手に。一方、千代勝正がステアリングを握ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、対照的に2つ順位を上げて11番手で2周目に突入。そして、3周目にはNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL ZがNo.23 MOTUL AUTECH Zの前に出て、ミシュラン勢で順位を入れ替えました。

No.23 MOTUL AUTECH Zはその後もペースに苦しみ、12周目には12番手に後退します。ただし、クインタレッリはそれ以上のポジションダウンは許しませんでした。そして、レース周回数の3分の1を22周目終了時に越えてピット作業の実施が可能になると、NISMOチームは23周目終了時にNo.23 MOTUL AUTECH Zをピットインさせます。そして、松田次生に交替して、長い後半スティントを戦い始めようとしましたが、ピットアウトした周回でカーナンバー23のNissan Z GT500にトラブルが発生。松田はスロー走行でマシンをピットまで戻しました。

No.23 MOTUL AUTECH Zはステアリング系のトラブルに見舞われていました。NISMOチームはその修理作業を行って23号車を戦列に復帰させましたが、そのとき同車はトップから2周後れとなっていました。

不運に見舞われた23号車に対して、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは堅調にレースを戦いました。3周目で10番手に上がった3号車は、前走車とのギャップを詰めていきましたが、オーバーテイクには出られませんでした。そこでチームは、24周目終了時にピットストップを実施して、戦いの流れを変えようとしました。果たして、後半スティントに入ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、30周目にはNo.64 ホンダ NSX-GTをパスしてポジションアップに成功。37周目には、上位走行車両にドライブスルーペナルティが科されたことで、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはまたひとつ順位を上げました。

GT500クラスの走行車両全車がルーティンのピットストップを終えた41周目終了時で、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは9番手を走行していました。さらに、7番手を走っていた車両がトラブルに見舞われたため、46周目に3号車は8番手に浮上しました。

その後、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zを駆る高星は、前を行くNo.36 トヨタ GRスープラの背後に迫っていき、オーバーテイクを何度も試みました。そして、残り周回数が5周を切ったところで、ついにNo.36 GRスープラをパス。そこで得たポジションをキープしてフィニッシュしました。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは7位に入賞し、貴重な4ポイントを獲得。ポイントランキング首位の座を保ちました。

一方、24周目にステアリング系トラブルに見舞われたNo.23 MOTUL AUTECH Zは、修理後は良好なペースでレース後半を走り、14位ながら完走を果たしました。

【GT300クラス】
ミシュランがGT300クラスでタイヤを供給している唯一の車両であるNo.7 Studie BMW M4ですが、今大会には荒 聖治と近藤 翼というコンビでエントリー。41kgのサクセスウェイトを搭載しての出場でした。

GT300クラスは出場台数が多いことから、予選Q1はAとBの2つのグループに分けて行われていますが、No.7 Studie BMW M4は今回はBグループに出走。荒のアタックによってグループ5位のタイムを刻み、Q1突破を果たしました。そして、Q2では近藤がアタック。10番手タイムをマークして、予選10位を獲得しました。

荒がステアリングを握ってスタートした決勝レースでは、オープニングラップで2つ順位を上げ、前半スティントの大半で8番手を走行。しかし、ペースを維持するのがやがて難しくなり、22周目には1台に先行を許しました。そこでBMW Team Studie x CSLチームは、22周目終了時にNo.7 Studie BMW M4をピットに入れて、燃料補給、タイヤ交換、ドライバー交替を実施しました。

近藤が担当した後半スティントは結果的に38周という長さのものになりましたが、その大半でNo.7 Studie BMW M4は9番手を走行。しかし、残り6周を切ったところで1台に先行されました。さらに最終ラップでは、タイヤのトレッド面にコース上のゴムかすが貼り付く、いわゆるピックアップが発生してしまい、ライバル2台に前へ出られて、12位でのフィニッシュとなりました。

odajima 2022
■日本ミシュランタイヤ モータースポーツダイレクター 小田島広明のコメント:

「オートポリスでのこのレースに我々は、GT500クラス用のドライタイヤとしてはソフトとハードを、同じくGT300クラス用にはソフト、ミディアム、ハードの3種類を用意していました。我々のミシュランタイヤを使用する2台のGT500はともに、予選と決勝のすべてをハードタイヤで走りました。一方、GT300クラスの7号車は、Q1ではミディアムを履きましたが、Q2ではハードを使い、決勝はすべてハードタイヤで走りました。
 今回の我々は、タイヤのパフォーマンスにおいて大きなアドバンテージを持ってはいませんでした。ですが、この週末に我々が持ち込んだタイヤは、対応温度レンジも含めて、決してターゲットを外してはいなかったと思います。レースに関しては、トラフィックやその他の要因によって、ポジションを上げていくことが難しかったですね。それでも、GT500クラスにおいては、3号車がポイントランキング首位をキープして最終戦に臨むことになりました。23号車に起こったのは、ステアリングシステムの問題です。それを修理した後は、トップランナーと互角のペースで走れていたので、残念です。
 GT300クラスの7号車についてですが、タイヤの内圧が想定より高くなっていました。ただし、レースの最終盤まではトップ10を走り続けましたし、タイヤの摩耗については問題はありませんでした。
 このオートポリスでのレースを終えて、次戦であるシリーズ最終戦に我々のミシュランタイヤ装着車がGT500クラスのポイントリーダーとして臨むことに、そしてまた、同じNissan Zの他のタイヤメーカーと対決することに、とてもワクワクしています」

supergt 2022 rd07 08

SUPER GT第7戦 オートポリス
CRAFTSPORTS MOTUL Z

末尾から3番目である13番手グリッドからのスタートだったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zですが、300kmレースを7位でフィニッシュ。とりわけ、59周目にNo.36 トヨタ GRスープラを攻略し、獲得ポイントをさらに1点増やしたことは大きく、このときステアリングを握っていた高星明誠の奮闘を、パートナーの千代勝正が褒め称えていました。

supergt 2022 rd07 09

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはスターティンググリッドにつくと、タイヤを外して天日にあてていました。スタート時のタイヤの温度を少しでも高くするための、地道な努力の一端です。

supergt 2022 rd07 10

No.23 MOTUL AUTECH Zのスタートダッシュは良好でしたが、その先は苦しい状況に。一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはレース序盤の3周で3つもポジションを上げました。

supergt 2022 rd07 11

3周目に23号車の前に出たNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは、先行するNo.39 トヨタ GRスープラにチャージ。ただし前に出ることはできず、前半スティントは10番手に留まり続けました。

supergt 2022 rd07 12

No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの後半スティントは41周にわたる長さのものになりましたが、ミシュランタイヤはライバルより性能低下が小さく、7位・4ポイントの獲得につながりました。

supergt 2022 rd07 13

終日晴天に恵まれたオートポリスを行くNo.7 Studie BMW M4。レース終盤にタイヤのピックアップに見舞われて順位を落としたのは残念でしたが、全体的なペースはまずまずでした。

supergt 2022 rd07 14

今大会の結果、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代/高星組がポイントリーダーとして最終戦に臨むことに。11月6日決勝のもてぎ大会では、ミシュランタイヤ装着車の2015年シーズン以来のタイトル獲得が期待されます。

You are using an unsupported web browser
本ウェブサイトではサポートされていないウェブブラウザをお使いのようです。一部の機能が正常に作動しない場合があります。閲覧中に動作が不安定になる場合があります。このウェブサイトを最大限活用していただくため、以下のブラウザのいずれかを使用していただくか、アップグレードまたはインストールしてください