WEC 2023 ROUND 3
SPA-FRANCORCHAMPS
■予選:4月28日/決勝:4月29日
■開催地:スパ・フランコルシャン(ベルギー)
■レース距離:6時間
トヨタ小林可夢偉組がポール・トゥ・ウイン
ミシュランタイヤが各パートナーチームのレースに貢献
FIA世界耐久選手権(WEC)の2023年シーズン第3戦スパ・フランコルシャン6時間が行われ、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組のNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドがポール・トゥ・ウインを達成。2位には、予選でのクラッシュによる最後尾スタートから素晴らしい追い上げを見せたチームメイトのセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮組が入り、トヨタGAZOOレーシングが1‐2フィニッシュを飾りました。WECではタイヤウォーマーの使用が今年から禁止になりましたが、今大会の決勝レースは路面温度が15℃以下の低い温度域で推移するものに。そうした難しいコンディションのもと、ミシュランのWEC用スリックタイヤは、耐久レース用タイヤとしては抜群の温まりの早さと、持ち前のライフの長さの双方を発揮して、各パートナーチームのレースに貢献しました。また、ミシュランが今シーズンに投入したハイパーカークラス用の新型レインタイヤが、今回初めて実戦で使用される機会を得ましたが、期待どおりの高いパフォーマンスを発揮。1カ月半後に行われる次戦ル・マン24時間に備えて様々なデータを得られた前哨戦となりました。
スパ6時間
ハイパーカークラス優勝
No.7 トヨタ GR010ハイブリッド
予選では、No.51 フェラーリ 499Pが最速タイムを刻みましたが、コース外走行があったため自己ベストタイム抹消となり、0.035秒差の2番手タイムだったNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドがポールポジションに。そして、ハーフウェットの路面で迎えた決勝のスタートでは、トヨタ勢とポルシェ勢がスリック、フェラーリ勢とプジョー勢はレイン、キャデラック勢は3号車がスリック、2号車がレインと、タイヤ選択が分かれました。蓋を開けてみると、路面は早期に乾き、スリックを履いて出たNo.7 トヨタが主導権を終始握る戦いを披露。レース中盤以降は、大幅な追い上げを実らせた僚友車との一騎討ちとなりましたが、これを制して、開幕戦のセブリング1000マイルに続く勝利を飾りました。
タイヤウォーマーの使用が禁じられたことを受け、ミシュランは特別に低温用を追加して3種類のスリックタイヤをハイパーカークラスに用意し、他の大会より低い路面温度での今大会に備えました。
前戦では11台の出走だったハイパーカークラスですが、今大会ではキャデラックとポルシェが1台ずつ増えて13台がエントリー。そして、トップ4台は同一周回という、拮抗した戦いが演じられました。
予選では、デビュー間もないフェラーリ 499Pがすでに互角の速さを見せているものの、決勝は、経験値で断然上のトヨタ GR010ハイブリッドが完勝。スパ6時間では、これで7大会連続優勝となりました。
トヨタ8号車は、予選開始直後にクラッシュを喫し、グリッド最後列からのスタートになりましたが、猛烈な追い上げを実らせ、スタートから2時間過ぎには2番手に浮上。レース後半は7号車と首位を争っての2位フィニッシュを果たしました。
レース終盤に3位の座を争ったNo.51 フェラーリ 499PとNo.5 ポルシェ 963。最終ラップでNo.51 フェラーリがNo.5 ポルシェをかわし、表彰台の最後の一角をもぎ取りました。そして、No.5 ポルシェまでが優勝のNo.7 トヨタと同一周回で走り切りました。
ハイパーカークラス用の新型レインタイヤが、今回、実戦で初めて使用されました。トレッドパターンやコンパウンドなどは、タイヤ競争が激しいSUPER GTで磨いてきた技術を盛り込んだもので、各パートナーチームから高い評価を獲得しました。