2023年シーズンの世界耐久選手権（WEC）バーレーン８時間が行われ、セバスチャン・ブエミ／ブレンドン・ハートレー／平川 亮組のNo.8 トヨタ GR010ハイブリッドが今季２勝目をマーク。同時に、この３人はWECのトップカテゴリーであるハイパーカークラスの２年連続でのドライバーズタイトル獲得を決めました。 ミシュランは今シーズンのWEC全レースにおいて、ハイパーカークラスとLMGTE Amクラスの出場全車にタイヤを供給し、各ユーザーの戦いを足元から安定的に支え続けました。また、今大会は、WECにおいてLMGTE Amクラスが開催された最後のレースでした。自由なタイヤ競争が認められたクラスとして、今大会を含めて計85戦が行われてきたLMGTE Amですが、そのうち78戦においてミシュランタイヤ装着車が優勝。ユーザーの期待にしっかりと応えるパフォーマンスを、同クラスの最後のレースまで発揮し続けました。
ブエミ／ハートレー／平川のトリオが駆ったNo.8 トヨタ GR010ハイブリッドは、ハートレーの予選タイムアタックによりポールポジションを獲得すると、決勝でもスタートから終始トップを快走。文句なしの内容で今季２勝目を飾り、この３人は昨シーズンに続いてハイパーカークラス世界チャンピオンに輝きました。また、２位には僚友車のNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドが入ったことにより、トヨタは今季４度目の１‐２フィニッシュを達成。トヨタ、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、そしてプジョーという５社による自動車メーカー対決で注目を集めた2023年シーズンのWECでしたが、全７戦のうち６戦をトヨタが制し、2012年のWECシリーズ創設時から参戦を続けてきた同社の強さが示されました。
決勝スタート直後の第１コーナーでは、予選２位であったNo.7 トヨタ GR010ハイブリッドが同３位のNo.2 キャデラック ＶシリーズＲに追突されてスピン。最後尾への後退を余儀なくされましたが、スタートから２時間強で２番手に挽回。トヨタの１‐２フィニッシュにつなげました。
ミシュランの耐久レースプログラム担当マネージャーであるピエール・アルベは、「このバーレーン・サーキットのタイヤ摩耗の厳しさを考えると、８時間のレースを通しての我々のミシュランタイヤのパフォーマンスとラップタイムの安定性は素晴らしいものでした」と評しました。
今シーズンからWECハイパーカークラスへの挑戦を開始したフェラーリは、第４戦ル・マン24時間で見事な優勝を飾りましたが、その後のレースではトヨタの後塵を拝し続けました。今大会ではNo.50 フェラーリ 499Pが３位に入り、同車のA.フオコ組がシリーズランキング３位となりました。
WEC最高峰クラスへの復活１年目であった今シーズンのポルシェ。今大会ではチームJOTAのNo.38 ポルシェ 963が、フェラーリ50号車と表彰台をかけた接戦を繰り広げましたが、わずか0.962秒及ばず４位に。ポルシェ勢のシリーズ成績は、６号車A.ロッテラー組のランキング６位が最上位でした。
WECをGTカテゴリーの車両が走るのも、今大会がひとまず最後となりました。そのLMGTE Amクラスのラストレースを制したのは、サラ・ボビー／ミシェル・ガッティング／ラヘル・フレイ組。世界耐久選手権史上初の、ドライバー全員が女性のチームによるクラス優勝が果たされました。
今シーズンのWECにおいてミシュランは、５つの自動車メーカーのキャラクターが異なるハイパーカーの高い要求に応え続けました。そして、WECで計85戦が行われてきたLMGTEカテゴリーの戦いを、ラストレースまでしっかりと支え、タイヤサプライヤーとしての仕事を完遂しました。
