ポルシェ356、 ポルシェ70周年記念イベント
~ポルシェミュージアムからの帰還~
2018年4月21日、鳥取県は境港より、ポルシェの生誕70周年を祝福すべくドイツ・シュトゥットガルトのポルシェ本社へ向けてポルシェ356プリAを走らせた、ポルシェ 356 クラブ・オブ・ジャパン会長 鈴木利行氏。その旅はポルシェファンのみならず多くの自動車ファンから注目と賞賛を集めました。2018年6月8日のポルシェミュージアムで行われたポルシェ生誕70周年記念イベントののち、長旅を終えたポルシェ356プリAは同ミュージアムで約半年間展示され、今年2019年4月27日に鈴木会長の手元へと帰ってきました。ご本人もクルマもその長旅を終え、今回日本ミシュランタイヤのインタビューにお応えいただきました。
鈴木会長: ありがとうございます。随分前のような気がするけど、まだ1年半程しか経ってないんだよね。
鈴木会長: 色々なパターンの走行距離に適したタイヤでしたね。パンクもなく、まるで面倒を掛けることなく私をドイツまで連れて行ってくれましたよ。
私は、結構几帳面にタイヤのエアチェックしていたんだけど、一日で200kmダートを走ってしまった日があって(ウランウデ到着日/2018年4月29日)、さすがにその日はタイヤが揉まれて少しエアが抜けていたね。それくらい過酷な道だったんだ。
鈴木会長: ウランウデに到着した日は1,100km走ったからね。そうそう、そのウランウデのホテルに少し気の利いたボーイさんがいてね。彼に「ロシアの道はなかなか過酷だね」と声をかけたら、彼が「それがロシアさ」なんて笑いながら言うんだよ。それで覚悟したよね。この先の道路状況を(笑)
鈴木会長: ロシアのあれだけ過酷な道を10,000km以上も走ったのに、ブロックの欠けも見つからなくて全く異常無し。ウェットでもダートでもオールマイティに信頼できましたよ。
荷重の増加に備えて空気圧を2.4〜2.5barに上げていたけど乗り心地にも影響はなかったし、コーナーでの不安も感じなかった。 スピードレンジが「S」と低いから、どうしてもオールドビートル用と決めつけられがちだけれど、実用域ではポルシェ356にとってもベストなタイヤでしたよ。安心感があったね。
鈴木会長: 残溝が、リア4mm フロント6mm。新品時でおおよそ8mmだから後ろは約半分の摩耗でした。リア駆動であること、大荷物を積んで加重が大きかったことでリアの摩耗が大きかったですね。
鈴木会長: XASはトレッドパターンが左右非対称でスポーティーな印象、XZXは言葉は悪いけど「どんくささ」が印象的だよね。「ほのぼのしている」という言い方もできるかな。今回の旅にはXZXが合っていたよね。チューブレスという機能面はもちろんのこと、タイヤの雰囲気なのかな?XASというよりはXZXの方がしっくりくるよね。ハイウェイを走るわけでもないし、「どこでも行っちゃうぞ!」という印象がこの旅には合っていた。それに先ほども言ったけど安心感があった。ユーラシア大陸を車で横断してドイツに行くなんていう旅だからね。チューブタイプをチョイスして万が一パンクしたら大変なことになるよ。バラす工具までは持っていけないしね。
鈴木会長: 国内だったらXASの方がいいんじゃないかな。高級感もお洒落感もある。そこまでスピードを出さないというのであればXZXでもいいかもね。どう表現すればいいかな・・・。わかっていて履いている車だったら感じいいなと思います。ポルシェ356でも色々な種類があるじゃないですか。ノーマルとかスーパー、ハイスピード、スポーティーとか。ノーマルにホイールキャップが付いていてXZXなんか履いているとちょっとホッとするな、みたいな。で、スポーティーなタイプの356にはやっぱりXASを履かせてみたりとか、そういう使い分けが出来る文化にしていきたいですよね。
鈴木会長: そうですね、もちろんまた行きたいと思っていますよ。その頃にはロシアの道路が舗装されているといいな(笑)。
鈴木会長: 一度行くと、なんだか気楽な旅に思えるものです(笑)。
帰還した鈴木会長のポルシェ356プリAのボディに張られたデカールには、ポルシェミュージアムのスタッフ達からのたくさんの寄せ書きが施されていました。ポルシェとその歴史を敬愛する人々の興奮と驚嘆、畏敬の念が形となって残っています。そしてこの鈴木会長の旅はまさにポルシェの歴史の一部となり、世界中のクラシックカーを愛する人々の間で語り受け継がれていくのでしょう。