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フォーミュラEとは

電気自動車(EV)による世界最高峰のレースシリーズです。タイヤはワンメイクであり、1種類のタイヤでドライ路面もウェット路面もこなします。その画期的なEV専用レーシングタイヤの公式サプライヤーはミシュランが務めています。

フォーミュラEの出場車両

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フォーミュラEは、モーターのみをパワーユニット(動力源)としたフォーミュラカーによって争われる国際レースシリーズです。2014年に初開催され、2021年シーズンからはFIA(国際自動車連盟)公認の世界選手権シリーズとなっています。

マシンの車体はワンメイクとされており、2022年シーズンにおいてはスパーク SRT-05eというシャシーが使用されています。また、車両に装着される前後ウイングなどの空力パーツやフロントサスペンション、そしてタイヤは、出場全車が同じものを使わなければならない規則になっています。

このため、フォーミュラEでは出場全車が同じマシンであるように見えます。しかし実際には、中身の動力系などの機構は各チームの車両によって異なっています。モーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)、インバーター、ギアボックス、リアサスペンションなどは各チームが自由に開発することが可能となっており、高度な技術競争が繰り広げられています。一方、バッテリーはワンメイクで、電力量54kWhのマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ製を出場全車が使用しています。

MGUの最高出力は規則で定められており、予選では250kW(約335馬力)、決勝レースでは220kW(約300馬力)までとされています。その上で各チームは、限られた電力をいかに効率よく使用し、最高出力を使える時間をいかに長く取れるようにするか、といったところで切磋琢磨しています。

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フォーミュラEのレース形態

2022年シーズンのフォーミュラEの決勝レースは、出場全車が停止状態から一斉にスタートするスタンディングスタート方式で開始され、45分間+1周というレース長が標準となっています。レース中のタイヤ交換は禁じられており、スタート時に装着していたタイヤで最後まで走り切らなければならないことになっています。

フォーミュラEには決勝レースにおいて一時的により高い最高出力を使うことができる「アタックモード」というものがあり、通常のレースモードでの最高出力が220kW(約300馬力)であるのに対して、アタックモード時のMGUは予選時と同じく250kW(約335馬力)までの出力を発生させることが可能となります。さらには、ファンの応援がドライバーへの直接的な後押しとなる「ファンブースト」という制度があるのもフォーミュラEの特徴です。これは、SNSによる人気投票でトップ5に入った5名のドライバーに限って、決勝レース中に一度だけ通常のレースモードより高いパワーを使えるというもの。フォーミュラEはこうした斬新なアイデアをいろいろ盛り込んだレースシリーズとなっています。

なお、2022年シーズンでは予選方式が一新されました。新しい方式では、出場全車を2つのグループに分けて1次予選を行い、各グループの上位4名が今度は1対1の形で行われる2次予選を戦ってトップ8のスターティンググリッドを争う仕組みに。この間、各チームはタイヤの交換や空気圧調整を自由に行うことが可能とされており、タイヤ戦略の重要性が一段と高まった内容となっています。

2022年シーズン フォーミュラE公式タイヤ
MICHELIN PILOT SPORT EV

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MICHELIN PILOT SPORT EV

フォーミュラEのタイヤはワンメイクであり、このレースシリーズの発足当初からミシュランが唯一の公式サプライヤーを務め続けています。

サプライヤーが1社に限定されているだけでなく、使用できるタイヤそのものもフォーミュラEではシーズンを通じて1種類に限定されています。その1種類のみの公式タイヤとしてミシュランが供給しているのがMICHELIN PILOT SPORT EVです。サイズは、フロント用が245/40R18、リア用が305/40R18となっています。

・1種類でドライ路面もウェット路面もこなす

フォーミュラEでは、ただ1種類の公式タイヤ MICHELIN PILOT SPORT EVがドライコンディションでもウェットコンディションでも使用されます。こうしたことは、一般的なストリート用タイヤにおいては当たり前ですが、トップカテゴリーのレーシングタイヤでは他に例を見ません。

ドライ路面のみならずウェット路面においても高いグリップ性能が求められるMICHELIN PILOT SPORT EVは、十分な排水性能を確保するためにトレッドパターンを持っています。つまり、溝付きのレーシングタイヤであるわけですが、そのままドライ路面で使用しても強力なグリップ力と高い耐久性を発揮するという一般的なストリート用に通じる懐の深さを持ったタイヤとなっています。

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・極めてシビアなタイヤの使用条件

2022年シーズンのフォーミュラEでは、1レース開催の大会で各ドライバーが使用できるタイヤは8本までとされています。つまり、たった2セットのタイヤで、練習走行、予選、そして45分間+1周の決勝レースをこなさなければならないという本数です。そして、1大会で2レースが開催されるダブルヘッダー戦の場合でも、使用できるタイヤは1セット増えるのみの12本に限られています。

トップカテゴリーのレースとしては極めて厳しいフォーミュラEのタイヤ使用本数制限ですが、それが実現できているのは、高度なパフォーマンスと耐久性を両立させた公式タイヤ MICHELIN PILOT SPORT EVの高性能があるからこそと言えるのです。

・第一世代より約20%も軽量に

ミシュランが2022年シーズンのフォーミュラEに投入するMICHELIN PILOT SPORT EVは、第三世代のフォーミュラE公式タイヤです。様々な特性の舗装や路面のコンディションにおいて高いグリップ力を発揮できる性能を有しつつ、極めて低い転がり抵抗を実現させたタイヤとなっています。ミシュランはタイヤの軽量化にも努めており、この第三世代のフォーミュラE公式タイヤ MICHELIN PILOT SPORT EVは第一世代のMICHELIN PILOT SPORT EVに対して約20%も重量が軽いものとなっています。

・フォーミュラカー用として先駆的なリム径18インチ

ミシュランはフォーミュラカー用レーシングタイヤとしては先駆的に18インチのリム径をフォーミュラEの創設時から採用しました。これによりミシュランは、フォーミュラEで磨いた技術を今日の標準的なサイズのストリート用タイヤにストレートに応用していくことが可能となっています。ちなみに、フォーミュラカーレースの頂点に立つF1のリム径18インチタイヤへのスイッチは、ミシュランがフォーミュラE公式タイヤにそれを採用してから8年が経過した2022年にようやく実現しました。

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・ストリート用に通じるトレッドパターン

現在販売されているストリート用タイヤ MICHELIN PILOT SPORTのトレッドパターンは、先にフォーミュラE用タイヤで開発されたデザインをベースにしています。このように、フォーミュラE用とストリート用のミシュランタイヤは様々な領域において技術的に深い連続性を持ったものとなっており、ミシュランは双方向の技術フィードバックを積極的に行って開発を進めています。

2022年シーズン フォーミュラEの見どころ

自動車業界が注目する先進的なEVレースであるフォーミュラEには、DSオートモビル(シトロエン)、ジャガー、メルセデス・ベンツ、日産自動車といった世界の名だたる自動車メーカーが実力派のレーシングチームと手を組んで出場しており、この2022年シーズンには11チームから22台=22名のマシン=ドライバーがシリーズ参戦します。

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発生音が小さい電動レーシングカーを使用することから、騒音による障害が小さく、市街地に特設コースを設けてのレース開催を比較的容易に実現できるという特長がフォーミュラEにはあります。実際、2022年シーズンもフォーミュラEは、ローマ、ニューヨーク、ロンドンといった世界の名だたる大都市の市街地で行われるレースによって構成されるシリーズとなっています。

2022年シーズン フォーミュラE 開催スケジュール
2022年シーズン フォーミュラE 出場チーム&ドライバーラインアップ
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