雪道

地域や用途で異なるタイヤ選定。冬用タイヤの準備、その保管方法とは?

2020年11月27日 19:00 MICHELIN | 文:小鮒 康一/写真:日本ミシュランタイヤ

2020年も立冬を過ぎ、一気に寒さが増してきました。朝晩は冷え込みも強くなり、着るものも冬物に変わりつつある季節です。と同時にクルマの方も、そろそろ冬支度をしておきたい時期と言えます。

一昔前まではクルマの冬支度として、温度が下がることを見越してオイルの粘度を変更したり、ラジエターの冷却水の濃度を上げたり、エアクリーナーの吸入レバーを切り替えたりといった”儀式“がありましたが、最近の車両ではそんな必要もなくなりつつあります。

そんなメンテナンスフリー化の目覚ましい現代ではありますが、今でもクルマの冬の準備として知られるのが「タイヤの履き替え」でしょう。日常的に積雪がある地域にお住まいの方であれば、スタッドレスタイヤへの履き替えは当然の装備と言えるでしょう。

また近年では急な降雪にも対応できる「オールシーズンタイヤ」も市民権を得てきており、この時期のタイミングでオールシーズンタイヤに履き替えを検討している人も多いのではないでしょうか?

しかし、普段あまり雪の降ることのない地域にお住まいの人にとって、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを装着するかどうか悩ましいポイントかもしれません。しかし普段は積雪のない地域でも、急な雪で大パニックになっている光景をニュースなどで目することは少なくなく、決して無関係な話ではありません。

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天気予報を事前に確かめて「降雪時には、出かけない」という選択もありますが、出かけた先で急に天候が崩れて一気に積雪するという可能性もあります。
あるいは、家族の送り迎えや買い出しなど、どうしてもクルマに乗らなければならない、というケースもあるのではないでしょうか。

中には、「数年前にスキー場にいくためにスタッドレスタイヤを買ったけど、最近は装着することもなく保管中」という人もいるかもしれません。スタッドレスタイヤもサマータイヤと同じように、古くなって摩耗や劣化が進むと本来の性能を発揮できなくなってしまいます。

そのため、スタッドレスタイヤへの履き替えを検討するこのタイミングでタイヤの状態をチェックして、万全の状態で冬を迎えたいものですよね。

クルマを運転するならだれもが加入する自動車保険。加入時に十分に吟味して万が一に備えることはもはや当然といえます。
冬のカーライフをより安全に楽しく過ごすために、保険を吟味するのと同じように、タイヤもきちんと備えをしておきたいものですね。

そもそも、スタッドレスタイヤが冬道で滑りにくい理由とは?

冬道でタイヤが滑ってしまう理由ですが、凍結路面の場合はタイヤと路面との間に水の膜が出来ることで、タイヤと路面の密着度が低くなってしまうことが主な原因。そして積雪路面ではタイヤと路面の間に雪が入り込むことで、路面とタイヤの摩擦が小さくなることが主な原因となっています。

それに対して、スタッドレスタイヤは凍結路面で滑る原因となる水の膜を破り、しっかり除水と排水ができる深い溝と、積雪路面で力を発揮するように低温でもしなやかに可動し、雪にしっかり食いつく素材(コンパウンド)と細かい横溝(サイプ)が雪に爪を立てるよう路面を捉えるため、雪道でも走行できるのです。 

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つまり、以前使っていたスタッドレスタイヤが今年も問題なく使えるかどうかは「溝が残っているか」と「ゴムのしなやかさが失われていないか」をチェックすれば判断できるというワケなんです。

自分でできるスタッドレスタイヤのチェック方法

スタッドレスタイヤは溝がキモのひとつですが、新品時の溝の高さから50%まで摩耗した段階で冬用タイヤとしては使用できなくなってしまいます。その減り具合を判断するのが「プラットフォーム」と呼ばれるもので、タイヤ側面に記された「↑」マークの部分の溝に設定されています。

このプラットフォーム部の高さと同じになるまでタイヤの接地面が摩耗すると、新品時から50%まで摩耗したということになるので、冬用タイヤとしての使用期限が過ぎたと判断できるのです。

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一方、スタッドレスタイヤのしなやかさについては判断基準が難しいため、タイヤの専門店に足を運んでプロの目でチェックしてもらうのが間違いないでしょう。

ミシュランでは相談窓口も設けているので、スタッドレスタイヤについて気になる点があったら気軽に問い合わせをしてみるのもオススメです。また、ミシュランタイヤのサイトでは、お近くの販売店を検索することもできますから、実際に今使用しているタイヤの状態を確認してもらいたいときはぜひ活用してみてください。

スタッドレスタイヤは何年くらい使える? 正しい保管方法は?

冬の間は大活躍のスタッドレスタイヤですが、氷雪とは無縁の季節には保管をしておかなければなりません。実はこの保管方法が重要で、正しく保管することでタイヤの寿命は大きく変わってきます。

その方法とは、直射日光(紫外線)や高温多湿な状態を避けて保管するというもの。マンション住まいの方などはベランダで保管しているという人も多いかもしれませんが、その場合は日よけのカバーを使うというのも効果的です。ただし、カバーをかけっぱなしにすると湿気が溜まってしまうので、たまには陰干しをするとなおよいでしょう。


倉庫のような直射日光の影響を受け内場所に保管できるのがベストではありますが、その際は油脂類や化学薬品、オゾンなどゴムの劣化や変質を促すものからは遠ざけて保管できるようにしましょう。

またタイヤの変形を防ぐためにも、タイヤ単体で保管する場合は立てた状態で、ホイールに組み込んだ状態で保管する場合は空気圧を半分程度に落として、ホイール接触させてるように重ねて保管することをオススメしています。

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最近ではタイヤショップなどで保管サービスを行っているところも増えてきたので、そういったところに預けてしまうのも一つの手段です。

なお、タイヤ公正取引協議会のテストによると、適正な環境で保管されていたスタッドレスタイヤであれば、製造から2シーズンが経過したものでも当年に製造したタイヤと同等の性能を保つことが確認されています。

また、ミシュランのスタッドレスタイヤはロングライフかつ性能持続性が高い(性能の落ち込みが緩やか)ため、適切な管理さえできれば環境にもお財布にも優しいウインターライフが送れること間違いなしです。

“かもしれない”のために準備することがハードルが高いと感じる人には、
雪も走れる夏タイヤがオススメ

降雪地域であれば当然のように装着するスタッドレスタイヤではありますが、首都圏などの自動車ユーザーにとっては万が一のために毎冬スタッドレスタイヤへ交換するのはハードルが高いという声も聞かれます。

確かに一冬全く雪が積もらない年もありますが、数年前のように2週続けて首都圏ではめったに降らないような量の降雪で交通機関が大混乱になった、というのも記憶に新しいところ。

とはいえ、1年に数回あるかないかのときのためにスタッドレスタイヤを用意するのはなかなか……という風にお考えの方も多いですよね。そんな首都圏のユーザーにオススメしたいのが、“雪も走れる夏タイヤ”のキャッチコピーでおなじみの「MICHELIN CROSSCLIMATE(クロスクライメート)」シリーズです。

これは夏タイヤの性能はそのままに雪の走行性能をプラスした新発想のタイヤであり、四季を通じて履き続けることができるため、タイヤ交換の手間やコスト、保管場所の問題などを一気に解決できるタイヤです。

またミシュラン クロスクライメートシリーズは、日本最大級のクルマSNSサイト「みんカラ」のユーザーレビューによって算出される「パーツオブザイヤー2019 年間大賞」*¹及び「パーツオブザイヤー2020 年間大賞」*² のオールシーズンタイヤ部門で2年連続1位を、そして2021年・2022年の年間大賞*³*⁴では同部門でともに「殿堂入り」*⁵を獲得しており、実際にタイヤを購入・使用したユーザーからも高い評価を受けているタイヤなのです。

降雪地域にお住まいのユーザーで頻繁に氷雪路面を走行するユーザーにはスタッドレスタイヤの装着をおすすめしますが、そうでないユーザーにとっては、急な積雪時には心強い味方となってくれることでしょう。

そして自分のクルマの使い方ではどのタイヤをチョイスしたほうがいいのか悩んでいる人は、前述のミシュランお客様相談室にお問い合わせいただくか、ミシュランタイヤ販売店検索機能でお近くの販売店に足を運んでいただければ、ニーズに合った最適なタイヤを探すお手伝いやアドバイスを受けることができますので、お気軽にご連絡ください。

また、ミシュランのスタッドレスタイヤはロングライフかつ性能持続性が高い(性能の落ち込みが緩やか)ため、適切な管理さえできれば環境にもお財布にも優しいウインターライフが送れること間違いなしです。

*1/*2/*3/*4 みんカラに投稿されるユーザー評価に基づいたランキング結果
(集計期間:*1 2018年11月1日~2019年10月31日、*2 2019年11月1日~2020年10月31日、*3 2020年11月1日~2021年10月31日、*4 2021年11月1日~2022年10月31日)
*5 過去数年間で不動の支持を集め続けたパーツに送られる称号です。

ライター

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Kouichi KOBUNA

フリーランス自動車ライター。
軽自動車からスポーツカー、ミニバン、電気自動車と幅広い車両を所有し、
ユーザーの目線に立つことを第一に記事を執筆中。

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