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MotoGPとは

「MotoGP」は、二輪車のサーキットレースの世界最高峰シリーズであるFIMロードレース世界選手権、通称「世界グランプリロードレース」のトップカテゴリーです。タイヤはワンメイクで、ミシュランがその公式サプライヤーとして出場全車に製品を供給しています。

二輪ロードレースの世界最高峰カテゴリー

舗装路のコースで行われるレースを、二輪の世界では「ロードレース」と呼びます。その最高峰のシリーズが「FIMロードレース世界選手権」であり、その頂点に立つカテゴリーが「MotoGP」です。6つのバイクメーカーが、それぞれ独自に開発した先進的なマシンで参戦。選び抜かれた超一流のレーシングライダーたちによって争われています。

※FIM=国際モーターサイクリズム連盟

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MotoGPで使用されているマシンは、排気量1000ccの4ストローク自然吸気エンジンを搭載する、このカテゴリー専用のものです。レース中でも350km/hをゆうに超える最高速度を発揮する高性能を有しています。

MotoGPには、ライダー、コンストラクター(車両メーカー)、チームの3つの選手権が設けられています。各レースの走行距離は110〜120km程度、走行時間は40分強で、その間、抜きつ抜かれつのバトルが至るところで演じられます。そのスペクタクルな内容のため、人気は世界的に高く、200を超える国々でテレビ放映が行われており、年間視聴者数は延べ人数で50億人以上と言われています。

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MotoGPではタイヤはワンメイクとなっており、2016年シーズンからはミシュランがその公式サプライヤーを務めています。他のタイヤメーカーとの競争がない中でも、ミシュランはMotoGP公式タイヤの開発を精力的に推し進めており、速さと安全性の双方を高め続けています。

2024年シーズン MotoGP公式タイヤ
MICHELIN Power Slick / MICHELIN Power Rain

ミシュランがすべてのMotoGPレースにおいて出場全車に供給するMotoGP公式タイヤは、ドライコンディション用の「MICHELIN Power Slick」とウェットコンディション用の「MICHELIN Power Rain」。サイズはドライ用、ウェット用ともに、フロントが12/60-17、リアが20/69-17です。

(※ミシュランレーシングタイヤのサイズ表記はタイヤ幅 [cm]/タイヤ外径 [cm] リム径 [インチ] )

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MICHELIN Power Slickにはフロント用、リア用ともにソフト、ミディアム、ハードの3種類が、MICHELIN Power Rainにはフロント用、リア用ともにソフトとミディアムの2種類があります。
タイヤの種類は、サイドウォールのカラーバンドによって、ひと目で識別できるようになっており、MICHELIN Power Slickのソフトは白、ミディアムは黒(バンド無し)、ハードは黄、MICHELIN Power Rainのソフトは青、ミディアムは黒(バンド無し)です。

・2024年は新設計コンパウンドを投入

MotoGPマシンの性能向上により、タイヤにかかる負荷は高まる一方です。この状況に対応するため、ミシュランはこの2024年シーズンのMotoGP公式タイヤに、新開発のラバーコンパウンドを採用しました。多くの新しい材料を含んだ成分としているほか、それらを混ぜてラバーコンパウンドを生成する「ミキシング」と呼ばれる工程に新工法を用いています。なお、フロントタイヤとリアタイヤでは、ラバーコンパウンドの成分と製造工法に違いがあります。

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・ミシュランの環境負荷低減の努力

ミシュランは、MotoGP公式タイヤという要求性能が極めて高い製品においても、ひとつのタイヤがカバーできるコンディションや走行距離のレンジを広げる開発に取り組んでいます。その結果、MotoGP公式タイヤの製造本数やサーキットに持ち込む本数の大幅な削減を実現。1シーズン中に使用されるタイヤの本数をこの3年間のうちに約1400本も減らすことに成功しています。

タイヤの製造本数や使用本数が少ないことは、調達・使用する原材料が少なく済むということであり、タイヤの製造・運搬・処分による環境負荷を下げることにつながっています。

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なお、ミシュランは、そのタイヤを使用するレースの開催国へ製品を直接送るようにしています。MotoGP公式タイヤの製造はすべてフランスで行っていますが、ヨーロッパ域外で開催されるレースのタイヤの運搬には、飛行機ではなく船を使用しています。いずれも、環境負荷やコスト面を考慮してのことです。

「私たちは、競技のスポーツ性を高めながらも、タイヤの使用本数を減らすことを実現させてきました。これにより、サステナブルで責任のあるモータースポーツへのさらなる一歩を踏み出すことができます。これこそが本当の成功であり、私たちミシュランモータースポーツチームの仕事の成果なのです」とミシュランの二輪モータースポーツマネージャーであるピエロ・タラマッソは語っています。

2024年シーズン MotoGPのタイヤ使用基本ルール

【各レースにおいてミシュランが各ライダーに用意するMICHELIN Power Slickの本数】
■フロント用:15本 ■リア用:12本

【各レースにおいて各ライダーが使用できるMICHELIN Power Slickの本数】
■フロント用:10本 ■リア用:12本

スリックタイヤのMICHELIN Power Slickについては、ミシュランはMotoGPの各大会において、フロント用15本、リア用12本、合計27本を各ライダーに用意します。この数は、2021年シーズンは30本でしたが、2022年シーズンには28本へ減らし、2023年シーズン以降はさらに1本削減しているものです。

各大会においてミシュランが各ライダーに供給するMICHELIN Power Slickですが、フロント用はソフト、ミディアム、ハードが5本ずつとなります。一方、リア用は、各大会の開催条件に合わせて選定した2種類を用意。2種類のうち、一方を7本、もう一方を5本、各ライダーに提供しています。
(※MotoGP初開催サーキットでの大会では、リア用も3種類を用意します)

スリックタイヤに関しては、ミシュランが各ライダーに用意する本数と、各ライダーが実際に使用できる本数は異なります。レースウィーク中のすべての走行セッションを通して各ライダーが使用できるMICHELIN Power Slickの本数は、フロント用は10本まで、リア用は12本までとなっています。したがって、フロント用について各ライダーは、用意される割り当ての中から、ソフト、ミディアム、ハードのどの種類のタイヤをそれぞれ何本とするか、あらかじめ任意に定めて走行に臨みます。

一方、レインタイヤのMICHELIN Power Rainに関しては、ミシュランは各ライダーにフロント用6本、リア用7本、合計13本を用意します。そして、各ライダーはそのすべてを使用することができます。
(※レインタイヤの使用は、路面がウェット状態であると競技長によって認定され、「ウェット宣言」というものが発された場合に限られます)

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2024年シーズンMotoGPの見どころ

MotoGPには、ドゥカティ、KTM、アプリリア、ヤマハ、ホンダという5つのバイクメーカーが、それぞれ独自に開発した専用マシンをもって参戦しています。そして、2024年シーズンは計22名のライダーがシリーズを通して出場します。

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MotoGPでは、すべての大会の土曜日に「スプリントレース」が開催されています。これは、各大会の日曜日に行われるグランプリレース(決勝レース)の半分の距離で争われるもの。つまり、1つの大会で2つのMotoGPレースを楽しめるわけです。メインレースでは上位15名のライダーにシリーズポイントが与えられますが、スプリントレースにおいても上位9名にポイントが付与されます。

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・2024年シーズンの大会フォーマット 

FIMロードレース世界選手権の各レースウィークにおけるMotoGPクラスの走行は、金曜、土曜、日曜の3日間にわたって行われます。

金曜日に実施されるのは、45分間のフリープラクティス1(FP1)と60分間のプラクティスです。後者のセッションでトップ10に入るタイムを記録したライダーは、明くる土曜日においてはQ1(予選第1セッション)をスキップしてQ2(予選第2セッション)に直接進出できます。

土曜日には、午前中に30分間のフリープラクティス2(FP2)が行われ、続いて、Q2ダイレクト進出を逃したライダーたちによるQ1が、そしてダイレクト進出した10名によるQ2が、それぞれ15分間のセッションとして実施されます。そして同日の午後3時からは、日曜日に行われる決勝レースの半分の周回数によるスプリントレースが開催されます。

日曜日は、午前中に10分間のウォームアップ走行があり、そして決勝レースが午後2時から行われます。

2024年シーズン MotoGP 出場チーム&ライダーラインアップ
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2024年シーズン MotoGP 開催スケジュール
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電動バイクレース「MotoE」もミシュランタイヤのワンメイク
サステナブルな材料を先駆的に採用

FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が認定した電動バイクによる国際レースシリーズがFIM MotoE世界選手権です。モーターの最高出力が約150馬力、最高速度は275km/hに達する電動レーシングバイクを用いたスプリントレースのシリーズとして行われています。

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2024年シーズンはFIMロードレース世界選手権の8大会において1レースずつ開催され、9チームから18名のライダーがシリーズ参戦。マシンはドゥカティ製のワンメイクです。タイヤもワンメイクであり、その公式サプライヤーはミシュランが務めています。

ミシュランがMotoEの各大会において供給するタイヤは、規定により、ドライコンディション用、ウェットコンディション用ともに1種類ずつとなっています。

ミシュランのMotoE公式タイヤは、荷重のかかり方などがMotoGPとは異なるMotoEに合わせて開発した専用タイヤです。そしてミシュランは、このMotoE公式タイヤのラバーコンパウンド材や構造材に、バイオ素材や再生素材を採用するという取り組みを行っています。サステナブル材料を用いたMotoE公式タイヤを使用しての各コースでのラップタイムは、従来品より平均で1秒以上も短縮されています。二輪用タイヤにバイオ素材や再生素材を先駆的に用いながら、肝心のタイヤパフォーマンスも向上させるという難しいタスクにミシュランは取り組み、大きな成果をあげています。

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この持続可能材料を用いたMotoE公式タイヤを、ミシュランは2024年シーズンにおいてもMotoE出場全車に供給。同時に、さらに効率的で環境に優しいサステナブルなストリート用タイヤの技術開発を推し進めていきます。

2024年シーズン MotoE 開催スケジュール
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